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『銀盤カレイドスコープ Vol.5 ルーキー・プログラム』海原零 明快で分かり易いプロレス的なカタルシス

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「銀盤カレイドスコープ」シリーズの五作目

2005年刊行作品。シリーズも五作目で、本作で折り返しポイントである。

今回は15歳のジュニアスケーター、キャンドル・アカデミアが登場。タズサ視点とキャンドル視点が切り替わりながらの展開となっている。

銀盤カレイドスコープ vol.5 ルーキー・プログラム:Candy candy all my rules (集英社スーパーダッシュ文庫)

あらすじ

フィギュアスケーターにしてアイドル。女子フィギュアジュニアクラスの世界チャンピオン、キャンドル・アカデミアが来日する。過密日程に嫌気が差した彼女は逃亡を企て、そこで桜野タズサに出会う。二人はたちまちのうちに意気投合。キャンドルが引き合わせた兄のロック歌手エアー・ウッドはタズサに一目惚れしてしまうのだが……。

タズサ編再始動

前回はタズサの妹ヨーコのお話だったが、再びタズサの物語に戻ってくる。

新たなタズサの恋人候補として、世界的ロックスター様が登場。でも、どうみてもやられキャラ。カリスマシンガーならもっとオーラ出てても良さそうなもんだけどなあ。扱い的にも中途半端でうまく使い切れなかった感がある。見せ方もイマイチだったな。

終盤の直接対決編が燃える

圧巻はラストのタズサVSキャンドルのサシ勝負。我慢して我慢して最後に完膚無きまでに叩きのめすという、明快で分かり易いプロレス的なカタルシスの溢れるストーリー展開。よくあるプロットではあるものの、読者に取っては馴染みの無いフィギュア界が舞台なのでけっこう新鮮に感じる。読み手が期待するお約束的なお話のツボ(友情・努力・勝利!みたいな)は外さないのもポイント高いな。

おまけ:コミカライズ版もあるよ

マンガ版は2006年に登場。作画は長谷川潤。原作の1巻2巻、つまりピートの出会いから別れまでにポイントを絞ってのコミカライズとなっている。原作は男性向けレーベルの集英社スーパーファンタジー文庫から登場しているが、マンガ版は少女マンガ誌の「マーガレット」での連載であった(初出は2005年)。

銀盤カレイドスコープ 1 (マーガレットコミックス)

銀盤カレイドスコープ 1 (マーガレットコミックス)

 
銀盤カレイドスコープ 2 (マーガレットコミックス)

銀盤カレイドスコープ 2 (マーガレットコミックス)