ネコショカ

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2023年に読んで面白かった新書・一般書10選

『嫉妬と階級の『源氏物語』』大塚ひかり

ライトノベル

『きみとぼくが壊した世界』西尾維新 「世界」シリーズ第三弾

「世界」シリーズの第三作 2008年刊行作品。『きみとぼくの壊れた世界』『不気味で素朴な囲われた世界』に続く「世界」シリーズ三作目。第四作としては『不気味で素朴な囲われたきみとぼくの壊れた世界』がある。 初出は「メフィスト」。今回、話としては別…

『とある飛空士への追憶』犬村小六 絶世の美姫との逃避行、「飛空士」シリーズの第一作

累計130万部超!犬村小六の出世作 2008年刊行作品。ネットで話題になったので購入(当時)。初めて読んだガガガ文庫は本作だった気がする。作者の犬村小六(いぬむらころく)は1971年生まれのライトノベル作家。 ゲーム系のライターとしてキャリアをスタート…

『毒吐姫と星の石 完全版』紅玉いづき 政略結婚からのボーイミーツガール

『ミミズクと夜の王』の五年後の世界を描く 2010年刊行作品。『ミミズクと夜の王』『MAMA』『雪蟷螂』『ガーデン・ロスト』に続く、紅玉(こうぎょく)いづきの第五作。『ミミズクと夜の王』の五年後を描いた、世界観を同じくする作品である。電撃文庫版表紙…

『不気味で素朴な囲われた世界』西尾維新 「世界」シリーズ第二弾

「世界」シリーズの第二作 2007年刊行。『きみとぼくの壊れた世界』の続編というか、直接的な続編というわけではなく、世界観を共有した姉妹編的な作品である。「世界」シリーズとしては第二作に相当する。シリーズの続巻としては『きみとぼくが壊した世界』…

『さようならアルルカン』氷室冴子 1970年代に刊行された最初期の短編集

氷室冴子の二作目 本日紹介する『さようならアルルカン』は『白い少女たち』に続く、氷室冴子(ひむろさえこ)の二作目の作品である。初版は昭和54(1979)年。恐ろしいことに、今から40年以上も前の作品になってしまった。わたしも歳を取るわけである。 本…

『きみとぼくの壊れた世界』西尾維新 未完の「世界」シリーズ一作目

「世界」シリーズの第一作 2003年刊行作品。その後、『不気味で素朴な囲われた世界』『きみとぼくが壊した世界』『不気味で素朴な囲われたきみとぼくの壊れた世界』と続いていく、「世界」シリーズの一作目である。なお、2022年5月時点で未完のままである。 …

氷室冴子『白い少女たち』と昭和50年代のコバルト文庫

氷室冴子の『白い少女たち』について感想をあげるつもりであったが、刊行当時の状況を調べているうちに、昭和50年代のコバルト文庫についても触れたくなってしまった。ということで、『白い少女たち』の感想に加えて、昭和50年代のコバルト文庫について雑に…

『ザレゴトディクショナル』西尾維新 全460項目を網羅した戯言辞典

戯言シリーズの用語辞典 西尾維新の戯言シリーズ、そして人間シリーズの感想をつらつらと書き飛ばしてきた。だいたいこれで書き終えたかな?と思っていたけど、まだこちらの作品が残っていた。 『ザレゴトディクショナル』は2006年刊行作品。戯言シリーズの…

『君は世界災厄の魔女、あるいはひとりぼっちの救世主』大澤めぐみ 全世界VSふたり

大澤めぐみのスニーカー文庫四作目 2018年刊行作品。『おにぎりスタッバー』『ひとくいマンイーター』『6番線に春は来る。そして今日、君はいなくなる。』に続く、大澤めぐみのスニーカー文庫、第四作となる作品である。 表紙と本文中の挿画はイラストレー…

『零崎人識の人間関係 戯言遣いとの関係』西尾維新 「人間」シリーズ最終巻!

「人間」シリーズの最後は戯言遣い編! 2010年刊行作品。戯言シリーズのスピンアウト作品として始まった「人間」シリーズも遂にこれでラストである。「人間」シリーズは、殺し名の第三位に列せられる殺人鬼集団零崎一賊の面々が主役を飾ってきた。シリーズの…

『零崎人識の人間関係 零崎双識との関係』西尾維新 「人間」シリーズ双識編

「人間」シリーズ零崎双識(マインドレンデル)編 2010年刊行作品。西尾維新の「人間」シリーズもいよいよあと二冊。四冊ある人識編の第三弾は「零崎双識との関係」である。 講談社(西尾維新)文庫版は2014年に登場している。毎回書くのもアレだけど、ノベ…

『零崎人識の人間関係 無桐伊織との関係』西尾維新 「人間」シリーズ伊織編

「人間」シリーズ伊織ちゃん編 2010年刊行作品。西尾維新の「人間」シリーズ、最後の人識編は四冊同時刊行!ということでそのうちの二冊目が、今回ご紹介する「無桐伊織との関係」である。 無桐伊織(むとういおり)は『零崎双識の人間試験』で登場した、も…

『零崎人識の人間関係 匂宮出夢との関係』西尾維新 「人間」シリーズ最終章

「人間」シリーズ、人識編は四冊同時刊行 2010年刊行作品。西尾維新の「人間」シリーズもようやく最後の人識(ひとしき)編なのだが、まさかの四冊同時刊行である!刊行タイトルは以下の通り。 匂宮出夢との関係 無桐伊織との関係 零崎双識との関係 戯言遣い…

『裏世界ピクニック7 月の葬送』宮澤伊織 ついに閏間冴月との対決に??

「裏世界ピクニック」シリーズの七作目! 宮澤伊織(みやざわいおり)による「裏世界ピクニック」シリーズの第七弾となる。2021年の12月に刊行された作品。2021年は3月に第六巻が出たばかりなので、刊行ペースの速さに驚かされる。さすがはライトノベル畑の…

『零崎曲識の人間人間』西尾維新 「人間」シリーズ第三弾

戯言シリーズスピンアウト「人間」シリーズの第三弾 2008年刊行作品。西尾維新の「人間」シリーズも今回で三作目となる。 講談社(西尾維新)文庫版は2012年に刊行されている。ノベルス版にはカードゲーム風のおまけカードが封入されていたが、文庫版では入…

『ミミズクと夜の王 完全版』紅玉いづき 二つの魂の再生の日々、前日譚短編も追加収録!

電撃タイトルとしては異例づくめのデビュー作 2007年刊行作品。第13回電撃小説大賞大賞受賞作。作者の紅玉(こうぎょく)いづきは1984年生まれの小説家。本作がデビュー作となる。発売年の「このラノ2008」で第七位。これは新人でしかも単発作品の中では最高…

『ミドリノツキ』岩本隆雄 ボーイミーツガール×ファーストコンタクトモノの魅力

岩本隆雄の第四作 2001年刊行作品。今は亡きソノラマ文庫からの登場だった。上中下巻の三巻構成。イラストは小菅久実(こすがくみ)が担当している。 作者の、岩本隆雄(いわもとたかお)は1990年に第1回の日本ファンタジーノベル大賞で最終候補作となった『…

『零崎軋識の人間ノック』西尾維新 「人間」シリーズ第二弾は萩原子荻ファンには堪らない一冊

戯言シリーズスピンアウト「人間」シリーズの第二弾 2006年刊行作品。前作の『零崎双識の人間試験』より、作中の時系列で言うと五年程前のお話。タイトルの読みは「ぜろざききししきのにんげんのっく」。 雑誌「ファウスト」に掲載された「零崎軋識の人間ノ…

『裏世界ピクニック6 Tは寺生まれのT』宮澤伊織 シリーズ、初の長編作品「劇場版」?

「裏世界ピクニック」シリーズの六作目! 2021年刊行作品。宮澤伊織(みやざわいおり)の人気作、「裏世界ピクニック」シリーズの第六弾にあたる。 既刊の感想はこちらから。 『裏世界ピクニック ふたりの怪異探検ファイル』 『裏世界ピクニック2 果ての浜辺…

『コンビネーション』谷山由紀のデビュー作はプロ野球の世界を舞台とした連作短編小説

ライトノベルには珍しいプロ野球小説 1995年刊行作品。谷山由紀(たにやまゆき)のデビュー作となる。今は亡き朝日ソノラマの小説誌「グリフォン」に93年投稿の「コンビネーション(本作ではジンクスに改題)」に始まり、以後数年をかけて執筆された連作短編…

『零崎双識の人間試験』西尾維新 戯言シリーズ外伝「人間」シリーズが開幕!

戯言シリーズからのスピンアウト 2004年刊行作品。講談社BOOK倶楽部に2002年12月から2003年5月にかけて連載されていたものを加筆修正の上で書籍化したもの。戯言シリーズ初の外伝的な作品である。イラストは、戯言シリーズ同様に竹が担当している。タイトル…

『龍盤七朝 DRAGONBUSTER 02』秋山瑞人最後の作品?

四年かかってようやく第二巻が登場 2012年刊行作品。前作『龍盤七朝 DRAGONBUSTER 01』が2008年刊行だったので、なんと四年ぶりの新刊!わたしは、この時期、小説を全く読んでいなかったので、発売されていたことに全く気付いていなかった。よもや、続きを読…

『ネコソギラジカル 下 青色サヴァンと戯言遣い』西尾維新 戯言シリーズついに完結!

戯言シリーズの最終巻(いちおう) 2005年刊行作品。戯言シリーズ最終三部作の第三弾。遂にこれでシリーズ完結。今回の表紙はウェディングドレス姿の玖渚友(くなぎさとも)である。 講談社文庫版は2009年に登場している。 ネコソギラジカル(下) 青色サヴァ…

『裏世界ピクニック5 八尺様リバイバル』宮澤伊織 少しづつ距離を縮めていく空魚と鳥子

「裏世界ピクニック」シリーズの第五弾 2020年刊行作品。『裏世界ピクニック ふたりの怪異探検ファイル』『裏世界ピクニック2 果ての浜辺のリゾートナイト』『裏世界ピクニック3 ヤマノケハイ』『裏世界ピクニック4 裏世界夜行』に続くシリーズ第五弾である…

『龍盤七朝 DRAGONBUSTER 01』秋山瑞人の中華ファンタジー

三年間のブランク後の新シリーズ 2008年刊行作品。以前に紹介した『ミナミノミナミノ』から数えると、なんと秋山瑞人としては、三年ぶりに出た新刊が本作である。 一巻だけ出てその後三年間、何の音沙汰もなかった『ミナミノミナミノ』はいらない子であった…

『ネコソギラジカル 中 赤き征裁VS.橙なる種』西尾維新 戯言シリーズもあと二冊!

戯言シリーズ最終章の二作目 2005年刊行作品。戯言シリーズ最終三部作の第二弾である。 表紙は誰だよこいつと一瞬思ったけど、想影真心さんらしい。ビジュアル的には女だけど、話し方は男。この作品であまり性別を気にしても仕方が無いのかも知れないけど、…

『ネコソギラジカル 上 十三階段』西尾維新 戯言シリーズ、終盤戦に突入!

戯言シリーズ最終章スタート 2005年刊行。戯言シリーズ最終三部作の第一弾である。 表紙は哀川さんらしいのだが、イラストレータの竹の画風はこのあたりから変わり始めていて、初見時は一瞬誰だか判らなかった。本編中のキャラクター挿絵もシャープな部分が…

『6番線に春は来る。そして今日、君はいなくなる。』大澤めぐみ 繋がらなかった縁と繋がった縁の物語。

毎年紹介している気がするけど、卒業シーズンなのでこの一冊を推したい。昨年松本に行ってきたので「6番線」の写真を撮ってきたよ! 大澤めぐみの三作目 2017年刊行作品。大澤めぐみは小説投稿サイト「カクヨム」出身の作家。2016年の角川スニーカー文庫の『…

『ヒトクイマジカル 殺戮奇術の匂宮兄妹』西尾維新 戯言シリーズの五作目 

リヴァーシブルカバーに注目! 2003年刊行作品。『クビキリサイクル』『クビシメロマンチスト』『クビツリハイスクール』『サイコロジカル』の続巻。戯言シリーズも本作で五作目。 デフォルト状態が拘束衣というインパクト十分の新キャラ匂宮兄妹が登場。い…

『サイコロジカル 兎吊木垓輔の戯言殺し/曳かれ者の小唄』西尾維新 戯言シリーズ四作目 

シリーズ四作目は上下巻の大長編 2002年刊行作品。『クビキリサイクル』『クビシメロマンチスト』『クビツリハイスクール』と来て今回は『サイコロジカル』ようやくタイトルが「クビ」から離れたね。 サブタイトル、上巻は「兎吊木垓輔(うつりぎがいすけ)…