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『牛丼屋夜間アルバイト』小野省子 言葉にならないなにかを言葉にして届けてくれる一冊


タイトルで即買いだった

2001年刊行作品。作者の小野省子(おのしょうこ)は1976年生。第一回野口雨情大賞の優秀賞を受賞。キャスターポエムコンテスト99グランプリを表題作で受賞。茨城県県出身で、現在はさいたま市在住の方。

牛丼屋夜間アルバイト

ご本人のHPはこちら。

おススメ度、こんな方におススメ!

おすすめ度:★★★★(最大★5つ)

タイトルを見て何?何なの??と気になった方。牛丼好き、吉野家他、牛丼店関係者の方。深夜営業の飲食店にかつて救われたことがある方。日常生活の中にある、もやっとした感情が言語化されているのを読んでみたい方におススメ!

こんな詩集

深夜の牛丼屋で疲れ切った人々を癒してくれる一時のやすらぎ。日頃は忘れていた、家族の暖かみ。なんだか煮詰まってしまって、どうにもならなくなってしまった自分。忘れていたはずの幼い日の思い出。何気なく通り過ぎていく雑踏の中で見つけたなにか。言葉にならないなにかを言葉にして届けてくれる、そんな詩の数々。

タイトルがキャッチーだった

いたいけだった?ワカモノの頃ならいざしらず、詩集の類なんてとんとご無沙汰していたわたしだったのだが、刊行当時、朝日新聞に掲載されていた書評がジャストミート。タイトルがこれ以上にないくらいに破壊力抜群。

なんでって、それは昔吉野家でバイトしてたから。これは買うしかないとあちこち探してみるものも出版社がマイナーなのか見つからず。仕方なくネット書店で購入したのであった。

平易な言葉で紡がれた詩集

現代詩の世界が今どんな傾向なのかは門外漢には知るよしもないのだが、もっと難解で、カッ飛んでるものを想像していたが、それは全くの的外れ。誰にでもすぐわかる平易な言葉だけでこの作品集は紡がれている。だからすっと作品の中に入ることが出来る。でも、きっとそれはものすごく難しいことなのだと思う。

詩歌だから、合う合わないはフツウの小説以上にあるだろうし、共感のレベルも作品ごとにまちまちだが、個人的なシンクロ度ナンバー1はやはり表題作。吉野家を舞台とした作品の中では中島みゆきの名曲『狼になりたい』に匹敵してる。深夜営業店のうらぶれた雰囲気がまざまざと甦ってきて、この詩本来の趣旨とは違うところで感じ入ってしまったりもして。

合唱曲版がある!

表題作の「牛丼屋夜間アルバイト」は、作曲家の松下耕によって合唱曲化されている。Youtubeに音源があったのでリンクを貼っておく。演奏は女声合唱団のBrilliant Harmony(超絶上手な団体である)。

www.youtube.com