ネコショカ

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2023年に読んで面白かった新書・一般書10選

『嫉妬と階級の『源氏物語』』大塚ひかり

2022-03-01から1ヶ月間の記事一覧

『龍盤七朝 DRAGONBUSTER 02』秋山瑞人最後の作品?

四年かかってようやく第二巻が登場 2012年刊行作品。前作『龍盤七朝 DRAGONBUSTER 01』が2008年刊行だったので、なんと四年ぶりの新刊!わたしは、この時期、小説を全く読んでいなかったので、発売されていたことに全く気付いていなかった。よもや、続きを読…

『ネコソギラジカル 下 青色サヴァンと戯言遣い』西尾維新 戯言シリーズついに完結!

戯言シリーズの最終巻(いちおう) 2005年刊行作品。戯言シリーズ最終三部作の第三弾。遂にこれでシリーズ完結。今回の表紙はウェディングドレス姿の玖渚友(くなぎさとも)である。 講談社文庫版は2009年に登場している。 ネコソギラジカル(下) 青色サヴァ…

『黒祠の島』小野不由美 閉ざされた島で起きる猟奇殺人

明治の寺社統制に背いた島の物語 2001年刊行作品。タイトルの『黒祠の島』は「こくしのしま」と読む。 まずは祥伝社のノン・ノベルから新書版で登場。 黒祠の島 (ノン・ノベル) 作者:小野 不由美 メディア: 新書 2004年に祥伝社文庫版が登場した。 黒祠の島 …

『裏世界ピクニック5 八尺様リバイバル』宮澤伊織 少しづつ距離を縮めていく空魚と鳥子

「裏世界ピクニック」シリーズの第五弾 2020年刊行作品。『裏世界ピクニック ふたりの怪異探検ファイル』『裏世界ピクニック2 果ての浜辺のリゾートナイト』『裏世界ピクニック3 ヤマノケハイ』『裏世界ピクニック4 裏世界夜行』に続くシリーズ第五弾である…

『龍盤七朝 DRAGONBUSTER 01』秋山瑞人の中華ファンタジー

三年間のブランク後の新シリーズ 2008年刊行作品。以前に紹介した『ミナミノミナミノ』から数えると、なんと秋山瑞人としては、三年ぶりに出た新刊が本作である。 一巻だけ出てその後三年間、何の音沙汰もなかった『ミナミノミナミノ』はいらない子であった…

『ネコソギラジカル 中 赤き征裁VS.橙なる種』西尾維新 戯言シリーズもあと二冊!

戯言シリーズ最終章の二作目 2005年刊行作品。戯言シリーズ最終三部作の第二弾である。 表紙は誰だよこいつと一瞬思ったけど、想影真心さんらしい。ビジュアル的には女だけど、話し方は男。この作品であまり性別を気にしても仕方が無いのかも知れないけど、…

『ベイスボイル・ブック』井村恭一 とある島で野球を観戦し続けるだけの「乾いたファンタジー」作品

第九回ファンタジーノベル大賞受賞作 1997年刊行。かれこれ四半世紀前に書かれた作品。第九回ファンタジーノベル大賞の大賞受賞作品に加筆修正したもの。単行本版のみで、残念ながら文庫化はされなかった。ファンタジーノベル大賞系はこういう事例がけっこう…

『毎年、記憶を失う彼女の救い方』望月拓海 第54回メフィスト賞受賞作は恋愛要素強めのミステリ作品

望月拓海のデビュー作 2017年刊行作品。第54回のメフィスト賞受賞作。 作者の望月拓海(もちづきたくみ)は生年不明。放送作家出身の小説作家。 本作『毎年、記憶を失う彼女の救い方』がデビュー作となる。メフィスト賞応募時のタイトルは『リピート・ラブ』…

『航路』コニー・ウィリス 臨死体験と死後の世界

驚愕の超絶展開が楽しめる一作 2002年刊行作品。単行本版はソニーマガジンズから。 作者のコニー・ウィリス(Constance Elaine Trimmer Willis)は1945年生まれのアメリカ人SF作家である。 原著『PASSAGE』は2001年に米国で刊行されている。米国ローカス賞のS…

『くらのかみ』小野不由美 ホラーと思わせておいて、しっかり本格ミステリ

講談社ミステリーランドの第一期作品 2003年刊行作品。かつて子どもだったあなたと少年少女のための"講談社ミステリーランド"と銘打たれた特別企画の豪華本である。2016年で全30巻をもって完結している。 第一回の配本は本書『くらのかみ』に加えて、『透明…

『鬼憑き十兵衛』大塚已愛 成長物語、ボーイミーツガール、伝奇小説の愉しみ、全てがここにある!

2018年の日本ファンタジーノベル大賞受賞作 2019年刊行作品。大塚已愛(おおつかいちか)のデビュー作である。2018年の日本ファンタジーノベル大賞受賞作だ。ちなみに応募時タイトルは『勿怪の憑』。 表紙イラストは獅子猿(ししざる)によるもの。 作者の大…

『ネコソギラジカル 上 十三階段』西尾維新 戯言シリーズ、終盤戦に突入!

戯言シリーズ最終章スタート 2005年刊行。戯言シリーズ最終三部作の第一弾である。 表紙は哀川さんらしいのだが、イラストレータの竹の画風はこのあたりから変わり始めていて、初見時は一瞬誰だか判らなかった。本編中のキャラクター挿絵もシャープな部分が…

『感応グラン=ギニョル』空木春宵 たぐいまれな奇想、傷みと呪縛からの解放をえがく

空木春宵、初の作品集 2021年刊行作品。東京創元社のミステリ誌『ミステリーズ!』や、アンソロジーシリーズ「GENESiS」、Webメディアの「Webミステリーズ!」などに掲載されていた作品を単行本化したもの。早川書房の『SFが読みたい! 2022年版』の「ベストSF…

『ifの迷宮』柄刀一 出産前診断の是非を考える社会派の本格ミステリ

柄刀一の五作目 2000年刊行作品。書き下ろし。作者の柄刀一(つかとうはじめ)は1959年生まれの推理小説作家。1998年の『3000年の密室』が鮎川哲也賞の最終候補作となり、受賞は逃したものの、作家デビューを果たしている。 天地龍之介シリーズ、奇蹟審問官…

『6番線に春は来る。そして今日、君はいなくなる。』大澤めぐみ 繋がらなかった縁と繋がった縁の物語。

毎年紹介している気がするけど、卒業シーズンなのでこの一冊を推したい。昨年松本に行ってきたので「6番線」の写真を撮ってきたよ! 大澤めぐみの三作目 2017年刊行作品。大澤めぐみは小説投稿サイト「カクヨム」出身の作家。2016年の角川スニーカー文庫の『…

『ヒトクイマジカル 殺戮奇術の匂宮兄妹』西尾維新 戯言シリーズの五作目 

リヴァーシブルカバーに注目! 2003年刊行作品。『クビキリサイクル』『クビシメロマンチスト』『クビツリハイスクール』『サイコロジカル』の続巻。戯言シリーズも本作で五作目。 デフォルト状態が拘束衣というインパクト十分の新キャラ匂宮兄妹が登場。い…

『星のせいにして』エマ・ドナヒュー 第一次世界大戦下、スペイン風邪の蔓延、産科発熱病棟の三日間

エマ・ドナヒューの邦訳、二作品目 2021年刊行作品。オリジナルの米国版は2020年に登場しており、原題は『The Pull of the Stars』。作者のエマ・ドナヒュー(Emma Donoghue)は1969年生まれ。アイルランド系のカナダ人作家。 デビュー作は1994年の『Stir Fry…

『三月は深き紅の淵を』恩田陸 「物語」の在り方を問う、恩田作品の原点

恩田陸『三月は深き紅の淵を』のあらすじ、わかりやすいネタバレ解説、感想。関連する『麦の海に沈む果実』等の理瀬シリーズについても紹介しています。

『ねじの回転』恩田陸が描く226事件、そして運命への挑戦

エスエフ作品の刊行が相次いだ2002年の恩田陸作品 2002年刊行作品。集英社「小説すばる」に2000年11月号から2002年1月号にかけて連載されていた作品を単行本化したもの。サブタイトルは「FEBRUARY MOMENT」。 ねじの回転 FEBRUARY MOMENT 作者:恩田 陸 集英…

『いまさら翼といわれても』米澤穂信 古典部シリーズの六作目

六年ぶりの古典部シリーズ 2016年刊行作品。KADOKAWAの文芸誌、『野性時代』『文芸カドカワ』に掲載されていた短編作品をまとめたもの。『氷菓』『愚者のエンドロール』『クドリャフカの順番』『遠まわりする雛』『ふたりの距離の概算』に続く、古典部シリー…