基本ネタバレありなので注意してね。
現在試行錯誤中につき、デザインころころ変わってます
しばらくしたら落ち着くと思うのでご容赦下さいませ

『秘蔵カラー写真で味わう60年前の東京・日本』カラーだから伝わる凄み!

昭和30年代の光景をカラーで見ることが出来る

今週のお題「2018年に買ってよかったもの」。

今回紹介するのは、昭和30年代の日本の光景を切り取った貴重なカラー写真集。この時代の写真といえば、ほぼモノクロ写真であっただけに、カラー写真の表現力、再現力の凄さを感じさせてくれる一冊だ。

秘蔵カラー写真で味わう60年前の東京・日本 (光文社新書)

秘蔵カラー写真で味わう60年前の東京・日本 (光文社新書)

 

こんな内容の本!

米国軍人として来日した筆者が、当時としては非常に貴重なカラーフィルムを使って、昭和30年代の日本各地、津々浦々を撮影。6,000枚を超える作品の中から、選りすぐった382枚を公開。モータリゼーションも未だ発展途上で、東京オリンピックも、大阪万博もまだこれから。未舗装路も多く、道も狭い。高層建築はほとんどなく、空は広い。失われてしまった、日本の姿を生き生きと切り取った一冊。

ジェイ・ウォーリー・ヒギンズはこんな人

まずは、wikipediaから当該部分を引用。

1927年生まれ。最終学歴はミシガン大学。同校卒業後にアメリカ空軍に入隊し、第二次世界大戦終了後の1956年に駐留アメリカ軍軍属として日本に来訪。1958年よりアメリカ空軍勤務。以後日本に在住する(日本国籍を取得)。尚空軍時代の活動歴に付いては不明。

ヒギンズは駐留アメリカ軍時代から日本全国の鉄道写真の撮影を多数行っていた。特に私鉄関連を中心に取材活動を行い、ローカル私鉄や森林鉄道クラスまで大小問わず取材を行った。1950年代より当時としては相当に高価であったカラーフィルムを多用し撮影を行っていた。所蔵枚数はカラー写真だけでも6,000枚を超えている。また1960年代には鉄道ピクトリアルの読者投稿でも活動していた。

現在は東日本旅客鉄道企画本部国際部顧問として活動している。2007年、日本写真協会より同年度の日本写真協会賞の特別賞を80歳で受賞した。

ジェイ・ウォーリー・ヒギンズ - Wikipedia より

日本人女性と結婚されて、軍属を退き、現在は日本で暮らされている方のようである。ぶっちゃけ、撮り鉄の元祖みたいな方だよね。解説を読むと、とても几帳面な性格のようで、当時の撮影メモや、乗車券の類が全部残っていて、記憶力も抜群、趣味人を極めているなと言う印象である。

その撮影した写真群はあまりに貴重であるがゆえに、既に写真集として何冊か作品が刊行されているほどである。

発掘カラー写真 昭和30年代乗物のある風景 西日本編

発掘カラー写真 昭和30年代乗物のある風景 西日本編

 
発掘カラー写真 昭和40年代鉄道風景 東日本編 (単行本)

発掘カラー写真 昭和40年代鉄道風景 東日本編 (単行本)

 
発掘 カラー写真 1950・1960年代鉄道原風景 海外編 (単行本)

発掘 カラー写真 1950・1960年代鉄道原風景 海外編 (単行本)

  • 作者: 窪田太郎,ジェイ・ウォーリー・ヒギンズ
  • 出版社/メーカー: JTBパブリッシング
  • 発売日: 2006/03/31
  • メディア: 大型本
  • この商品を含むブログを見る
 

貴重な写真がリーズナブルな価格で

ただこれらの書籍は、鉄道マニア向けであるため値段が高く(7,000円以上する!)、一般人には手が出ないものであった。

今回の光文社新書版は1,620円と新書としては値が張るが、これまでの写真集と比較すれば破格の安さと言える。新書という手に取りやすい刊行スタイルも正解であったかと思う。アラカン以上の年代の皆さまには、歓喜の一冊ではないだろうか。

なお、これまで述べてきたように、筆者は基本鉄道を撮影してきた方である。そのため本書に収録されている写真の8割以上が鉄道に関するものである。

故に、本書のタイトルは『秘蔵カラー写真で味わう60年前の東京・日本』だが、正確に言い表すのであれば『秘蔵カラー写真で味わう60年前の東京・日本の鉄道』とするのが適切のように思える。

まあ、より広い層に売っていくための戦略と考えれば、致し方の無い所かな。もちろん「鉄道」を通して、十分に「60年前の東京・日本」を堪能できるのは間違いないので、おススメの作品であることは保証できる。

カラー写真のインパクトが凄い!

この年代の写真で、わたしたちが目に出来るのはほぼほぼモノクロ写真だろう。

モノクロ写真であれば、もはや現代とは隔絶された歴史上の風景。なんて見え方をしてしまうのだけど、カラーで見ると現代と地続きの、繋がった世界なのだなと思えてくるから不思議。

本書に収録されている数々の光景は、今となっては別世界のように感じる。しかし地形は現在でも変わらないものがいくつもあり、ふとした瞬間に、過去の写真と現在の姿がアタマの中で、カシャっと重なる瞬間が出てくる。「ああ、ここなのか」と判って、静かな興奮を覚える。妙な例えだが、3Dの立体視が見えた時のようなヨロコビを感じるのである。

個人的に、特に共感を覚えたのは、マークシティが出来る前の東横線旧渋谷駅、小田急百貨店が出来る前の小田急新宿駅、側溝を走る井の頭線と明大前駅あたりかな。

あと、特にすごいと思ったのは、都内はもとより、日本中くまなく路面電車が走っていたということ。道が細くて、クルマも少なく、未舗装路が多いと、自然と路面電車中心の街づくりになるのだろう。逆に言うと、車社会の発達が、日本の都市部から路面電車を駆逐していったのだろうね。