ネコショカ

毎日夜20時更新。ネコショカは猫の書架
雑食系の書評Blogです。なんでも節操なく読んでます
基本ネタバレありなので注意してね

新書

『ゴールキーパー論』増島みどり GKにしか見えない風景がある!

旧版の講談社現代新書のデザインは良かったのにね 2001年刊行。講談社現代新書からのリリースだが、当時このレーベルは一冊一冊全てデザインが違っていた。現在の色が違うだけの素っ気ないデザインと比べると格段の出来栄えと言える。 筆者は1961年生まれの…

中公新書『藩とはなにか 「江戸の泰平」はいかに誕生したか』藤田達生 感想

軍拡バブルの弾けたあとに 2019年刊行。筆者の藤田達生(ふじたたつお)は、三重大学、同大学院の教授で、専攻は日本近世国家成立史の研究。 内容はこんな感じ 安土桃山時代から江戸時代へ。戦乱の続いた時代から太平の世へ。この国の社会基盤は大きな変容を…

岩波新書『独ソ戦 絶滅戦争の惨禍』大木毅 人類史上最悪の戦場

独ソ戦の全体像がわかる一冊 独ソ戦2019年刊行。筆者の大木毅は1961年生まれ。第二次世界大戦、特にドイツ軍に関する著作が多い。 内容はこんな感じ 1941年。ドイツとソビエト連邦は交戦状態に突入。東部戦線の戦端が開かれる。ヒトラーとスターリン。二人の…

『暴走するネット広告』知っておきたい不正広告の仕組み

「クローズアップ現代+」の放映内容を書籍化 2019年刊行。本書はNHK「クローズアップ現代+」にて放映された三つの番組、「追跡! 脅威の“海賊版”漫画サイト」「追跡! ネット広告の“闇”」「追跡! “フェイク”ネット広告の闇」の取材内容をまとめて書籍化した…

『ふたつの日本 「移民国家」の建前と現実』望月優大

在留外国人300万人時代の「移民」事情 2019年刊行。筆者の望月優大(もちづきひろき)は1985年生まれ。日本の移民文化、移民事情を伝えるウェブマガジン「ニッポン複雑紀行」の編集長。 少子高齢化を受けて、日本人の生産者人口が激減する中、飛躍的なペース…

『老いと記憶』増本康平 痴呆症への備えを学ぶ

脳の老化について知っておくべきこと 老いを迎えるにあたって、ガンや心筋梗塞、高血圧などの不安と並んで、気になってくるのが自身の痴呆症への危惧であろう。体の衰えもさることながら、脳の老化、痴呆症の進行はメンタルに相応のダメージをもたらすはずで…

中公新書『マグダラのマリア エロスとアガペーの聖女』がメチャメチャ面白い

「マグダラのマリア」の受容史 2005年刊行。筆者の岡田温司(おかだあつし)は1954年生まれの西洋美術史の研究家。現在は京都大学大学院教授。 これは面白い!本書は名前だけは知っていても、あまり日本人には縁が薄い「マグダラのマリア」さんについての考…

面倒でも土地の登記はしっかりと!『人口減少時代の土地問題』吉原祥子

全国の土地の2割は所有者がわからない 2017年刊行の中公新書。筆者の吉原祥子は1971年生まれ。民間のシンクタンク東京財団の研究員。 帯の惹句にもあるとおり、「持ち主がわからない土地が九州の面積(国土の2割)を越えている」。日本では2011年以降、少子…

『50歳からの孤独入門』満たされない承認欲求にどう向き合う?

アラフィフになったら読んでみよう 2018年刊行作品。筆者の齋藤孝は明治大学文学部の教授で、作家、教育学者。著作としては『声に出して読みたい日本語』が有名かな。 昔は四十にして惑わずなどと言ったものだったが、現代では四十代はまだまだ働き盛り。平…

『未来の年表2』人口減少社会で変わること

『未来の年表』の続編 2018年刊行。著者は1963年生まれ。産経新聞の元論説委員。現在は、高知大学客員教授、大正大学客員教授。内閣府、厚労省、農水省などの有識者会議委員などを歴任している。 2017年に刊行され、大きな反響を呼んだ『未来の年表』の続編…

『ナポレオン四代』野村啓介 二人の皇帝、二人の息子

四人のナポレオンの生涯をたどる 2019年刊行。筆者は1965年生まれ。東北大学大学院国際文化研究科の准教授。 副題に「二人のフランス皇帝と悲運の後継者たち」とあり、更に帯の惹句には「栄光と没落 偉大な父とその影を追った息子」とある。ナポレオン一世や…

消費者金融の手口と実態を知る、須田慎一郎『下流喰い』

消費者金融の実態に迫る一冊 2006年刊行。当時なにかと話題であった消費者金融の実態に迫った一冊である。この時期は大手消費者金融の不祥事軒並み明るみに出ていて、メチャクチャ叩かれていた頃である。実にタイムリーなタイミングでの刊行であった。 筆者…

職人が教える日本伝統建築の魅力、原田多加司『屋根の日本史』

屋根職人のエキスパートが教えてくれる 2004年刊行。中公新書。筆者は1951年生まれ。地方銀行勤務から実家の檜皮葺師への道に入り十代目原田真光を襲名している。国宝、重文級の建築物の修復を数多く手がけてきた屋根職人のエキスパートである。 内容はこん…

蘇我氏も平家も滅亡していなかった!『女系図でみる驚きの日本史』

蘇我氏も平家も滅亡していなかった! 2017年刊行。筆者は1961年生まれ。歴史系の著作多数。以前に読んだ『昔話はなぜ、お爺さんとお婆さんが主役なのか』が面白かったので、今回も手に取って見た次第。 大切なのは「胤より腹」。家は絶えても血は残る。歴史…

40代に入ったら読んでおきたい『年代別 医学的に正しい生き方』

今週のお題「冬の体調管理」にかこつけて、本日はこちらの書籍を紹介。各年代ごとに備えるべき、心身の健康についての心構えを知ることが出来る一冊。 人生80歳超時代の処方箋 2018年刊行。筆者は1960年生まれ。灘校→東大医学部卒。精神科医、受験アドバイザ…

2018年に読んで面白かった新書8選

マンガ編に続いて、「今年読んで」面白かったシリーズのその2。今回は新書編。 2018年に出た新書ではなく、「2018年に読んだ新書」が対象なので注意。特に順番とかは無しのテーマ別の順不同で。まだこのBlogを始める前に読んだものが多いので、本のアプリSt…

『未来の年表』人口が減っていく社会で起こること

44万部超のベストセラータイトル 著者は1963年生まれ。産経新聞の元論説委員。現在は大正大学の客員教授。内閣官房有識者会議委員などを歴任している。 昨年、売れまくった新書作品である。どれくらい売れたのかと思って調べてみたら、2018年の春で44万部ら…

戦前の社畜も大変だった?岩瀬彰の『「月給百円」サラリーマン』を読む

岩瀬彰の講談社現代新書『「月給百円」サラリーマン』の感想。 戦前のサラリーマン世帯の暮らしについて書かれている一冊です。 ちくま文庫の『「月給100円サラリーマン」の時代』はタイトル変わってますが、同じ内容です。

78年間に1011家!小田部雄次『華族-近代日本貴族の虚像と実像』が面白い

小田部雄次『華族-近代日本貴族の虚像と実像』(中公新書)のレビュー。 本書は2006年刊行。筆者の小田部雄次は立教大学出身。現在は静岡福祉大学の名誉教授。専攻は日本近現代史。 さすが中公新書。岩波、講談社現代新書と並んで、さすが新書御三家クラスと…

『秘蔵カラー写真で味わう60年前の東京・日本』カラーだから伝わる凄み!

昭和30年代の光景をカラーで見ることが出来る 今週のお題「2018年に買ってよかったもの」。 今回紹介するのは、昭和30年代の日本の光景を切り取った貴重なカラー写真集。この時代の写真といえば、ほぼモノクロ写真であっただけに、カラー写真の表現力、再現…

歴代斎王たちへの愛がほとばしる「斎宮―伊勢斎王たちの生きた古代史」を読む

専門家による斎宮と斎王のガイドブック 今週のお題「読書の秋」もそろそろ終盤、本日ご紹介するのはこちらの一冊。 斎宮―伊勢斎王たちの生きた古代史 (中公新書) 作者: 榎村寛之 出版社/メーカー: 中央公論新社 発売日: 2017/09/20 メディア: 新書 この商品…

戒名って本当に必要なの?気になって「戒名と日本人」を読んでみた

戒名の事が気になって 戒名と日本人―あの世の名前は必要か (祥伝社新書 (049)) 作者: 保坂俊司 出版社/メーカー: 祥伝社 発売日: 2006/08/01 メディア: 新書 クリック: 5回 この商品を含むブログ (5件) を見る 2006年刊行。筆者は1956年生まれ。本書執筆時は…

柴宜弘「ユーゴスラヴィア現代史」でユーゴ内戦を因縁から学ぶ

なんとなく、昨日に続いて旧ユーゴスラヴィアネタで攻めてみる。 旧ユーゴスラヴィア史を知るために ユーゴスラヴィア現代史 (岩波新書) 作者: 柴宜弘 出版社/メーカー: 岩波書店 発売日: 1996/05/20 メディア: 新書 購入: 8人 クリック: 82回 この商品を含…

小川卓「あなたのアクセスはいつも誰かに見られている」で、行動データ解析について学ぶ

行動データ解析の第一人者が教えてくれる「気持ち悪さ」の正体 あなたのアクセスはいつも誰かに見られている (扶桑社新書) 作者: 小川卓 出版社/メーカー: 扶桑社 発売日: 2016/04/30 メディア: 新書 この商品を含むブログを見る 2016年刊行。筆者はマイクロ…

SNSが加速する衆愚制への道、福田直子「デジタル・ポピュリズム」

SNS全盛時代の世論操作術 2018年刊行。古めの方ばかりレビューするのもなんなので、たまには最近の本の感想も。週1くらいで入れられたらいいかな。 本書では、ネットが当たり前になった時代、特にSNS全盛時代のポピュリズムの危険性を指摘している。ポピュ…

大澤武男「ユダヤ人とローマ帝国」歴史の因果の深さを知る

2001年刊行。筆者の大澤武男は1942年生まれの歴史家。 ユダヤ人とローマ帝国 (講談社現代新書) 作者: 大澤武男 出版社/メーカー: 講談社 発売日: 2001/10/19 メディア: 新書 クリック: 2回 この商品を含むブログ (7件) を見る 内容はこんな感じ 第二次大戦中…