ドクロちゃんシリーズの第九作
2007年刊行作品。シリーズ9作目。メディアワークスの小説誌「電撃hp」の42号、45号に掲載された二作品に書き下ろし二作を加えて文庫化したもの。遂に「ドクロちゃん」シリーズも残り一冊である。
おススメ度、こんな方におススメ!
おすすめ度:★★★(最大★5つ)
もう最後までとことん付き合うと決めた方、急なシリアス展開にも戸惑わない方、桜くんのような叩かれて(殴られて?)伸びるタイプの方におススメ!
あらすじ
主人公草壁桜に史上最大のピンチが到来。天使による神域戒厳会議ルルティエは事態の抜本的解決を図るべく、"天使の桜くん"(南さん命名)を投入。容姿端麗、頭脳明晰な天使の桜くんの登場により本物であるはずの"影の桜くん"は絶体絶命のピンチを迎えることに。果たして草壁桜は消滅してしまうのか。
桜くんVS桜くん
ロボットモノで燃える展開の一つに「同型機」対決がある。エヴァンゲリオンで例えるなら、初号機VS参号機、ガンダムUCなら、ユニコーンVSバンシィ、ザブングルなら、アイアン・ギアー(二代目)VSギア・ギアと(←たとえが古い)と、数々の名勝負を生んできたシチュエーションである。
そして、第九巻にして「ドクロちゃん」はシリーズ最大の山場を迎えた。ここに来ていきなりのシリアス展開!神域戒厳会議ルルティエが最終兵器として送り出したのは"天使の桜くん"。本物なのに"影の桜くん"呼ばわりされてる主人公は果たして勝てるのか?
シリーズの終わりが見えてきた!
ギャグ系ライトノベルとしては異例の長期作品となった本シリーズだが、どうやら完結しそうな気配がしてきた。っていうか、ちゃんと終わらせる気があったのか!
シリアス展開!と思わせておいて、それでもVS光の桜クン編はやっぱりアホな話で笑えた。言葉の使い方と、独特の表現方法。ギャグ間の取り方とテンポ感の良さはさすが。このあたりは、ここまで作品を積み上げてきただけのことはある。円熟の境地に達している赴きすらあって、長らく読んできたファンとしては本当に嬉しい。
ちなみに、帯の新刊予告は「四月の髑髏予定」になっていて、これもメッチャ笑った。次は10巻と区切りのいい巻数だけど、本当にこれで終わってしまうのだろうか?不安は尽きないが、あともう一週お付き合いいただきたい(バレてるやん)。