4つ★(おススメ!)
作者のカレル・チャペック(Karel Čapek)は1890年生まれのチェコスロバキア人(当時)作家、劇作家。1938年没。 本作は1920年に発表され、初演は1920年。『ロボット』のタイトルで知られているが、もともとのタイトルは『R.U.R.(Rossumovi univerzální robo…
拓と里伽子にもう一度会える 1995年刊行作品。1993年に刊行された『海がきこえる』の続編である。前作の『海がきこえる』は徳間書店のアニメ情報誌「アニメージュ」の連載作品であったが、本作は書下ろし作品として上梓されている。 前作に引き続き、表紙、…
斜線堂有紀の第五作品 2019年刊行作品。『私が大好きな小説家を殺すまで』に続く、斜線堂有紀(しゃせんどうゆうき)の第五作。 個人的に『私が大好きな小説家を殺すまで』から始まる、『夏の終わりに君が死ねば完璧だったから』、『恋に至る病』の三作を、…
夕木春央の第五作 2023年刊行作品。作者の夕木春央(ゆうきはるお)は1993年生まれのミステリ作家。 デビュー作は2019年のメフィスト賞受賞作『絞首商會(こうしゅしょうかい)』。第二作は2021年の『サーカスから来た執達吏(しったつり)』。そして、2022…
宇佐美りんの第二作 2020年刊行作品。『文藝』秋季号(2020年7月号)に発表された作品を書籍化したもの。第164回(2020年度下半期)の芥川賞受賞作品である。 筆者の宇佐美りんは1999年生まれ。2019年のデビュー作『かか』でいきなり文藝賞、更に三島由紀夫…
夏に読みたい時間モノ 2005年刊行作品。第37回星雲賞日本長編の部の受賞作である。作者の新城(しんじょう)カズマは1991年から富士見ファンタジア文庫で上梓された『蓬莱学園』シリーズがデビュー作(懐かしい)。 本作は、タイトルの通り「夏」に読んでお…
20万部突破の大ヒット作に! 作者の杉井光(すぎいひかる)は1978年生まれ。デビュー作は2006年の『火目の巫女(ひめのみこ)』。第二作の『神様のメモ帳』はアニメ化もされて、シリーズ累計100万部を超える大ヒット作に。第三作の『さよならピアノソナタ』…
2012年の本屋大賞第三位 2011年刊行作品。作者の大島真寿美(おおしまますみ)は1962年生まれ。1992年に「春の手品師」で文學界新人賞を受賞。同年、すばる文学賞最終候補となった『宙の家』がデビュー作。キャリアの長い作家だが、俄然注目を浴びたのが、20…
第六回日本ファンタジーノベル大賞受賞作 1994年刊行作品。池上永一(いけがみえいいち)のデビュー作にして、第六回日本ファンタジーノベル大賞受賞作である。ちなみに同時に大賞を受賞したのが銀林みのるの怪作『鉄塔 武蔵野線』なのだった。この年は当た…
第6回日本ファンタジーノベル大賞受賞作 1994年刊行作品。作者の銀林(ぎんばやし)みのるは1960年生まれ。本作がデビュー作となる。第6回の日本ファンタジーノベル大賞の受賞作として上梓された。ちなみに、同じくこの年の日本ファンタジーノベル大賞を受賞…
葵遼太のオリジナル第一作! 2020年刊行作品。作者の葵遼太(あおいりょうた)は1986年生まれ。 デビュー作は、太宰治の『人間失格』をベースにしたSFアニメ映画『HUMAN LOST』のノベライズ版である(原案は冲方丁だ)。 HUMAN LOST 人間失格 ノベライズ(新…
2021年を代表するエスエフ作品 オリジナルの米国版は2021年5月の刊行で、原題は『Project Hail Mary』とそのまんま。邦訳版は同年12月に刊行されている。一年を経ずにリリースされるとは早川書房も仕事が早い!訳者は小野田和子(おのだかずこ)。カバーイラ…
浅倉秋成はこれで大ブレイク! 2021年刊行作品。『ノワール・レヴナント』『フラッガーの方程式』『失恋覚悟のラウンドアバウト(失恋の準備をお願いします)』『教室が、ひとりになるまで』『九度目の十八歳を迎えた君と』に続く浅倉秋成(あさくらあきなり…
ノーベル文学賞受賞者が描く感染症小説 筆者のジョセ・サラマーゴ(José de Sousa Saramago)は1922年ポルトガル生まれの作家。1998年にはノーベル文学賞を受賞。2010年に87歳で没している。 『白の闇』のオリジナル版は1995年刊。原題は『Ensaio sobre a ceg…
恩田陸作品最長クラスの長編 講談社のミステリ雑誌「メフィスト」の、2000年5月号~2001年9月号に連載されていた作品を単行本化したもの。本作は『三月は深き紅の淵を』の系譜に連なる作品の一つで、その第一章「待っている人々」の中で言及されている。本作…
第一回「読者による文学賞」受賞作 2019年刊行作品。作者の浅葉(あさば)なつは『空をサカナが泳ぐ頃』が、第17回電撃小説大賞でメディアワークス文庫賞を受賞して作家デビューを果たしている。代表作は累計150万部を超えた『神様の御用人』シリーズであろ…
20世紀最後に刊行された恩田陸作品 新潮社の小説誌『小説新潮』に1990年~2000年にかけて掲載された、五編の作品をまとめたもの。奇しくも連載中にSMAPの「らいおんハート」発売されているが、関係はない。 単行本版は2000年12月に刊行された。個人的には20…
少女たちの四年間を綴った物語 2020年刊行作品。タイトルの読みは「ひまわりをたおる」。彩坂美月(あやかさかみつき)としては九作目の作品となる。 実業之日本社の文芸誌「紡」の2013年autumn号、2013年winter号、2014年spring号、2014年summer号に連載さ…
『安徳天皇漂海記』とあわせて読みたい 2007年刊行作品。宇月原晴明(うつきばらはるあき)としては六作目の作品にあたる。ミルキィ・イソベの表紙デザインが美しい。 廃帝綺譚 作者:宇月原 晴明 中央公論新社 Amazon タイトルや表紙デザインから想像がつく方…
一般文芸の世界で輝き始めた頃の桜庭一樹作品 桜庭一樹(さくらばかずき)は1971年生まれの女性作家。1990年代に山田桜丸(やまださくらまる)名義で、ライター、ノベライズ作家、ゲームシナリオ作家として活躍。1999年に『AD2015隔離都市 ロンリネス・ガー…
詠坂雄二のデビュー作 2007年刊行作品。光文社版のメフィスト賞とも言える、公募新人賞KAPPA-ONE登龍門(かっぱわんとうりゅうもん)受賞作である。KAPPA-ONE登龍門は2002年にスタートし、石持浅海『アイルランドの薔薇』、東川篤哉『密室の鍵貸します』らを…
往年の名作、連作エスエフ短編集 作者のゼナ・ヘンダースン(Zenna Chlarson Henderson)は1917年生まれ、1983年に亡くなられたアメリカ人エスエフ作家である。 教職の傍ら執筆を続けた極めて寡作な作家で、この作品は1952年から1959年にかけてアメリカの「フ…
宮部みゆきの直木賞受賞作 1998年刊行作品。「朝日新聞」夕刊に1996年~1997年にかけて連載されていた作品を加筆したうえで刊行したもの。 第120回直木三十五賞受賞作。更に同年の「週刊文春ミステリーベスト10」国内編一位。「このミステリーがすごい!」国…
ミルハウザーの第三短編集 オリジナルの米国版は1998年に刊行されており原題は「The Knife Thrower」。 作者のスティーヴン・ミルハウザー(Steven Millhauser)は1943年生まれのアメリカ人作家。デビュー作は1972年の『エドウィン・マルハウス―あるアメリカ…
アメリカ探偵作家クラブ賞(エドガー賞)受賞作 1998年刊行。オリジナルの米国版は1996年刊行で原題は「The Chatham School Affair」。作者のトマス・H・クック(Thomas H. Cook)は1947年生まれのアメリカ人作家。 1997年度のアメリカ探偵作家クラブ賞(エドガー…
男と女のロマン・ノワール 1994年刊行作品。オリジナルの米国版は1993年刊行。原題は『Shella』。 凶手 (Hayakawa Novels) 作者:アンドリュー ヴァクス 早川書房 Amazon かれこれ30年も前の作品ということになる。作者のアンドリュー・ヴァクス(Andrew H. Va…
2023年版「このミス」「ミステリが読みたい」二冠! 2022年刊行作品。筆者の呉勝浩(くれかつひろ)は1981年生まれのミステリ作家。デビュー作は、第61回の江戸川乱歩賞を受賞した2015年の『道徳の時間』だ。 その後、毎年コンスタントに新作を上梓。2018年…
いま話題のミステリ本『逆転美人』 2022年刊行作品。作者の藤崎翔(ふじさきしょう)は、1985年生まれのミステリ作家。若いころはお笑い芸人であったことでも知られている。 デビュー作は第34回の横溝正史ミステリ大賞を受賞した『神様の裏の顔』(2014年刊…
ジュンパ・ラヒリのデビュー作 2000年刊行作品。新潮社の外国文学レーベル「新潮クレスト・ブックス」からの登場だった。オリジナルの米国版は1999年刊行で、原題は『Interpreter of Maladies(病気の通訳)』。 作者のジュンパ・ラヒリ(Jhumpa Lahiri)は1967…
図書委員シリーズの二作目 2022年刊行作品。タイトルの『栞と嘘の季節』の読みは「しおりとうそのきせつ」。作者の米澤穂信(よねざわほのぶ)としては、『黒牢城』で第166回直木三十五賞を受賞した後の第一作でもある。 「図書委員」シリーズは、東京郊外の…