SF
<時と人>シリーズの第三作 2001年刊行作品。作者の北村薫(きたむらかおる)は1949年生まれのミステリ作家。デビュー作は1989年の『空飛ぶ馬』。デビューから30年が経ち、御年も70歳を超えて、この世界では大ベテランの域にある作家と言っていい。 リセット …
「ベストSF1999」国内部門6位 1999年刊行作品。単行本はアスキーから発売されており、当時のタイトルは『偏執の芳香 アロマパラノイド』 であった。「ベストSF1999」の国内部門で第6位にランクインしている。作者の牧野修(まきのおさむ)は1958年生まれのエ…
初期代表作の外伝を含む、恩田陸の魅力が詰まった作品集 2002年刊行作品。各種アンソロジーやらネット媒体、雑誌等に掲載されてきた8編に加え、2編の書き下ろしを加えた短編集。この年、恩田陸はデビュー10周年だった。収録されている作品数が10編なのはこれ…
『僕君』『君僕』のスピンオフ長編が登場! 2022年刊行作品。乙野四方字(おとのよもじ)の最新作。2016年刊行の『僕が愛したすべての君へ』『君を愛したひとりの僕へ』と世界観を同じくする、スピンオフ作品だ。 『僕が愛したすべての君へ』『君を愛したひ…
ハードSFの優れた書き手だったチャールズ・シェフィールド 1991年刊行作品。オリジナルの米国版は1983年刊行。1978~1983年にかけて発表された作品群をまとめた連作短編集である。原題は『The McAndrew Chronicles』。 作者のチャールズ・シェフィールド(Char…
八目迷のデビュー作 2019年刊行作品。作者の八目迷(はちもくめい)は1994年生まれのライトノベル作家。「僕がウラシマトンネルを抜ける時」が第13回の小学館ライトノベル大賞にて「ガガガ賞」と「審査員特別賞」を受賞。同作は『夏へのトンネル、さよならの…
「白い方」の乙一作品集 2003年作品。乙一(おついち)としては10作目の作品である。せつない系の短編群が集められた初期白乙一を代表する作品の一つと言える。 4編目の『失はれた物語』のみ書き下ろしで、それ以外は角川書店のライトノベル誌「ザ・スニーカ…
伊藤計劃のデビュー作 2007年刊行作品。英題『Genocidal Organ』。第7回小松左京賞の最終候補作(ちなみにこの年は受賞作「なし」)で、選には漏れたが、早川書房のハヤカワSFシリーズJコレクションから書籍化された。 虐殺器官 (ハヤカワSFシリーズ・Jコレ…
「レべリオン」シリーズを一気に紹介! 「レベリオン」は、2000年~2002年にかけて電撃文庫から刊行されていた作品。異世界ロボットモノだった「コールド・ゲヘナ」に続いて、立ち上げたのがこの「レベリオン」シリーズだった。三雲岳斗(みくもがくと)とし…
「早川書房 夏の大感謝セール」がやってきた! つい先月、早川の夏のセールの情報をお届けしたばかりだけど、新たに「早川書房の夏の大感謝セール」が始まったので、本ブログで紹介した作品の中から、おススメを24作をセレクトしてみた。 7月のセールは海外…
小川一水の第5作品 2000年刊行作品。『まずは一報ポプラパレスより(河出智紀名義)』、『アース・ガード』『マリアロード・ストーリー』『こちら、郵政省特別配達課』に続く、小川一水の五作目にあたるお話。 相変わらずソノラマのカバーデザインは渋い(と…
今週のお題「SFといえば」ネタに便乗。本日は、少年の日の夏休みの思い出を描いた、瀬名秀明作品をご紹介したい。 瀬名秀明、三作目の作品 2000年刊行作品。『パラサイト・イブ』『ブレインヴァレー』の次に瀬名秀明(せなひであき)が世に問うた第三作。「ベ…
超豪華特急を舞台とした架空世界モノ 2005年刊行作品。夢の超豪華特急を舞台とした架空世界モノ。この手の架空世界の設定造りがこの作家はホントに大好き。 本作は19世紀のイギリス的な世界観をベースに、故国を失った少年少女たちが、国の命運をかけて大国…
夏を舞台とした傑作小説15選 夏になると、各出版社の夏のフェアが開催されて、書店の棚がにぎやかになりますね。 ということで、このブログでも夏のフェアをやりたい!ということで、当ブログでご紹介してきた800冊以上の作品の中から、「夏を舞台」とした作…
フランスで110万部売れたベストセラー作品 2022年刊行作品。加藤かおり訳。オリジナルのフランス版は2020年に発売されていて原題は『L’Anomalie』。作者のエルヴェ・ル・テリエ(Hervé Le Tellier)は、1957年生まれのフランス人作家。ジャーナリスト、数学者…
「孤児」シリーズ、「館」シリーズと続いてきた、佐々木丸美(ささきまるみ)作品の全作レビューだが、本日は「館」シリーズのスピンアウト的な作品である「伝説」シリーズから、『榛(はしばみ)家の伝説』をお届けしたい。 前作である『橡家の伝説』の内容…
「イリヤっぽい話」として書かれた作品 2005年刊行作品。作品単位で考えると、『E.G.コンバット』『鉄コミュニケイション』『猫の地球儀』『イリヤの空 UFOの夏』に続く、秋山瑞人(あきやまみずひと)の五作目の作品になる。 また夏のボーイミーツガールも…
杉井光が描く、忘れられない夏の物語 2022年刊行作品。書き下ろし。作者の杉井光(すぎいひかる)は1978年生まれの小説家。第12回の電撃小説大賞で銀賞を取った2006年の『火目の巫女(ひめのみこ)』がデビュー作。多作で知られる人物で、これまでに三十作近…
斉藤直子のデビュー作 2000年刊行作品。第12回の日本ファンタジーノベル大賞の優秀賞受賞作品。作者の斉藤直子(さいとうなおこ)は1966年生まれの小説家。本作がデビュー作となる。 ちなみにこの年はファンタジーノベル大賞の「大賞」は該当作なし。優秀賞…
本日ご紹介するのは 佐々木丸美の「館」シリーズの外伝的な作品、『橡家の伝説』である。「館」シリーズについてもネタバレしているので、未読の方はお気をつけ頂きたい。 「伝説」シリーズの一作目 1982年刊行作品。『橡(つるばみ)家の伝説』は佐々木丸美…
アニメ『ラーゼフォン』のシェアワールドノベル 2002年刊行作品。今は亡き徳間デュアル文庫からの登場。 作者の神林長平(かんばやしちょうへい)は1953年生まれのエスエフ作家。 『ラーゼフォン』は2002年に放映されたアニメーション作品。『エヴァンゲリオ…
菅浩江版ダーティペア?「センチメンタル・センシティブ」シリーズ 本日は平成初期のライトノベル作品をお届けしたい。 菅浩江(すがひろえ)の「センチメンタル・センシティブ」シリーズは1990年~1991年にかけて、角川スニーカー文庫から刊行された作品群…
『ゼーガペイン』の語られざるエピソード 2019年刊行作品。もともとはサンライズのWebサイト矢立文庫に『エンタングル:ガール 舞浜南高校映画研究部』のタイトルで、2016年~2017年にかけて連載されていた作品を大幅に加筆修正のうえで単行本化したもの。 …
高野史緒はこの作品でデビュー 1995年刊行作品。第6回の日本ファンタジーノベル大賞の最終候補作に加筆修正したもの。作者の高野史緒(たかのふみお)は1966年生まれの小説家。本作『ムジカ・マキーナ』にて作家デビューを果たしている。エスエフ要素の強い歴…
恩田陸、三冊目の短編集 2007年刊行作品。実業之日本社の小説誌「ジェイ・ノベル」に掲載されていた作品14編に、書き下ろし1編を加えて単行本化したもの。 『図書室の海』『朝日のようにさわやかに』に続く、恩田陸三作目の短編集である。 いのちのパレード …
伴名練(はんなれん)『なめらかな世界と、その敵』に収録されている6編全てのあらすじ(内容)と、ネタバレ感想を収録しています。文庫版にも対応。
「裏世界ピクニック」シリーズの七作目! 宮澤伊織(みやざわいおり)による「裏世界ピクニック」シリーズの第七弾となる。2021年の12月に刊行された作品。2021年は3月に第六巻が出たばかりなので、刊行ペースの速さに驚かされる。さすがはライトノベル畑の…
岩本隆雄の第四作 2001年刊行作品。今は亡きソノラマ文庫からの登場だった。上中下巻の三巻構成。イラストは小菅久実(こすがくみ)が担当している。 作者の、岩本隆雄(いわもとたかお)は1990年に第1回の日本ファンタジーノベル大賞で最終候補作となった『…
「裏世界ピクニック」シリーズの六作目! 2021年刊行作品。宮澤伊織(みやざわいおり)の人気作、「裏世界ピクニック」シリーズの第六弾にあたる。 既刊の感想はこちらから。 『裏世界ピクニック ふたりの怪異探検ファイル』 『裏世界ピクニック2 果ての浜辺…
『恥知らずのパープルヘイズ』は『ジョジョの奇妙な冒険』第五部の外伝的な作品である。このブログは基本的にネタバレありで感想を書いているが、本エントリでは、更に加えてジョジョ第五部の内容についてもネタバレしているので、未読の方はお気を付けを。 …