ネコショカ

毎日夜20時更新。ネコショカは猫の書架
雑食系の書評Blogです。なんでも節操なく読んでます
基本ネタバレありなので注意してね

『零崎人識の人間関係 戯言遣いとの関係』西尾維新 「人間」シリーズ最終巻!


「人間」シリーズの最後は戯言遣い編!

2010年刊行作品。戯言シリーズのスピンアウト作品として始まった「人間」シリーズも遂にこれでラストである。「人間」シリーズは、殺し名の第三位に列せられる殺人鬼集団零崎一賊の面々が主役を飾ってきた。シリーズの後半は零崎人識がメインを張り、「匂宮出夢との関係」「無桐伊織との関係」「零崎双識との関係」、そして今回紹介する「戯言遣いとの関係」の四冊が同時刊行されている。

 

零崎人識の人間関係 戯言遣いとの関係 (講談社ノベルス)

講談社(西尾維新)文庫版は2014年に登場している。この説明書くのも七回目なので、いい加減飽きてきたかもしれないが、ノベルス版にはカードゲームを模したおまけカードが付いてきたのだが、文庫版ではこの仕様は無くなっている。

零崎人識の人間関係 戯言遣いとの関係 (講談社文庫)

零崎人識の人間関係 戯言遣いとの関係 (講談社文庫)

 

なお、京都連続通り魔事件とあるように、本作は『クビシメロマンチスト』と時系列が限りなく二アリーな作品である。そのため『クビシメロマンティスト』のネタバレを含んでいるので、読まれる方はご注意頂きたい。

あらすじ

殺人鬼、零崎人識の行くところ、凄惨な殺人劇の幕が開く。佐々沙咲、江本智恵、木賀峰約、七々見奈波、そして哀川潤。殺人鬼に遭遇してしまった一般人たち。彼女たちはどうして殺されなかったのか。そして、零崎人識が人を殺し続ける理由とは?京都の街を震撼させた連続通り魔事件の意外な真相が明らかにされる。

ようやく戯言遣いが登場

といっても、出番はちょっとだけど。

戯言シリーズ本編では、主人公であるが故に、いーちゃん目線で物事が描写されていく。それ故に、戯言遣い本人の客観的な描写は、あまりなされないで来た。しかし本作では刑事佐々沙咲(さささささき)の目線を通して、戯言遣いが余人に与えるただならぬ第一印象が明らかにされている。「とんでもない奴が現れた」「死んだ人間みたいな目をした」「異常者とわかる子供」とまあ、それは酷い言われようだが、うん、まあ仕方ないかという感じ(笑)。

懐かしのキャラがたくさん出てきて嬉しい

『クビシメロマンチスト』に登場した江本智恵や佐々沙咲、『ヒトクイマジカル』に登場した木賀峰約や円朽葉と、お久しぶりのキャラがゲスト的に登場して、長らくこのシリーズに親しんできた読者としては嬉しいサービスと言える。

特筆すべきは、浅野みいこの再登場だろう。超人や人外しか出てこないと思われがちな戯言シリーズだが、浅野みいこはその中では珍しい一般人の範疇に留まる人物であり、それでいて戯言遣いに強い影響力を及ぼした人物なのである。出番は少ないのだが、作者的にも愛されてるなと思わせる印象に残る登場シーン。ちょい役ながらもこれは嬉しい。

戯言遣いの対偶の存在としての零崎人識

いかんいかん。人識の話なのに、他のキャラの感想をダラダラ書いてしまった。

実の両親が共に殺人鬼であり、生粋の零崎一賊であると思われていた零崎人識。しかし「無桐伊織との関係」で、実は人識には殺人衝動が無く、本質的には「零崎ではない」ことが明らかになっている。

本質的には「そうではない」存在であるのに、あえてその役割を担わされているという意味で、戯言遣いの対偶の存在として零崎人識は配されたキャラクターなのかもしれない。

零崎人識の人間関係 戯言遣いとの関係 (講談社ノベルス)

零崎人識の人間関係 戯言遣いとの関係 (講談社ノベルス)

 

ということで、西尾維新作品の感想を39作も書いてしまったが、さすがに疲れて来たので、毎週火曜日の「週刊西尾維新感想」今回でひとまずお休み。しばらく、期間を開けてから、「物語」シリーズや忘却探偵シリーズの感想をいずれお届けできればと考えている。