ネコショカ

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『帝都東京・隠された地下網の秘密』全二作が胡散臭いけど面白い


本日ご紹介するのはこちらの二冊。ややもするとトンデモ系に分類されてしまいそうな作品だが、素材としては面白い。普段は見ることが出来ない地下の世界だけに、妄想は深まるのである。

帝都東京の地下には秘密がある!

2002年刊行作品。筆者は1956年生まれ。テレビ朝日の元記者で海外特派員としてよくニュースでは登場していたらしい。大麻所持がばれて退社。以後はフリーで執筆活動を行っている。

帝都東京・隠された地下網の秘密

新潮文庫版は2006年に登場している

帝都東京・隠された地下網の秘密 (新潮文庫)

帝都東京・隠された地下網の秘密 (新潮文庫)

 

内容はこんな感じ

国会議事堂の庭の藪には地下鉄の出入り口がある。銀座線と丸の内線が発着する赤坂見附駅は何故二重構造になっているのか。南北線の溜池山王駅は建造年代が新しいのに浅い階層にあるのは何故なのか。戦前からの地下鉄敷設にまつわる資料を読み解いた時、帝都東京の地下に眠る恐るべき秘密が明らかとなる。政府、都、営団地下鉄がひた隠しにするその真実とは。

タイトルが素晴らしい

積極的に煽っていくスタイルである。帯の「東京には秘密の地下網が張り巡らされている!」も実に扇情的。東京の地下には戦前の段階で相当距離の地下鉄道が敷設されており、現在の地下鉄はその一部を利用して建造されている。しかし未だ公開されない隠された地下遺構が、都内には数多く残されているのだという。こういう与太話大好き。ワクワクするなあ。

東京の「地下」が面白い!

非常に文章が読み難いのが困りものながら、示された数々の「事実」は面白かった。戦前の遺構の一部が、首都高新宿線となり、大江戸線の一部となり、はたまた地下駐車場として再利用されていたりと、ホントかどうは別としても知的好奇心を著しく刺激された。地下施設ともなると、通常の手段では確認のしようがないだけに、妄想を逞しくする余地が多分に残されていて楽しい。

何でも陰謀に結び付けるのはちょっと

気になったのは本書の執筆姿勢。何でもかんでも「政府の陰謀が!」と調査の壁にぶつかるたびにヒステリックに煽り立てるのは正直いかがなものかと。自分自身を安っぽく、且つ、電波な人に見せてしまっているので逆効果かな。

第二弾は更にマニアックに!

そして、本作には第二弾『帝都東京・隠された地下網の秘密2』が存在する。こちらは2003年刊行。

帝都東京・隠された地下網の秘密〈2〉地下の誕生から「1‐8計画」まで

帝都東京・隠された地下網の秘密〈2〉地下の誕生から「1‐8計画」まで

 

内容はこんな感じ

東京の地下に潜む戦慄すべき秘密を白日の下に晒けだした前作から一年余。更なる驚愕の真実が明らかになろうとしていた。江戸時代にまで遡り、地下網の淵源をひもときつつ、明治から昭和にかけて行われた極秘事業の全容を暴き出す。パリ、満州、そして東京。1-8計画に隠された真実とは?政府がひた隠しにするその秘密とは何なのか。

めちゃめちゃ胡散臭いけどワクワクする

前作は思いの外売れたようでなんと第二弾が登場している。もう徹底的にネタ路線で今回は突き進むことに筆者は決意を固めたようで、徹頭徹尾胡散臭さ満点である。このケレン味がたまらない。MMRのキバヤシクンも真っ青なオープニングトーク「あなたは、ジャーナリストが決して入ってはならないところに、足を踏みいれてしまった」は掴みとしてはまずまずの部類だろう。

限りなく嘘くさいけど、ひょっとしたらそんなことがあってもおかしくないかも。という絶妙なラインで筆を止めていた前作に比べると、いくらなんでもそりゃ無理なのではという畏るべき「真実」が本巻では次々と判明していく。

家康の時代から大規模な地下網が東京にあったって言うのはどう考えても無理っぽいし、地下鉄のコース取りが、ダイヤモンド型になるのは、満州の某都市の影響云々というのも眉が唾でべとべとになりそうな話である。

とはいえ、ネタとして読む分には十分面白いので、この際だから講談社あたりにこの作品のマンガ化を是非薦めて欲しい。もちろん掲載誌は週刊マガジンの「MMR」でお願いしたい。