ネコショカ

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2023年に読んで面白かった新書・一般書10選

『嫉妬と階級の『源氏物語』』大塚ひかり

2022-02-01から1ヶ月間の記事一覧

『サイコロジカル 兎吊木垓輔の戯言殺し/曳かれ者の小唄』西尾維新 戯言シリーズ四作目 

シリーズ四作目は上下巻の大長編 2002年刊行作品。『クビキリサイクル』『クビシメロマンチスト』『クビツリハイスクール』と来て今回は『サイコロジカル』ようやくタイトルが「クビ」から離れたね。 サブタイトル、上巻は「兎吊木垓輔(うつりぎがいすけ)…

『ひとくいマンイーター』大澤めぐみ わたしがなんであるのかは、わたしが自分で決める

『おにぎりスタッバー』の前日譚 2017年刊行作品。大澤めぐみの第二作となる。 前作『おにぎりスタッバー』の続編、というか前日譚に相当する物語となっている。イラストは前作同様に、U35(うみこ)が担当。 『おにぎりスタッバー』の感想はこちらから。 『…

『ハードボイルド・エッグ』荻原浩 フィリップ・マーロウに憧れて探偵稼業

荻原浩、最初期の作品 1999年刊行作品。荻原浩(おぎわらひろし)としては三作目の長編小説にして、初のミステリ作品である。以前に紹介した『コールドゲーム』同様に、ブレイク前の荻原浩作品だ。 2002年に双葉文庫版が登場。わたしが読んだのはこちら。 ハ…

『天の光はすべて星』フレドリック・ブラウン 宇宙に憑かれた男は夢をかなえられたのか

邦題タイトルがかっこいい! 1953年作品。オリジナルの米国版のタイトルは『The Lights in the Sky Are Stars』。 筆者のフレドリック・ブラウン(Fredric William Brown)は1906年生まれのアメリカ人作家。1972年に亡くなられている。 最初のハヤカワ文庫版1…

『ふたりの距離の概算』米澤穂信 古典部シリーズ五作目、新キャラ大日向登場

古典部メンバーたちが二年生に! 2010年刊行。『氷菓』『愚者のエンドロール』『クドリャフカの順番』『遠まわりする雛』に続く、古典部シリーズの五作目である。 2009年から2010年にかけて、雑誌「野生時代」に連載されていた作品を単行本化に際して加筆修…

『クビツリハイスクール 戯言遣いの弟子』西尾維新 姫ちゃん登場巻!まさかの新展開に

戯言シリーズの三作目 2002年刊行作品。ボリューム的には少しダウンして200頁弱。前作の半分程度である。『クビキリサイクル』『クビシメロマンチスト』に続く、シリーズの三作目となる。 今回のヒロインはロリ系美少女の紫木一姫(ゆかりきいちひめ)。アル…

『満願』米澤穂信 人の世のままならなさ、願い、心の闇を描く短編集

史上初!ミステリ系ランキング三冠達成作品 2014年刊行作品。新潮社の小説誌「小説新潮」「すばる」等に掲載されていた作品をまとめたミステリ短編集。タイトルの『満願』は「まんがん」と読む。 本作は第27回の山本周五郎賞を受賞している。また、早川書房…

『捕虜収容所の死』マイケル・ギルバート ミステリ+脱走劇の面白さ

第二次大戦直後に書かれた作品 2003年刊行作品。2003年のこのミス海外部門、及び週刊文春のミステリベストテンで、それぞれ第2位に輝いた作品なのだが、オリジナルが出版されたのはなんと1952年である。邦訳が出るまで、ずいぶんと時間がかかったものである…

「おれはミサイル」「海原の用心棒」秋山瑞人の文庫未収録作品を紹介

ライトノベルの軛から解き放たれた秋山瑞人作品 先日の『龍盤七朝 DRAGONBUSTER 02』で秋山瑞人(あきやまみずひと)の全6作14冊の作品レビューを終えた。しかし、秋山瑞人には文庫に収録されていない作品が二つある。本日この二作についてご紹介したい。 秋…

『散りしかたみに』近藤史恵 梨園を舞台としたミステリ

探偵今泉文吾シリーズの三作目 近藤史恵(こんどうふみえ)は1993年の鮎川哲也賞作品『凍える島』でデビュー。 その後、1994年に『ねむりねずみ』を上梓。これが探偵今泉文吾モノの第一作となる。梨園で起きた事件を題材にしている。本書はそのシリーズの第…

『遠まわりする雛』米澤穂信 古典部シリーズ初の短編集

地方都市のうつろいゆく春夏秋冬 2007年刊行。『氷菓』『愚者のエンドロール』『クドリャフカの順番』に続く、古典部シリーズの四作目。 2002年から2007年にかけて、雑誌「ザ・スニーカー」「野生時代」に掲載された作品を集めた短編集。最後に収録されている…

巫女子ちゃんが素敵すぎる『クビシメロマンチスト 人間失格・零崎人識』西尾維新

戯言シリーズの二作目『クビシメロマンチスト』のネタバレ感想です。シリーズ全作の感想もアリ。

『ザ・ロード』コーマック・マッカーシー 善い者として火を運ぶということ

コーマック・マッカーシー『ザ・ロード(The Road)』のあらすじ、ネタバレ感想。終末の世界を旅する、一組の親子の物語です。

『猫の地球儀』秋山瑞人 知性を持った猫たちの切ない物語

秋山瑞人『猫の地球儀』(電撃文庫、2000年作品)のネタバレ感想、あらすじ、考察などを載せています。

『クドリャフカの順番 「十文字」事件』米澤穂信 古典部シリーズ三作目、直面するそれぞれの限界

米澤穂信の「古典部」シリーズ三作目。『クドリャフカの順番 「十文字」事件』のあらすじ、ネタバレ感想。アニメ版『氷菓』の12話から17話に該当します。 「古典部」シリーズ全作の感想もあります。

『クビキリサイクル 青色サヴァンと戯言遣い』西尾維新のデビュー作にして戯言シリーズの一作目

祝☆西尾維新デビュー20周年!ということで、本日はこちらの作品をリライトして再掲。なんだかんだ言って、戯言シリーズが大好きなわたし。 祝西尾維新デビュー20周年!!読者の皆様へ、西尾維新さんよりメッセージです#西尾維新 #NISIOISIN pic.twitter.com/…

『推定少女』桜庭一樹 角川文庫版はエンディングが増えてる!?

桜庭一樹の初期作品 2004年刊行作品。桜庭一樹(さくらばかずき)名義の作品としては八作目。最初はエンターブレインのライトノベルレーベル、ファミ通文庫からの登場だった。イラストは高野音彦(たかのおとひこ)が担当。橋本紡の『リバーズ・エンド』シリ…

『室町少年草子 獅子と暗躍の皇子』阿部暁子 室町ファン感涙、コバルト文庫で南北朝時代!

阿部暁子の第二作 2009年刊行。作者の阿部暁子(あべあきこ)は1985年生まれ。 かつて集英社のコバルト文庫で主催していた、今は亡きロマン大賞の出身者だ。 2008年に刊行されたデビュー作の『屋上ボーイズ』は公募賞であるロマン大賞の応募作なので、受賞後…

『びっくり館の殺人』綾辻行人 館シリーズの8作目はミステリーランドレーベルから

綾辻行人のミステリーランド参加作品 2006年刊行作品。ミステリーランドは、故宇山秀雄が企画した「かつて子どもだったあなたと少年少女のための」ミステリレーベルだ。箱装。箔押しの題字。フルカラーイラスト。図書館に収めるられることも想定してカバー無…

『グランド・ミステリー』奥泉光 読みにくさも魅力の一つ

芥川賞作家の書くミステリ作品 1998年刊行。「このミス1999」国内部門7位の作品である。 作者の奥泉光(おくいずみひかる)は1956年生まれ。1994年に『石の来歴』で芥川賞を受賞。出自としては文学畑の人のようだが、本作のようなミステリ作品を書いたかと思…

『愚者のエンドロール』米澤穂信の古典部シリーズ第二作

古典部シリーズ第二作 2002年刊行。『氷菓』に続く米澤穂信(よねざわほのぶ)の古典部シリーズ第二作である。表紙イラストは高野音彦が担当している。英題は「Why didn't she ask EBA?」(なぜ、江波に頼まなかったのか?)。 第一作の『氷菓』同様に、こち…