ドクロちゃんシリーズもこれで最後!
2007年刊行作品。シリーズ十作目にして最終巻。長々と引っ張ってきた「ドクロちゃん」感想もいよいよ大詰めである。
おススメ度、こんな方におススメ!
おすすめ度:★★★(最大★5つ)
「ドクロちゃん」の終焉をしっかり見届けたい方、長期作品の終わらせ方が気になる方、ゼロ年代ライトノベルの雰囲気を感じ取りたい方におススメ。
あらすじ
天使による神域戒厳会議ルルティエからの新たなる使者はゼブルちゃんとダチュラちゃん。二人の天使の目的はドクロちゃんを未来の世界へ連れ帰ることだった。なすすべもなくドクロちゃんを見送るしかない桜くん。もう会うことは出来ないのか。一念発起した桜くんは未来の世界へ旅立つべく過酷な修行の日々を開始するのだが……。
ここからネタバレ
無理やり終わらせに来た
エエっ、ドクロちゃん終わっちゃうの??前巻の刺客ネタの続きを引っ張るのかと思ったら、別の手段で終わらせに来た。こういうギャグ話は無理に終わらせなくてもいいと思うのだけど、さすがに10冊も書くと作者も飽きてくるのか、そろそろ他の話を書きたくなったのだろうか。
見所はゼブルちゃんとダチュラちゃんの限りなく全裸に近い天使スーツ(違。ルルティエがどうとか、未来の世界がどうとか、別にどうでもいいので、いつもながらのドクロちゃん時空を展開してくれればそれで良かったのに。無理矢理終わらせるための話にしかなっていなくて、ネタも滑り気味で正直イマイチ。まあ、いくらでも続きが書ける終わり方だったので、また形を変えて続編は出るのかもしれない。
その後のおかゆまさき
ちなみに「ドクロちゃん」完結後のおかゆまさきの歩みを書いておこう。
まず、2008年~2010年にかけて書かれたのが『森口織人の陰陽道』シリーズ全四巻。
そして2011年に『ぜのん様である!』が登場。こちらは全一巻。
※2020/4/28現在Kindle Unlimited対象書籍
続いて2011~2012年に『誰もが恐れるあの委員長が、ぼくの専属メイドになるようです。』全二巻。
2012年に『バニッシュ・ドロップス』が出て、こちらも全一巻。
※2020/4/28現在Kindle Unlimited対象書籍
2013年に『俺のペット生活がハーレムに見えるだと?』が刊行。これは全二巻。
2014年の『TRPGしたいだけなのにっ! 』は上下巻構成での刊行。これが、現時点では電撃レーベルからは最後の作品になる。
2016年、初めて電撃レーベルから離れ、集英社のダッシュエックス文庫から『マルクスちゃん入門』が登場。全一巻。
同じく2016年に『異世界魔王の日常に技術革新を起こしてもよいだろうか』が登場するがこちらも全一巻。
大ヒット作を出した後のライトノベル作家でも、引き続きヒット作を連発するのは難しい。「ドクロちゃん」以降もコンスタントに作品を書いてはいるものの、単巻、もしくは全二巻程度で終了してしまっている作品が多い。
特に、ここ数年は全く作品が出ておらず、Blogも2018年以降休止中なので心配。この世界の厳しさと言ってしまえばそれまだだが、ちょっと寂しい。
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