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『アイランド』葉月堅 第八回日本ファンタジーノベル大賞優秀賞受賞作


葉月堅のデビュー作にして唯一の作品

1996年刊行作品。第八回日本ファンタジーノベル大賞の優秀賞受賞作品。ちなみにこの年の大賞受賞作は該当なし。始まったばかりの頃のファンタジーノベル大賞は、どういうわけか奇数回に実力作が集まる傾向があった。その分息切れしてしまうのか、偶数回は「大賞」なしとされることが多かった。偶数回である2,4,8,12回、全て「大賞なし」なのである。なぜだ??

優秀賞の同時受賞に城戸光子の『青猫屋』。さらに最終候補作には、後に第8回メフィスト賞受賞作品となる、浅暮三文の『ダブ(エ)ストン街道』が上がっている。

アイランド

本作は単行本のみ。文庫化は残念ながらされていない。ファンタジーノベル大賞系作品にはありがちな現象だが、少々寂しい。

作者の葉月堅(はづきけん)は本作以外の著作がなく、wikipediaに項目すらないレアな作家である。軽くググってみると、2003年の第二回『このミステリーがすごい!』大賞で、一次通過作品の中に葉月堅の名前が確認できる。これは同一人物だろうか。だとすれば、職業は大学教員。この時点で46歳とあるので、『アイランド』発表時は39歳前後か?

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あらすじ

作家デフォーはある日、見せ物小屋で一人の黒人奴隷に出会う。彼の名はフライデー。彼の父は南海の孤島で漂着した白人男性クルーソーと共に島を出たのだと云う。ロビンソン・クルーソーは実在するのか?フライデーと共にその足取りを追い始めたデフォーだったが、その前に意外な真実が明らかになる。

『ロビンソン・クルーソー』をめぐるファンタジー

本作、『アイランド』は二部構成となっていて前編が「クルーソーの島」これはあらすじにも書いたとおりで『ロビンソン・クルーソー』を著したデフォーを中心として物語は展開する。そして後編は「フライデーの島」これはフライデーの子孫?とされる男が自らのルーツを求めて錯綜していくストーリーである。

虚実が巧みに絡み合うミステリアス・ファンタジーらしいのだが、謎の部分は謎のまま。真相は読み手の解釈にゆだねられる。これを良しとするか、消化不良で物足りないと感じるか、これは読み手の好みの問題なのだろうか。

アイランド

アイランド

  • 作者:葉月 堅
  • 出版社/メーカー: 新潮社
  • 発売日: 1996/12
  • メディア: 単行本
 

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