ネコショカ

小説以外の書籍感想はこちら!
『紫式部の父親たち』繁田信一
書簡集『雲州消息』から文人貴族の日常を知る

『『瑠璃城』殺人事件』北山猛邦 時空を超えて連鎖する不可能犯罪の謎

本ページはプロモーションが含まれています


北山猛邦の城シリーズ二作目

2002年刊行作品。デビュー作の『クロック城』殺人事件 に続く、北山猛邦(きたやまたけくに)の城シリーズ二作目でもある。タイトルの『『瑠璃城』殺人事件』の読みは「るりじょうさつじんじけん」である。

講談社文庫版は2008年に刊行されている。解説は作家の、辻村深月(つじむらみづき)が担当している。

『瑠璃城』殺人事件 城シリーズ (講談社文庫)

北山猛邦の城シリーズは、シリーズと銘打たれているものの、ストーリー的な連続性はないので、どの作品から読んでも大丈夫(でも、刊行順に読むことをお薦めしたい)。

おススメ度、こんな方におススメ!

おすすめ度:★★★(最大★5つ)

「最果ての図書館」というワードに心惹かれる方。中世のフランス、第一世界大戦、そして現在がクロスオーバーする、とびきり奇抜な設定のミステリ作品にワクワクしてしまう方。北山猛邦の城シリーズを読んでみたいと思っていた方におススメ!

あらすじ

ここは「最果ての図書館」。訪れる人も少ない極北の地で君代は樹徒と名乗る男に出会う。樹徒と君代は転生を繰り返しその度に互いを殺し合う運命にあるのだと云う。始まりは13世紀のフランス「瑠璃城」。そこでは六人もの騎士が謎の死を遂げ、あり得ない場所で死体が発見される。そして20世紀初頭、第一次大戦中に起きた不可解な兵士の死。事件は時を超えて連鎖していく。

ここからネタバレ

時を超えた数奇な愛の物語

主人公カップル、マリィとレインの800年に渡る数奇な運命を描く。現代・13世紀フランス・20世紀初頭(第一世界大戦中の独仏国境地帯)の3つの時代が交互に描写され、最後に全てが収斂していく形式を取っている。

霧冷(きりさめ)に、君代(きみよ)あたりもたいがいなところだが、樹徒(きと)に歌未歌(うたみか)と、人名なのか悩んでしまいそうなネーミングのキャラクターが続々と登場する。こういうところは、北山猛邦ならではの作風なのかね。慣れてくると、「らしい」と思えてくるから不思議。デビュー作で、どうして文章にもぎごちなさを感じてしまった『クロック城』殺人事件に比べると無駄な人物や余計な描写が減って、読みやすくなっている。この辺りの成長ぶりは微妙に嬉しい。

北山猛邦は何故か西洋の城が大好きなのだが、大きな舞台装置ならではの無茶なトリックが最高に楽しい。仄かな余韻を残す印象的なラストも、メロドラマ好きな自分としては大いに◎。悲運のカップルのわりには泣きが弱いなあと思っていたら最後にしてやられた。この締め方には痺れた。城シリーズでは本作が一番好きだ。

北山猛邦作品ならこちらも