三か月に一作新刊が出ていた!
今週のお題「読書の秋」ということで、本日はゼロ年代の誇る、名作ライトノベル作品、「空ノ鐘の響く惑星で」シリーズ、第五巻の感想を書いてみた。
新章突入のシリーズ五作目である。2004年刊行。面白いのでガンガン先に進む。この巻でようやく、「世界地図」が登場。やっと状況設定が判りやすくなったよ。クオリティが落ちていないのに、三ヶ月に一冊という驚異的な早さで続巻が出ているのが素晴らしい。速筆はラノベ作家にとっての最大の武器だよね。
あらすじ
フェリオたちの活躍によりレージクの王位簒奪は失敗に終わる。次なる王位は誰の手に?第三王子ブラドーとの間に新たな問題が浮かび上がってくる。一方、フォルナム神殿ではジラーハの司教カシナートが勢力拡大のため暗躍を開始していた。敵中に残されたウルクを襲う悲劇的な運命とは。全てを捨てて、フォルナムへ向けてフェリオは旅立つのだが……。
手順を踏んで加熱する三角関係
舞台は再びフォルナム神殿へ。 偉そうなこと言ってたわりにはあっさりウルクを奪われてしまったシルヴァーナはこれくらい苦労した方がいいと思うよ。チャンスの後にはピンチあり。レージクの反乱を退けたフェリオに新たな災厄が訪れる。幼なじみの神官少女ウルクに降りかかった未曾有の危機。これまで恋愛面では朴念仁だったフェリオが、ウルクの大切さを改めて認識する展開は、少年の成長物語としてはきちんと手順を踏んでいるなという印象。
並行して自らの恋心に気付いてしまったリセリナの葛藤もきちんと描かれおりソツがない。フェリオをめぐる女の戦いはこれからが本番。今後の三角関係がどう進展していくのかに期待したい。
本シリーズ最高のキャラクターはパンプキン
登場巻からして目立っていたけれども、ここらへんの巻から、パンプキンのキャラ立ちがものすごい勢いで加速し始めている。長身痩躯、頭にはカボチャの被り物。ビジュアル的にはネタキャラとしか当初は思えなかったのだけど、なんだか無性に格好良く見えてくるのは、やっぱり描き方が上手いからだよね。
最強クラスの戦闘能力に、騎士道精神を併せ持ち、独自の価値観に基づいた行動を取る。戦いに愉悦を感じる彼の性格は、これからの物語を大いに盛り上げてくれそうだ。
続巻『空ノ鐘の響く惑星で6』の感想はこちらから。