ケイロニア国土を縦横無尽に疾駆する豹頭王
2016年刊行。続篇グイン・サーガとしては遂に本巻で十冊目。宵野ゆめ版のグインとしてはこれが五作目にあたる。138巻に続いて、陰謀渦巻くケイロニア情勢を描く。
あらすじ
アンテーヌ選帝侯アウルス・フェロンの元にワルスタット候ディモスの使者が訪れる。使者がもたらした驚くべき情報とは?一方で、ベルデランドを訪れていたグインは、シルヴィアの子シリウスに対面を果たす。しかし、それも束の間、グインはダナエ選帝侯の継承問題を解決すべく現地に旅立つ。
この巻で起こること
表紙の爺さんはもちろんグラチウス。宵野ゆめターンなので、偶数巻はケイロニア編である。ベルデランドの次はダナエに、そしてワルド城にも顔出してたりと、グインが便利に使われ過ぎているような……。
ディモス、ケイロニア皇位を狙う
ここしばらく言動がおかしかったワルスタット候ディモスだが、やはりケイロニアの皇位を狙っていたことが判明。調略のためラカント伯をアンテーヌに送る。アンテーヌ候の娘アクテは、ディモスに嫁いでいるので人質になっているということですな。
シリウスはベルデランド候に託される
138巻からの続き。シリウスがケルート拍にさらわれそうになったところに、オクタヴィアの戴冠式をサボって遠征して来たグインが到着。紆余曲折の末に、当面、シリウスはベルデランド候の母親ヴィダの岩屋で育てられることに。アキレウスの死と共に、寿命が尽きてしまうのではと思われたロベルトもまだ元気そうで何より。
グラチウス「あのお方」に敗れる
シルヴィアをサイロンから連れ出し、対グイン戦の切り札として、ヤンダルに売りつけようとしていたグラチウスが、思わぬ相手に足をすくわれる。ってもちろん相手は「あのお方」なんだけど。百戦錬磨のグラ爺すらも手玉にとってしまう「あのお方」どんだけスゲーんだよ。シルヴィアの身柄は「あのお方」側に移りそうだね。
アウロラがグインに合流、ダナエ選帝侯領へ
アウロラちゃんが相変わらず、意味不明に本編に絡んでくるのが不自然。やはり、自分で作ったキャラクターは動かしやすいのかな。
ベルデランドに続いて、グインはダナエ選帝侯領へ。この王さま、フットワーク軽すぎである。ダナエ選帝侯の母ルシンダの精神をグラチウスが操っていることを見抜く。「あのお方」にやられて青息吐息中かと思われるグラチウスから、最新のパロ情勢をグインは知らされる。カメロンの死が伝わってしまったね。