ネコショカ

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基本ネタバレありなので注意してね

『ゴールキーパー論』増島みどり GKにしか見えない風景がある!


旧版の講談社現代新書のデザインは良かったのにね

2001年刊行。講談社現代新書からのリリースだが、当時このレーベルは一冊一冊全てデザインが違っていた。現在の色が違うだけの素っ気ないデザインと比べると格段の出来栄えと言える。

ゴールキーパー論 (講談社現代新書)

筆者は1961年生まれのスポーツジャーナリスト。日刊スポーツの記者を経てフリーに。『6月の軌跡 '98フランスW杯日本代表39人全証言』や、『ジーコ セレソンに自由を』『In His Times-中田英寿という時代』等、2000年代前後にサッカー関連の著作をいくつか残している。

内容はこんな感じ

ただひとり手を使うことを許された特異なポジション"ゴールキーパー"。サッカー、アイスホッケー、ホッケー、ハンドボール、水球。それぞれの第一人者へのインタビューを通して、守備のエキスパートについての考察を深めていく。彼らはどのようにしてその道を選び、いかにして現在の地位にまで登り詰めたのか。技術論、精神論両面からのアプローチ。

ゴールキーパーに特化した考察本

本書は、これまであまり陽が当たらないでいたポジション、ゴールキーパーに焦点を絞ったインタビュー集&考察である。

サッカーからはディド・ハーフナーと松永成立(懐かしい!)、ブンデスリーガ1部と契約したハンドボールの橋本行弘、アイスホッケー日本代表の春名真仁、ホッケーの高橋潤、水球の水谷真大といった各競技を代表する選手たちが登場する。

サッカーならまだしも、ホッケーや水球みたいなマイナー競技プレーヤーの生の声が聞けることはそうそう無いので、この点とても意欲的な企画だと思う。

ゴールキーパーだから見える風景がある

前半に筆者本人の考察、そして後半にインタビューの二本立て構成なのだが、最初の考察部分が結局後半のインタビューを受けての内容になっているので、ネタが被り過ぎなのが気になった。もう一工夫欲しいところだ。

サッカーのキーパーですら、Jリーグが始まる少し前までまともな育成プログラムが無かったとか、シュートが早過ぎて動いている暇なんか無いアイスホッケーの世界では最初の構えが命なんだとか、理想的な泳法を持つ水球GKは立ち泳ぎの際に綺麗な渦巻きが出来るとか、興味深い事がいろいろ書かれていて面白い。共通しているのは、どのGKも攻める姿勢を忘れていないこと。国内ナンバーワンクラスレベルまで極めた人間がたどり着くのはやはり同じ境地なのだろうか。

ゴールキーパー論 (講談社現代新書)

ゴールキーパー論 (講談社現代新書)