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『水滸伝12 炳乎の章』北方謙三 梁山泊の生命線、闇塩を巡る暗闘!


北方謙三版「水滸伝」第十二弾!

毎週月曜日にお届けしている北方謙三版「水滸伝」の連続感想。本日は第十二巻である。前巻であれだけの大事件があっただけに、その次の巻をどう受けるのか、読者としても気が気ではないところ。それを当事者目線ではなく、少し離れた立場の人間から事態を俯瞰させようとする序盤の展開が心憎い。

なお、単行本版は2004年に刊行されている。

水滸伝 12 炳乎の章

水滸伝 12 炳乎の章

  • 作者:北方 謙三
  • 発売日: 2004/01/26
  • メディア: 単行本
 

そして集英社文庫版は2007年に登場。わたしが読んでいるのはこちらの文庫版の方である。

水滸伝 12 炳乎の章 (集英社文庫 き 3-55)

おススメ度、こんな方におススメ!

おすすめ度:★★★★★(最大★5つ)

手に汗握る迫真のドキドキ展開を楽しみたい方、魅力的な敵キャラに出会いたい方、綺麗ごとだけでは世は渡れないことを痛感したい方におススメ!

あらすじ

梁山泊の経済的基盤は闇塩の道にあり。巨大な闇資本を一手に動かす男盧俊義。複雑にして精緻を極める闇塩のネットワークが梁山泊の活動を陰から力強く支えていた。しかし打倒梁山泊に執念を燃やす聞煥章の飽くなき追求が遂に盧俊義の身に及ぶ。囚われの身となった主を救うべく、燕青は単身北京大名府へと乗りこんでいくのだが……。

ここからネタバレ

闇塩を統べる男、盧俊義大ピンチの巻

梁山泊の死命線。闇塩を差配する大本締めを探し続ける青蓮寺の一党。今回は盧俊義の命が危ない。次から次へとスリリングな展開を用意する北方のオッサン。この手練手管、物語の緊張感の高め方がさすが過ぎる。

容疑濃厚な最後の十八人までは絞り込めたけど、どうしてもだれが元締めかまでは特定が出来ない。それならいっそ全員捕まえて殺してしまえばいいのでは!開き直った秀才聞煥章の執念が盧俊義を追い詰める。これに対して、主人盧俊義との男色疑惑を受けながらも忠臣として使え続けてきた燕青が、この危機に対してどう出るのか。うぅ、これまた泣ける展開に。熱い熱すぎる。

梁山泊の面々が北京大明府に!

盧俊義捕縛の報を聞きつけた宋江は、持てる全勢力を率いて北京大明府を攻める。なんと北京が梁山泊の手に!闇塩の道を守るためとはいえ、何も知らない民間人数百人を手にかけざるを得なかった梁山泊。自らの手を汚すことなく官軍との戦いは続けられないのであった。

そしてここしばらく伏線だけは貼ってあった雄州の名将関勝と、その軍師宣贊が遂に表舞台に登場。北京攻めで空になった梁山泊を関勝の一軍が急襲。十中八九勝ちを手にしていながら、「北京を救えとは言われたけど、梁山泊を落とせとは命じられてなかった」の一言で軍を引く関勝。なんだか「銀英伝」のヤン・ウェンリー的な人だよね。これまたイカス!魅力的な敵キャラが随所に配置されているのも北方版「水滸伝」の魅力なのである。 

水滸伝 12 炳乎の章 (集英社文庫 き 3-55)

水滸伝 12 炳乎の章 (集英社文庫 き 3-55)

  • 作者:北方 謙三
  • 発売日: 2007/09/20
  • メディア: 文庫
 

続巻『水滸伝13 白虎の章』の感想はこちらからどうぞ

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