基本ネタバレありなので注意してね。
現在試行錯誤中につき、デザインころころ変わってます
しばらくしたら落ち着くと思うのでご容赦下さいませ

あさのあつこ「バッテリー」高まる名作の予感

シリーズ累計発行部数1,000万部越えの超ベストセラー

今週のお題「読書の秋」に便乗して、本日は「バッテリー」全6巻のうち、一作目の感想を書いてみた。このエントリを書くために調べてみたけど、いつの間にかこの作品、シリーズ累計発行部数1,000万部突破しててビックリ。すごいね。

バッテリー (角川文庫)

バッテリー (角川文庫)

 

教育画劇より1996年に刊行されていた単行本を2003年に角川書店が文庫化したもの。あさのあつこの出世作。作者は1954年生まれ。児童文学の分野で活躍中。本書で野間児童文学賞を受賞している。

でも最初の頃、昔マガジンに連載されていた『バツ&テリー』とごっちゃになっていたのは内緒である。

あらすじ

父の転勤を契機として山間の小都市新田にやってきた原田巧。小学生ながら本格派の天才投手として将来を嘱望される巧だったが、あまりに過剰な自信と、協調性の無さが周囲の人々との間に摩擦を広げていく。しかし新田に住む少年、永倉豪はそんな巧の剛速球を苦もなく捕球してのける。二人はひたむきに野球にのめり込んでいくのだが、周囲の環境は容易にはそれを許そうとしなかった。

名作の期待高まる導入

岡山県の田舎町に原田家が引っ越してくるところから物語は始まる。左遷されたらしい父親、神経質な母親、明朗だが病弱な弟と家族背景が丁寧に描き込まれ、併せて新田の山野の美しい自然描写が綴られる。そして仄かに明示される主人公、巧の異能。静かな滑り出しだが、コンパクトに巧を取り巻く「世界」が過不足無く説明されていてこの先に期待が高まる。

主人公のキャラが立ちまくる

小学生とは思えない唯我独尊オレ様少年巧がとにかく気持ちいい。まだキャッチボールしかしてないのにこの格好良さはどうだろう。数年先を見据えて自分を鍛え続けるメンタルの強さ。とにかく誰にも負けないという圧倒的な自信。それでいて人間関係を作るのは下手クソで、誰かを傷つける度に自らの不甲斐なさに苛立ったり。12歳の子供としての限界もしっかり描かれていて、立体感のあるキャラクターが力強く現出している。

巧を取り巻く家族についてのフォローもきめ細かに入っていて、これ、ホントに児童向けの作品なんですか、ってなくらい奥行きの深い作品になっている。確かにこれは名作の予感。

メディアミックスもされまくってる

ちなみに2004年~はコミック版が刊行されていて……。

新装版バッテリー (1) (角川コミックス)

新装版バッテリー (1) (角川コミックス)

 

2007年には映画版(主演、林遣都)が……。

バッテリー [DVD]

バッテリー [DVD]

 

2008年にはNHKのテレビドラマ版(主演、中山優馬)が……。

バッテリー DVD-BOX(5枚組)

バッテリー DVD-BOX(5枚組)

 

さらに2016年にはノイタミナ枠でアニメ化もされていた模様。

 さすが、1,000万部作品ともなるとメディアミックスもグランドスラム状態ですな。