ネコショカ

小説以外の書籍感想はこちら!
『刀伊の入寇 平安時代、最大の対外危機』
女真族の襲来と軍事貴族たちの台頭

ファンタジー

『糞袋』藤田雅矢 タイトルが強烈過ぎる!!

藤田雅矢のデビュー作 1995年刊行作品。第七回日本ファンタジーノベル大賞の優秀賞受賞作である。ちなみにこの年のファンタジーノベル「大賞」は該当作なしであった。 なお、『糞袋』はもちろん「くそぶくろ」と読む。糞袋とは、糞を包んでいる袋、つまり人…

『「十二国記」30周年記念ガイドブック』 担当編集者のインタビューが面白かった!

祝☆「十二国記」30周年! いまやシリーズ累計1,280万部を超える大ヒット作となった「十二国記」シリーズ。その第一作(というかエピソードゼロ)である『魔性の子』が世に出たのが1991年だ。従って「十二国記」シリーズは昨年の2011年で30周年を迎えていたこ…

『アラビアの夜の種族』古川日出男 馥郁たる闇の香り

古川日出男の出世作 2001年刊行作品。ゲームボーイソフト『ウィザードリィ外伝2・古代皇帝の呪い』のノベライズ版として、1994年に刊行された『砂の王』(ログアウト冒険文庫/未完)を下敷きに、全く別の物語として再構築し直したのが本作である。 砂の王〈1…

『競漕海域』佐藤茂 第9回日本ファンタジーノベル大賞優秀賞作品

佐藤茂のデビュー作 1997年刊行作品。第9回の日本ファンタジーノベル大賞、優秀賞受賞作品である。作者の佐藤茂(さとうしげる)は1967年生まれ。 ちなみにこの年の大賞受賞作品は井村恭一の『ベイスボイルブック』であった。 なお、文庫化はされていない模…

『さみしさの周波数』乙一、最後のスニーカー文庫作品

「白い方」の乙一作品集 2003年作品。乙一(おついち)としては10作目の作品である。せつない系の短編群が集められた初期白乙一を代表する作品の一つと言える。 4編目の『失はれた物語』のみ書き下ろしで、それ以外は角川書店のライトノベル誌「ザ・スニーカ…

『レべリオン』三雲岳斗 ゼロ年代の学園伝奇アクション

「レべリオン」シリーズを一気に紹介! 「レベリオン」は、2000年~2002年にかけて電撃文庫から刊行されていた作品。異世界ロボットモノだった「コールド・ゲヘナ」に続いて、立ち上げたのがこの「レベリオン」シリーズだった。三雲岳斗(みくもがくと)とし…

『安徳天皇漂海記』宇月原晴明 漂泊する安徳帝、その奇想に痺れる

山本周五郎賞受賞作品 2006年刊行作品。本日ご紹介するのは宇月原晴明(うつきばら はるあき)の「安徳天皇漂海記(あんとくてんのうひょうかいき)」である。この年の山本周五郎賞受賞作品を受賞している。 宇月原晴明は1963年生まれ『信長 あるいは戴冠せ…

『<骨牌使い>の鏡』五代ゆう、国産ファンタジーの傑作

続篇グインサーガの書き手としてばかり、五代ゆうを取り上げてきたが、彼女は国産ファンタジーの書き手としても以前より実績のある作家である。ここで改めて代表作の一つ『<骨牌使い>の鏡』を紹介しておこう。 五代ゆうの代表作 2000年刊行作品。「骨牌使い…

『ヤンのいた島』沢村凛 第10回日本ファンタジーノベル大賞優秀賞受賞作

ファンタジーノベル大賞の投稿常連だった沢村凛 1998年刊行作品。第10回の日本ファンタジーノベル大賞の優秀賞受賞作である。 ちなみにこの年の大賞は山之口洋の『オルガニスト』で、もう一作の優秀賞は涼元悠一の『青猫の街』。 文庫版は何故か新潮社からは…

『仮想の騎士』斉藤直子 第12回ファンタジーノベル大賞優秀賞作品

斉藤直子のデビュー作 2000年刊行作品。第12回の日本ファンタジーノベル大賞の優秀賞受賞作品。作者の斉藤直子(さいとうなおこ)は1966年生まれの小説家。本作がデビュー作となる。 ちなみにこの年はファンタジーノベル大賞の「大賞」は該当作なし。優秀賞…

『隷王戦記3 エルジャムカの神判』森山光太郎 人の運命は、人が決める

「隷王戦記」シリーズの最終巻 2022年4月刊行作品。『隷王戦記(れいおうせんき)1 フルースィーヤの血盟』『隷王戦記2 カイクバードの裁定』に続く、「隷王戦記」シリーズの完結編となる。 表紙イラストは引き続き、風間雷太(かざまらいた)が担当している…

『毒吐姫と星の石 完全版』紅玉いづき 政略結婚からのボーイミーツガール

『ミミズクと夜の王』の五年後の世界を描く 2010年刊行作品。『ミミズクと夜の王』『MAMA』『雪蟷螂』『ガーデン・ロスト』に続く、紅玉(こうぎょく)いづきの第五作。『ミミズクと夜の王』の五年後を描いた、世界観を同じくする作品である。電撃文庫版表紙…

『アディ・ラルーの誰も知らない人生』V・E・シュワブ 誰の記憶にも残らなくなる呪いをかけられた女の物語

全米で100万部突破!映画化も決まった超人気作品 2022年刊行作品。オリジナルのアメリカ版は2020年刊行で原題は『The Invisible Life of Addie LaRue』。翻訳者は高里ひろ。 作者のV・E・シュワブ(V. E. Schwab)は1987年生まれのアメリカ人作家。2011年に『T…

『君は世界災厄の魔女、あるいはひとりぼっちの救世主』大澤めぐみ 全世界VSふたり

大澤めぐみのスニーカー文庫四作目 2018年刊行作品。『おにぎりスタッバー』『ひとくいマンイーター』『6番線に春は来る。そして今日、君はいなくなる。』に続く、大澤めぐみのスニーカー文庫、第四作となる作品である。 表紙と本文中の挿画はイラストレー…

『後宮の烏7』白川紺子 シリーズ最終巻、烏と鼈の神の戦い、烏妃の呪縛は解けるのか

シリーズ累計100万部突破! 2022年刊行作品。『後宮の烏』『後宮の烏2』『後宮の烏3』『後宮の烏4』『後宮の烏5』『後宮の烏6』に続く、『後宮の烏(こうきゅうのからす)』シリーズの七作目、遂に最終巻の登場である。 表紙に描かれているのは後宮の外に出…

『ムジカ・マキーナ』高野史緒 19世紀のウィーンを舞台とした歴史改変エスエフ

高野史緒はこの作品でデビュー 1995年刊行作品。第6回の日本ファンタジーノベル大賞の最終候補作に加筆修正したもの。作者の高野史緒(たかのふみお)は1966年生まれの小説家。本作『ムジカ・マキーナ』にて作家デビューを果たしている。エスエフ要素の強い歴…

『いのちのパレード』恩田陸ならではの「奇想」を味わう第三短編集

恩田陸、三冊目の短編集 2007年刊行作品。実業之日本社の小説誌「ジェイ・ノベル」に掲載されていた作品14編に、書き下ろし1編を加えて単行本化したもの。 『図書室の海』『朝日のようにさわやかに』に続く、恩田陸三作目の短編集である。 いのちのパレード …

『裏世界ピクニック7 月の葬送』宮澤伊織 ついに閏間冴月との対決に??

「裏世界ピクニック」シリーズの七作目! 宮澤伊織(みやざわいおり)による「裏世界ピクニック」シリーズの第七弾となる。2021年の12月に刊行された作品。2021年は3月に第六巻が出たばかりなので、刊行ペースの速さに驚かされる。さすがはライトノベル畑の…

『ミミズクと夜の王 完全版』紅玉いづき 二つの魂の再生の日々、前日譚短編も追加収録!

電撃タイトルとしては異例づくめのデビュー作 2007年刊行作品。第13回電撃小説大賞大賞受賞作。作者の紅玉(こうぎょく)いづきは1984年生まれの小説家。本作がデビュー作となる。発売年の「このラノ2008」で第七位。これは新人でしかも単発作品の中では最高…

『信長あるいは戴冠せるアンドロギュヌス』宇月原晴明、衝撃のデビュー作

第11回日本ファンタジーノベル大賞受賞作品 1999年刊行作品。第11回日本ファンタジーノベル大賞受賞作品。宇月原晴明のデビュー作である。宇月原晴明(うつきばらはるあき)は1963年生まれ。デビューまでに第六回三田文学新人賞を受賞。永原孝道名義で、詩歌…

『裏世界ピクニック6 Tは寺生まれのT』宮澤伊織 シリーズ、初の長編作品「劇場版」?

「裏世界ピクニック」シリーズの六作目! 2021年刊行作品。宮澤伊織(みやざわいおり)の人気作、「裏世界ピクニック」シリーズの第六弾にあたる。 既刊の感想はこちらから。 『裏世界ピクニック ふたりの怪異探検ファイル』 『裏世界ピクニック2 果ての浜辺…

『宇宙のみなもとの滝』山口泉 第一回日本ファンタジーノベル大賞の優秀賞受賞作

第一回日本ファンタジーノベル大賞は力作揃い 1989年刊行作品。第一回日本ファンタジーノベル大賞の優秀賞受賞作品である。 作者の山口泉(やまぐちいずみ)は1955年生まれ。多くの作家が、日本ファンタジーノベル大賞をきっかけとしてデビューしているが、…

『龍盤七朝 DRAGONBUSTER 02』秋山瑞人最後の作品?

四年かかってようやく第二巻が登場 2012年刊行作品。前作『龍盤七朝 DRAGONBUSTER 01』が2008年刊行だったので、なんと四年ぶりの新刊!わたしは、この時期、小説を全く読んでいなかったので、発売されていたことに全く気付いていなかった。よもや、続きを読…

『裏世界ピクニック5 八尺様リバイバル』宮澤伊織 少しづつ距離を縮めていく空魚と鳥子

「裏世界ピクニック」シリーズの第五弾 2020年刊行作品。『裏世界ピクニック ふたりの怪異探検ファイル』『裏世界ピクニック2 果ての浜辺のリゾートナイト』『裏世界ピクニック3 ヤマノケハイ』『裏世界ピクニック4 裏世界夜行』に続くシリーズ第五弾である…

『龍盤七朝 DRAGONBUSTER 01』秋山瑞人の中華ファンタジー

三年間のブランク後の新シリーズ 2008年刊行作品。以前に紹介した『ミナミノミナミノ』から数えると、なんと秋山瑞人としては、三年ぶりに出た新刊が本作である。 一巻だけ出てその後三年間、何の音沙汰もなかった『ミナミノミナミノ』はいらない子であった…

『ベイスボイル・ブック』井村恭一 とある島で野球を観戦し続けるだけの「乾いたファンタジー」作品

第九回ファンタジーノベル大賞受賞作 1997年刊行。かれこれ四半世紀前に書かれた作品。第九回ファンタジーノベル大賞の大賞受賞作品に加筆修正したもの。単行本版のみで、残念ながら文庫化はされなかった。ファンタジーノベル大賞系はこういう事例がけっこう…

『鬼憑き十兵衛』大塚已愛 成長物語、ボーイミーツガール、伝奇小説の愉しみ、全てがここにある!

2018年の日本ファンタジーノベル大賞受賞作 2019年刊行作品。大塚已愛(おおつかいちか)のデビュー作である。2018年の日本ファンタジーノベル大賞受賞作だ。ちなみに応募時タイトルは『勿怪の憑』。 表紙イラストは獅子猿(ししざる)によるもの。 作者の大…

『レキオス』池上永一 千年の眠りから覚める沖縄の封印

池上永一の第四作 2000年刊行。『バガージマヌパナス』『風車祭』『復活、へび女』(後に改題されて『あたしのマブイ見ませんでしたか』)に続く池上永一の四作目である。 早川書房の『SFが読みたい!』2001年版で、国内部門の第2位にランクイン。2001年版の…

『象の棲む街』渡辺球 第15回日本ファンタジーノベル大賞優秀賞

渡辺球のデビュー作 2003年刊行作品。第15回日本ファンタジーノベル大賞優秀賞受賞作である。作者の渡辺球(わたなべきゅう)は1967年生まれ。 残念ながら文庫化はされていない。 渡辺球は本作以降、寡作ながらも作品の執筆は続けていたようで、2006年の『俺…

『隷王戦記2 カイクバードの裁定』森山光太郎 戦記物×能力バトル×異世界ファンタジーの魅力

「隷王戦記」シリーズの第二弾 2021年8月刊行作品。第一巻である『隷王戦記(れいおうせんき)1 フルースィーヤの血盟』が2021年の3月刊行だったから、僅か五か月での続巻ということになる。気になる終わり方だったので、すぐに続きが読めるのはありがたい。…