ネコショカ

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2023年に読んで面白かった新書・一般書10選

『嫉妬と階級の『源氏物語』』大塚ひかり

『少女は踊る暗い腹の中踊る』岡崎隼人 第34回メフィスト賞受賞作

岡崎隼人、最初で最後の作品 2006年刊行。第34回メフィスト賞受賞作品。作者の岡崎隼人(おかざきはやと)は1985年生まれなので、受賞時は21歳くらいか。わりかし若い作家が受賞することが多いメフィスト賞としてもかなり若い方だよね。 ノベルス版のみで文…

『エドワード・ゴーリーの世界(改訂増補新版)』濱中利信編 ゴーリーファン必携、ガイドブックの決定版

エドワード・ゴーリーのファンブック 本作は、アメリカ人絵本作家エドワード・ゴーリー(Edward Gorey)のファンブックだ。編者の濱中利信(はまなかとしのぶ)は1961年生まれ。エドワード・ゴーリーの邦訳がまったくなかった頃から、ゴーリーファンとしてその…

『夜勤~夜に産まれた者だけが戦う世界~』友浦乙歌の三作目はバトルアクション

友浦乙歌の商業出版第三作 2021年の8月にご紹介した『雨の庭』に引き続き、著者である友浦乙歌(ともうらおとか)さんより作品をご恵贈頂き、レヴューを書かせていただきました。友浦さん、今回もありがとうございました! 『夜勤~夜に産まれた者だけが戦う…

『新本格魔法少女りすか4』西尾維新 17年かけてついにシリーズ完結!

「りすか」シリーズついに最終巻! 2020年刊行作品。『新本格魔法少女りすか』『新本格魔法少女りすか2』『新本格魔法少女りすか3』に続く、「りすか」シリーズの四作目。2004年に始まった「りすか」シリーズが17年の歳月をかけて遂に完結した。西尾維新やれ…

『タイム・リープ あしたはきのう』高畑京一郎 平成の名作が新装版で再文庫化!

平成の名作が復刊 作者の高畑京一郎(たかはたきょういちろう)は1967年生まれのライトノベル作家。第1回電撃ゲーム小説大賞の金賞を受賞した、1994年の『クリス・クロス 混沌の魔王』がデビュー作。電撃ゲーム小説大賞系の作品でありながら、いきなり文庫で…

2022年に読んで面白かった小説13選

2022年に読んで面白かった本企画、新書・一般書編、マンガ編に続いて、最後に小説編をお届けしたい。基本的に「その年に読んだ本」が対象なので(「その年に出た本」ではない)、古い作品も混ざっているけれども、その辺はご了承くださいませ。 これまでの「…

2022年に読んで面白かったマンガ10選

年初恒例の「〇〇年に読んで面白かった」シリーズ。先日、新書・一般書部門をお届けしたが、続いてはマンガ部門を公開したい。以前は、マンガはネットカフェで紙の本を読む派だったのだが、コロナ禍で足が遠のき、アプリによる配信や、特売時に電子版を大量購…

2022年に読まれた記事ベスト10 書評(小説感想)ブログのアクセス傾向まとめ

2023年、あけましておめでとうございます コロナ禍の中(←個人的によく使うフレーズ)はいつまで続くのか。。。なんだか、こういう日々が日常化してしまって定着していきそう。 12月中旬から更新ペースが落ちてしまって、いつも読んでいただいている皆さま、…

『名探偵のいけにえ 人民教会殺人事件』白井智之 奇跡VS探偵のロジック

2022年のミステリ界を席巻! 2022年刊行作品。作者の白井智之(しらいともゆき)は1990年生まれのミステリ作家。デビュー作は2014年の『人間の顔は食べづらい』。同作は第34回の横溝正史ミステリ大賞の最終候補作のひとつであった。 『名探偵のいけにえ』は…

『早朝始発の殺風景』青崎有吾 高校生たちの気まずい密室

青春は気まずさでできた密室 2019年刊行作品。集英社の小説誌「小説すばる」に2016年~2018年にかけて掲載されていた作品をまとめたもの。「エピローグ」部分は単行本刊行時の書き下ろしとなっている。第73回日本推理作家協会賞の、長編および連作短編集部門…

『それでも君が』高里椎奈のドルチェ・ビスタシリーズ

高里椎奈による「密室本」 2002年刊行作品。講談社ノベルズ20周年企画「密室本」の一冊である。高里椎奈(たかさとしいな)と言えば、薬屋探偵シリーズが定番だったが(当時)、本作は初の非薬屋シリーズ作品だった。 その後『お伽話のように』『左手をつな…

『真っ暗な夜明け』氷川透 第15回メフィスト賞受賞作

覆面作家、氷川透のデビュー作 2000年刊行作品。第15回のメフィスト賞受賞作品である。氷川透(ひかわとおる)の最初の作品。この作家、東京大学文学部卒であることは開示されているのだが、それ以外のプロフィールがまったく不明と言う覆面作家である。性別…