方向模索中の本読みBlog

書評Blogの予定だけど、現在方向性模索中。基本ネタバレありなので注意してね。

日本の携帯電話が元気だったころのお話、松永真理「iモード事件」今となっては全てが懐かしい

こんな内容

iモード事件

iモード事件

 

1999年2月にスタートしたNTTドコモのiモードサービスは開始から1年5ヶ月で契約数850万台を突破。未曾有のヒット商品となった。インターネットどころか、携帯電話すら持っていなかった著者は何故NTTドコモへの転職を決意したのか。iモードの驚異的な成功の裏に隠された担当者たちの奮闘振りを描く。

教訓を求めるような類の本ではないかも

単行本の帯にこの本を読んでわかることとして、「議論に勝つコツ」「海外のお金持ちとの商談法」「部下の能力を引きだす方法」などといろいろ書き連ねてありますが、そういう本ではない感じ。著者は「就職ジャーナル」「とらばーゆ」で知られたリクルートの名物編集長。

モバイルインターネットの先駆として一世を風靡したドコモのiモード。今となっては成功して当たり前のように思われがちだけど、その道のりは決して順風満帆ではなかった。とってもタイヘンでした。というハナシ。教訓的な何かを求めると裏切られます。

といっても、これほどの大成功を収めたiモードがひとりの担当部長から始まった一種の社内ベンチャーであったこと。外部招聘者を重要なポストに抜擢したこと。多くの重要な決定の契機を20代の若手社員たちが担っていたことなど。驚かされることも多い。成功するには組織には成功するだけの理由はやはりあるのだ。

しかし巨大企業の金の使い方は凄い。桁が違い過ぎてあまり実感がわかないのだが、接待用に社内の一画を1,000万かけて改装。「クラブ真理」を作ってしまうのだ。全くの偶然なのだが、取引先の入っているビルが、このiモード部隊が創設当初、居を構えていたビルで、今は空室となっている旧「クラブ真理」の前を通るとなんとはなしに感慨深いものがあるのであった。

盛者必衰とは言うけれど

しかしながら、iモードも今となっては20年も前の話かと思うと気が遠くなってくる。日本の携帯電話技術がまだまだ元気だったころの話と考えると感慨深くなりますね。松永さんをはじめとして、夏野さんも、栗田さんもみんなドコモからいなくなってしまった。こういうバイタリティがありすぎる人は、ドコモみたいなお役所に近いような風土の企業では残っていけないのだろうか。AppleやGoogle、海外の携帯メーカーに席巻されている現在の業界事情を考えるとなんとも哀しくなります。