快男児カメロン追悼
2018年刊行。前巻で明らかになったが、宵野ゆめの病気療養による降板によって、五代ゆうによる執筆巻が続いている。本巻はタイトル、表紙を見れば一目瞭然であるが、135巻『紅の凶星』で殺害されたカメロンの追悼巻となっている。
あらすじ
カメロンの遺骨を携えたドライドン騎士団の一行は、病身のヴァレリウスらを伴い、遂にヴァラキアへとたどり着く。出迎えたロータス・トレヴァーン公により、沿海州の英雄カメロンの葬儀が執り行われる。一方、ヤガではスカール一行がブランたちに合流。魔導師たちの戦いの果てに、覚醒したババヤガが驚くべき怪異を見せつける。
この巻で起こること
カメロン追悼巻ということで、当然のことながら今回の表紙絵はカメロン+オルニウス号である。本巻ではヴァラキアでのカメロン葬儀を軸に、ヤガ編(いい加減引っ張りすぎな気がする)、ワルスタットへ入ったリギアの話、そしてスーティの枝分岐エピソードが収録されている。
オリー・トレヴァーン死す
ええ、なんで殺しちゃうの!!(本巻最大の衝撃)こういうダメな子が世にはびこっているのがこのシリーズのいいところなのに。登場以来ろくでもないことしかしてこなかった、ヴァラキア公の愚弟オリー・トレヴァーンが、暗殺者(たぶんファビアン)によって殺害される。ファビアンの正体が気になるところだが、オリーの男娼の一人であったことは間違いなさそう。
沿海州会議が開かれそう
黒竜戦役の際に開催されて以来かな?弱体化したパロに食指を伸ばす、アグラーヤ王ボルゴ・ヴァレンをはじめとした沿海州諸国の皆さんがヴァラキアに参集中。アルミナちゃんの件もあり、まがりなりにも宰相であるヴァレリウスを手中にしているから、大義名分的には申し分ないところかな。ただ、海軍力はともかく、陸上の戦いでイシュトヴァーンと戦おうとするのはかなり分が悪そう。返り討ちに遭わなければ良いのだが。
ヤガ編はいい加減終わってほしい
スカール、ザザ、アニルッダ組と、ブラン、ヨナ、フロリー、イェライシャ組が合流。ババヤガ先生も覚醒したようなので、ようやくヤガ編も終わりが見えてきた(前回も書いたけど)。
ヤガ編は栗本薫時代から続いているエピソードだけど、10巻以上経過してもまだ終わっていない。さすがに延々と引っ張りすぎなのではないか?正直それほど重要な話に見えないのだが、後々ポイントになってくるような内容になるのだろうか?
スーティによるドリアン救出隊が発足
前の巻で、イシュトヴァーンとアムネリスの子、ドリアンがゴーラ宮廷から拉致された(警備がザル過ぎると思うけど)。この光景を幻視したスーティがなんと弟の奪還を決意。成り行きで、琥珀、ウーラ、更にグラチウスを交えた謎のドリアン救出隊が発足する。
正直、子どもたちの話は本編が完結してからの「グイン後伝」でやってほしいと思うのはわたしだけだろうか?スーティが傑物なのはわかるにしても、いくらなんでもスーパー赤子に過ぎる。本編の進行が更に遅れてしまいそうなので、やや食傷気味なのであった。
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