ネコショカ

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2023年に読んで面白かった新書・一般書10選

『嫉妬と階級の『源氏物語』』大塚ひかり

2019-03-01から1ヶ月間の記事一覧

五代版と宵野版が交差する、グイン・サーガ続篇139巻『豹頭王の来訪』

五代ゆうサイドにもグインが登場 2016年刊行。続篇グイン・サーガとしては九冊目。五代グインとしては本作が五作目にあたる。 あらすじ ミロクの聖地ヤガ。その最深部に潜入したブランは、高僧ソラ・ウィンに出会う。そして<新しきミロク>の信徒たちが切望…

物語の全体像が見えてきた、西尾維新『刀語 第十話 誠刀・銓』

講談社BOX12ヶ月連続刊行"大河ノベル"の十作目 2007年刊行。シリーズ10作目。全十二冊。毎月刊行。遂に大詰め。VSねーちゃん戦以降、あまり盛り上がって来なかったけど、ここいらあたりからスパートかかってくる感じ。 あらすじ 虚刀流の遣い手鑢七花と、奇…

『高丘親王航海記』澁澤龍彦最後の作品を解説!親王の足跡マップ付

澁澤龍彦、最後の作品。あらすじと各エピソードごとのネタバレ感想を掲載。ざっくり地図付き。マンガ版の情報もあり。喉頭癌という死病に苦しんでいた、澁澤龍彦自身の葛藤が主人公の高丘親王に多分に投影されている。次第にその肉体は病み衰えて行くが、反…

グイン・サーガ続篇138巻『ケイロンの絆』ケイロニア反グイン派の動きが活発に

オクタヴィア戴冠、一枚岩とは言えないケイロニアのお家事情を描く 2016年刊行。続篇グイン・サーガとしては八冊目。宵野ゆめ版のグインとしてはこれが四作目にあたる。 あらすじ オクタヴィアの戴冠式を前に、ケイロニアでは不穏な事態が相次ぐ。ツルミット…

木刀対無刀の戦い、西尾維新『刀語 第九話 王刀・鋸』

講談社BOX12ヶ月連続刊行"大河ノベル"の九作目 2007年刊行。全体の2/3が終わって、とうとうこれで残り三冊である。 あらすじ 出羽の国。天童は将棋村を訪れたとがめと七花。四季崎記紀の残した十二本の完全なる変体刀を探し求める旅は終盤を迎えていた。この…

恒川光太郎『夜市』人界と魔界の端境の物語

恒川光太郎のデビュー作 2005年刊行。恒川光太郎(つねかわこうたろう)の第一作。表題作の「夜市」は第12回日本ホラー小説大賞受賞作品。本書では、加えて書き下ろしの「風の古道」が追加され、単行本化されている。 処女作の本作でいきなり第134回直木賞の…

グイン・サーガ続篇137巻『廃都の女王』猫頭の神アウラ・シャー登場

スカール、魔都フェラーラへ 2015年刊行。栗本薫亡きあとの、続篇グイン・サーガとしては七冊目。五代グインとしてはこれが四作目にあたる。 あらすじ 大鴉ザザと狼王ウーラにいざなわれ、スカールとスーティは魔都フェラーラを訪れる。しかし、キタイの首都…

とうとう対戦相手が人ですらなくなった、西尾維新『刀語 第八話 微刀・釵』

講談社BOX12ヶ月連続刊行"大河ノベル"後半戦に突入 2007年刊行。シリーズ八作目。月一冊の全十二巻構成。全体の2/3が終わって、そろそろ後半戦といったところ。 あらすじ 伝説の名刀、四季崎記紀の変体刀を七本まで蒐集した奇策士とがめと鑢七花。二人は幕府…

ケイロニアの皇位継承問題が決着、グイン・サーガ続篇136巻『イリスの炎』

ケイロニアに新皇帝誕生 2015年刊行。宵野ゆめが書いたグイン・サーガとしては本作が三作目になる。 思えばシリーズ初期の17巻あたりから、長らく引っ張ってきたケイロニアの皇位継承問題がやっとこさ解決。皇位を継ぐのは果たして誰か?って、まあタイトルか…

実質的なラスボス戦、西尾維新『刀語 第七話 悪刀・鐚』

講談社BOX12ヶ月連続刊行"大河ノベル"の第七巻 2007年刊行。12ヶ月連続刊行の七冊目。中盤の山場、VSねーちゃん戦である。 比較的凄惨な殺陣が連続する対戦型格闘小説である本作に、正直言って竹のイラストは合ってないんじゃないか?カワイすぎるのでは?時…

続篇が始まってから最大の衝撃回、グイン・サーガ続篇135巻『紅の凶星』

4つの舞台の物語を収録 2015年刊行。五代ゆう描くところのグイン・サーガとしてはこれで三作目。 今回は、ブランのヤガ潜入レポート、リギア一行の逃避行、クリスタルでのイシュトヴァーンとカメロン、そしてスカールたちの魔都フェラー行と4つの舞台のお話…