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『英雄ラファシ伝』岡崎弘明 第二回ファンタジーノベル大賞の優秀賞作品


岡崎弘明の第二長編

1990年刊行作品。新潮社の第二回ファンタジーノベル大賞の優秀賞受賞作品。この年は大賞は該当作なし。なお同時に、優秀賞を受賞した作品が、鈴木光司の『楽園』である。

英雄ラファシ伝

作者の岡崎弘明(おかざきひろあき)は1960年生まれ。

商業誌デビューは1988年徳間書店の『SFアドベンチャー』に掲載された短編小説「天使たちの協奏曲」。第一回のファンタジーノベル大賞にも応募しており、この時は『月のしずく100%ジュース』で最終候補にまで残り、ファンタジーノベル・シリーズから文庫化されている。

おススメ度、こんな方におススメ!

おすすめ度:★★★(最大★5つ)

エスエフ要素の入ったファンタジー作品を読んでみたい方。加藤洋之+後藤啓介のイラストに惹かれるものを感じた方。最初期のファンタジーノベル大賞関連作品を読んでみたい方。1990年代のファンタジー、エスエフ作品を読んでみたい方におススメ。

あらすじ

遙かな未来。崩壊寸前の地球を離れ惑星ダナンへと移住した人類。しかし歳月の流れは彼らを退化させ、文明レベルもまた大きく後退してしまう。劣悪な環境の中で原始的な生活を送る住民たち。ララ族のまじない師の息子に生まれたラファシは一族と共に大陸を放浪し様々な事件に出会う。しかし惑星に巣くう悪魔の奸計により、人々は破滅へと向かう抗争に追い込まれていく。

エスエフ寄りのファンタジー?

移民星。極端に遅い自転。暖かな昼の半球を求めて絶え間ない移動を繰り返す住民たち。エスエフ的ギミックは十分凝らされていながらも、まじないや悪魔の存在、根拠不在のまま示される奇跡の数々のおかげで、受ける印象はファンタジーのそれなのだった。もうちょっと科学寄りに描いてくれるとより個人的には嬉しかったのだけど、「ファンタジーノベル」だからこれでいいのか。でも果ての無い地平をどこまでも歩んでいく人々の図はなかなかに美しい。

惜しむらくは登場人物が多すぎていずれも個性が目立たなくなってしまったことだろうか。せめてラファシとレナの二人だけでも深く掘り下げて描いていればラストはもっと深みが出ただろうに。

英雄ラファシ伝

英雄ラファシ伝

 

新潮文庫のファンタジー・ノベルシリーズについてはこちらで詳しく書いたので、気になる方はどうぞ。

www.nununi.site