方向模索中の本読みBlog

書評Blogの予定だけど、現在方向性模索中。基本ネタバレありなので注意してね。

20年過ぎても完結していない、秋山瑞人の処女作「E.G.コンバット」を読む

 なんと20年も前の作品

E.G.コンバット (電撃文庫 あ 8-1)

E.G.コンバット (電撃文庫 あ 8-1)

 

1998年作品。もう20年も前の作品になるわけだが、これが秋山瑞人(あきやま みずひと)の処女作。「原作/イラスト☆よしみる」となっている。本作に先行して、☆よしみるによるコミック版があるみたいなのだけれども、単行本化されておらず月刊コミックコンプに単発で掲載された読み切り作品らしい(未読なんだよね)。よって、秋山瑞人のオリジナル作品というよりは、ノベライズの領域に属する作品なのだと思う。いろいろ加筆されて、完全にもはや秋山オリジナルの作品になっている気はするけどね。

でも、読み切りのコミック作品をノベライズするの?という疑問が出てくるのだけど、これ結局なんだったのだろう。もっと、メディア展開されていく予定があったのだろうか?

あらすじ

西暦2067年。救世軍きってのエリートにしてアイドル。北米総司令部最年少大尉、ルノア・キササゲは最前線の地球から、急遽月へと配置転換される。犬猿の仲であるラセレーナ大尉の画策により、現場を外され、訓練校オルドリンの教官へと追いやられたのだ。しかし彼女を待ち受けていたのは、訓練校きっての劣等生アマルス隊の面々。ルノアの常識を超えた猛特訓がオルドリンに大旋風を巻き起こす。

『ガンパレードマーチ』っぽい世界観?

表紙絵の☆よしみるイラストに追従するように、登場人物は全て女の子。天然系から眼鏡っ子、不良娘までポイントは手堅く押さえてある。

しかしながら、うって変わってこの世界の設定はハードだ。「プラネリアム」と呼ばれる謎の敵性生物により存亡の危機に立たされた人類。その人口は激減し現在では僅かに5億を数えるのみ。「プラネリアム」の女ばかりを狙って殺戮する特性から、全ての女性が月へと強制移住させられ、残った男たちは地球上でぎりぎりの攻防を繰り広げている。なんとなく『ガンパレードマーチ』(もうこの例えわからない人いるよね)っぽい世界観だ。

王道の「ダメチーム再生譚」として手堅く描けてる

エリート主人公が落ちこぼれだらけのグループを率いて立て直すという、いわゆる「ダメチーム再生譚」。中盤までは紹介も兼ねて教え子五人組のダメっぷりをひたすらアピール。処女作ながら独特の改行の間を持つ秋山節は既に健在で、的確にツボを突いてくる泣かせ、随所に挿入されるエスエフ的蘊蓄のバランスも良く、この時点でライトノベル書きとしては頭一つ抜けている感がある。ラストのカタルシスシーンも綺麗に決まり一作目としては十分及第点。

ちなみに未だ完結していない

本作はは全4巻構成を予定されており、続巻の「E.G.コンバット2nd」「E.G.コンバット3rd」までは刊行されていたのだが、2001年のリリースを周知されていた、最終巻の「E.G.コンバットFinal」は未だに発売されていない。ファンとしてはもはや諦観の境地だが、果たして続きは出るのだろうか。

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