ネコショカ

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『零崎軋識の人間ノック』西尾維新 「人間」シリーズ第二弾


戯言シリーズスピンアウト「人間」シリーズの第二弾

2006年刊行作品。前作の『零崎双識の人間試験』より、作中の時系列で言うと五年程前のお話。

雑誌「ファウスト」に掲載された「零崎軋識の人間ノック1 狙撃手襲来」「零崎軋識の人間ノック2 竹取山決戦」に書き下ろしの「零崎軋識の人間ノック3 請負人伝説」を加えた構成となっている。

零崎軋識の人間ノック (講談社ノベルス)

「人間」シリーズのお約束、不毛なオマケとして今回は特製のトレーディングカードセット(というか、カードゲームを模した何か)が同梱されているのだが、価格が上がるだけなんだからこういうのは限定版だけにして欲しい。

講談社(西尾維新)文庫版は2012年に刊行されている。こちらは当然おまけは無しである。

零崎軋識の人間ノック (講談社文庫)

零崎軋識の人間ノック (講談社文庫)

 

あらすじ

"殺し名"第三位、零崎一賊。血に淫する殺人鬼の集団として忌み嫌われる集団。鋼鉄の釘バット、"愚神礼賛"ことシームレスバイアスを操る一賊きっての使い手零崎軋識(ぜろざききししき)はターゲットを殲滅すべく、某都市の超高層マンションに乗り込む。同行するのは若き零崎、人識。最上階に達した二人を待ち受けていたのは、周到に張り巡らされた罠だった。二人はこの死地から逃れることが出来るのか。

戯言シリーズとの地続き感の強い一作

前作の「人間試験」はオリジナルキャラがほとんどでかなり独立性の高いお話だったけど、今回はあちらのシリーズでお馴染みの連中が勢揃い。萩原子荻に西条玉藻、零崎の皆さんからは双識と人識。そしてメイド三人娘に哀川潤に玖渚友と、それなんて戯言シリーズと突っ込みたくなる程の見事なまでのオールスターキャストなのである。この作品を読む人間に、そんな奇特な方は居ないと思うけど、本作を読むのであれば、戯言シリーズは先に読んでおいた方がいい。

タイトルになっているわりには零崎軋識の影が薄い件。終始驚き役に徹する軋識。メッチャ弱いし。「焼きたてジャぱん」の河内(なんやて!←古い例え)みたいな位置づけだよね。その一方で作者の偏愛著しい子荻ちゃんには出番も見せ場も豊富に用意されていて、どうせなら「戯言シリーズ外伝 萩原子荻のなんちゃらかんちゃら」ってタイトルの方が売れたような気がする。

零崎軋識の人間ノック (講談社ノベルス)

零崎軋識の人間ノック (講談社ノベルス)