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2023年に読んで面白かった新書・一般書10選

『嫉妬と階級の『源氏物語』』大塚ひかり

2022-01-01から1ヶ月間の記事一覧

『Kの流儀 フルコンタクト・ゲーム』中島望 第10回メフィスト賞受賞作品

中島望のデビュー作 1999年刊行作品。作者の中島望(なかじまのぞむ)は1968年生まれ。本作『Kの流儀』で第10回のメフィスト賞を受賞し作家デビュー。 残念ながら文庫化、電子書籍化はされていない。Amazonでも現時点(2022年1月28日)中古含め在庫なし。図…

『木曜組曲』恩田陸 五人の女たちが織り成す心理戦

映画化もされた恩田陸の初期作品 1999年刊行作品。「問題小説」に98年から99年にかけて掲載されたものが1999年に徳間書店より単行本化された。恩田陸としては七作目。最初期の作品のひとつである。 木曜組曲 作者:恩田 陸 徳間書店 Amazon 最初の徳間文庫版…

『飛蝗の農場』 ジェレミー・ドロンフィールド 2003年このミス海外部門第1位

ジェレミー・ドロンフィールドのデビュー作 オリジナルの英国版は1998年刊行。日本での刊行は2002年となっている。「このミステリーがすごい!」2003年版海外部門で一位を獲得している作品である。 作者のジェレミー・ドロンフィールドは1965年生まれのイギ…

『十八の夏』光原百合 日本推理作家協会賞受賞作を含む良短編集

光原百合の第三作 初出は「小説推理」。2002年刊行作品。このミス2003年版で国内6位にランクインしている。1998年の『時計を忘れて森へいこう』、2001年の『遠い約束』に続く、光原百合(みつはらゆり)の第三作品となる。 十八の夏 作者:光原 百合 双葉社 A…

『氷菓』米澤穂信のデビュー作にして、古典部シリーズの一作目

米澤穂信のデビュー作 2001年刊行。第五回角川学園小説大賞奨励賞受賞作。同大賞はこの年から、ヤングミステリー&ホラー部門を創設しており、当該部門で、奨励賞を受賞したのが本作だ。2022年に『黒牢城(こくろうじょう)』で直木賞を受賞した米澤穂信のデ…

『レキオス』池上永一 千年の眠りから覚める沖縄の封印

池上永一の第四作 2000年刊行。『バガージマヌパナス』『風車祭』『復活、へび女』(後に改題されて『あたしのマブイ見ませんでしたか』)に続く池上永一の四作目である。 早川書房の『SFが読みたい!』2001年版で、国内部門の第2位にランクイン。2001年版の…

『須永朝彦小説選』山尾悠子・編 昏い夜の眷属に心惹かれるものたちの物語

珠玉の25編をセレクトした幻想短編集 2021年刊行作品。作者の須永朝彦(すながあさひこ)は1946年生まれの歌人、作家、評論家。2021年の5月に逝去されている。 本作『須永朝彦小説選』は、同氏の逝去を悼み、作家の山尾悠子が25の短編をセレクトし文庫化した…

『それでも警官は微笑う』日明恩 第25回メフィスト賞受賞作は警察小説

日明恩のデビュー作 第25回メフィスト賞受賞作品。2002年刊行。作者の日明恩は1967年生まれ。日明恩と書いて「たちもり めぐみ」と読む。 2005年に講談社ノベルス版が登場。 それでも、警官は微笑う (講談社ノベルス) 作者:日明 恩 講談社 Amazon その翌2006…

『黒牢城』米澤穂信 祝・直木賞受賞!荒木村重✖黒田官兵衛の歴史ミステリ

米澤穂信の歴史ミステリが登場 2021年刊行作品。タイトルの『黒牢城』は「こくろうじょう」と読む。 KADOKAWAのWEBマガジン「文芸カドカワ」及び「カドブンノベル」に2019年~2020年にかけて掲載されていた作品に、加筆修正をした上で、書下ろし一篇を加えて…

『木製の王子』麻耶雄嵩 木更津悠也モノにして、その後の烏有くんのお話

込み入ったアリバイ崩しに挑む 2000年刊行作品。東京創元社がかつて刊行していたミステリベスト本『本格ミステリこれがベストだ!』(そういえばあったよね)の2001年版では第2位にランクインした作品。 講談社文庫版は2003年に刊行されている。アマゾンの書…

『象の棲む街』渡辺球 第15回日本ファンタジーノベル大賞優秀賞

渡辺球のデビュー作 2003年刊行作品。第15回日本ファンタジーノベル大賞優秀賞受賞作である。作者の渡辺球(わたなべきゅう)は1967年生まれ。 残念ながら文庫化はされていない。 渡辺球は本作以降、寡作ながらも作品の執筆は続けていたようで、2006年の『俺…

『グレイ・チェンバー』小川一水 ジャンプジェイブックスレーベルでの刊行作品

ジャンプジェイブックス時代の小川一水作品 小川一水(おがわいっすい)は、河出智紀名義で1996年10月に『まずは一報ポプラパレスより』を上梓していて実質的にはこれがこの作家のデビュー作。続いて『まずは一報ポプラパレスより2』 が1998年の4月に出てお…

東京の美しい本屋さん33店舗をマップ化!

書店マップ企画の第三弾 新型コロナウイルス蔓延、ついに第六波が到来。ということで、再び(というか何度目かわからんが)、引きこもり生活を強いられている方も多いのでは? ということで、久しぶりに書店マップ企画をお届けしたい。って、外に出られない…

2021年に読んで面白かった小説11選

2022年もすでに二週間が経過してしまい、やや時機を逸してしまった感が無きにしも非ずだが、恒例の「〇〇年に読んで面白かった小説10選」をお届けしたい(10冊に絞れなかったので今年は11冊だけど)。 特に順位などは無し。また、「2021年に刊行された作品」…

『ROMMY 越境者の夢』歌野晶午の初期作品

歌野晶午が新しい作風にチャレンジし始めたころの作品 1995年作品。最初は講談社ノベルスから登場。 『長い家の殺人』『白い家の殺人』『動く家の殺人』などの一連の信濃譲二シリーズで、新本格ムーブメントを担う一人としてデビューした歌野晶午(うたのし…

『狂乱廿四孝』北森鴻 河鍋狂斎の幽霊画から始まるミステリ、

北森鴻のデビュー作 1995年作品。第六回鮎川哲也賞受賞作。北森鴻(きたもりこう)の第一作である。『狂乱廿四孝』は「きょうらんにじゅうしこう」と読む。 作者の北森鴻は1961年生まれ。残念ながら2010年に48歳の若さで早逝されている。 本作の原形となった…

『隷王戦記2 カイクバードの裁定』森山光太郎 戦記物×能力バトル×異世界ファンタジーの魅力

「隷王戦記」シリーズの第二弾 2021年8月刊行作品。第一巻である『隷王戦記(れいおうせんき)1 フルースィーヤの血盟』が2021年の3月刊行だったから、僅か五か月での続巻ということになる。気になる終わり方だったので、すぐに続きが読めるのはありがたい。…

『ほねがらみ』芦花公園 カクヨム発で書籍化されたホラー小説

芦花公園の第一作 2021年刊行作品。作者の芦花公園(ろかこうえん)は生年不明の覆面作家。『ほねがらみ』がデビュー作となる。 もともとは小説投稿サイト、カクヨムで本作は書かれていた(現在は第一章部分のみが試し読みとして公開されている)。 芦花公園…

『青猫の街』涼元悠一 いにしえのPC98ユーザ感涙

第十回日本ファンタジーノベル大賞の、優秀賞作品 1998年刊行作品。作者の涼元 悠一(すずもと ゆういち)は1969年生まれ。1992年の集英社コバルト文庫『あいつはダンディ・ライオン』がデビュー作。本作『青猫の街』で第十回日本ファンタジーノベル大賞の優…

『幕末遊撃隊』池波正太郎 隻腕の剣士、伊庭八郎の生涯

実は池波作品の感想を書いていなかった 池波作品このブログでとりあげるのは実は初めてか(ちょっと意外)。池波正太郎(いけなみしょうたろう)は、もはや説明不要かと思われるが、1923年生まれの歴史小説作家。 もともと大好きな作家なひとりで『真田太平…

『死都日本』石黒耀 破局噴火がもたらす大惨事を描いた災害小説

いきなりハードカバーで登場したメフィスト賞受賞作 2002年刊行。第26回メフィスト賞受賞作。 通常のメフィスト賞作品はノベルスで出るのが常だけれど、講談社的に自信作だったのか、そこそこレベルの高い作品の場合、いきなりハードカバーで勝負を賭けてく…

『同志少女よ、敵を撃て!』逢坂冬馬 セラフィマの銃口はわたしたちをも狙っている

本屋大賞!アガサ・クリスティー賞大賞&直木賞候補作、衝撃のデビュー作 2021年刊行作品。作者の逢坂冬馬(あいさかとうま)は1985年生まれ。本作『同士少女よ、敵を撃て!』で、第11回のアガサ・クリスティー賞の大賞を受賞して作家デビューを果たしている…

2021年に読んで面白かったマンガ11選

恒例の「〇〇年に読んで面白かった」シリーズ。別ブログで新書・一般書(歴史編)を書いたけど、こちらのブログではまずマンガ編から。相変わらずコロナ禍にあるので、ネットカフェの利用を避けており、マンガの読書量が減った(マンガはネカフェで読む派だ…

2021年に読まれた記事ベスト10 小説感想ブログのアクセス傾向まとめ

2021年もよろしくお願いします 2020年に続いてコロナ禍で、ひきこもり状態が続いた一年間だった。 ただ、秋以降、会社の出勤体制が「ほぼテレワーク」から、「なるべく出社」モードに切り替わり、読書量が激減した。しばらくはこの状況が続くだろうか?感染…