ネコショカ

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渡瀬草一郎『空ノ鐘の響く惑星で10』ジラーハ編に突入!


今回は宗教大国ジラーハ編

2006年刊行。シリーズ十作目。今回は神殿の総元締め宗教大国ジラーハ編である。

空ノ鐘の響く惑星で(10) (電撃文庫)

空ノ鐘の響く惑星で(10) (電撃文庫)

 

物語世界の説明をし過ぎないことが、よくも悪くもこの作品の特徴だろうか。口絵部分のライナスティ君がかなりフォローしているけど。ジラーハの描写は最低限に抑えて、物語を動かす方に注力している。ごてごて何もかも説明していたら、倍の枚数使っても終わらないだろうからね。

あらすじ

タートムとの停戦処理。産出が止まったアルセイフのセレナイト。依然として予断を許さないラトロアとの関係。様々な諸問題を解決すべくジラーハを訪問したフェリオは、大陸の御柱(ピラー)を統括するウィータ神殿、宗教王国の持つ圧倒的な国力に瞠目させられる。神姫ノエルとの会見は彼とウルクとの関係に思わぬ波紋を及ぼすのだが……。

デレるカシナートに絶望した

ウルクの姉にして、神姫ノエルが本格的に登場。いきなりカシナートとラブラブかよ。傀儡に見えて、それなりに策略も使えるノエルが素敵。「女」としての自分も迷いなく使ってみせるところにしたたかさを感じる。もっと弱々しい存在なのかと思っていたよ。それにしても、マディーン司教が哀れに過ぎる。

最重要アイテム死の神霊登場

ラトロア側の描写も増えてきて、穏健派のダルグレイ議員が登場。しかしシュナイクはいくらなんでも子供過ぎだろ。人の子の親としてそれはどうなのよ。そして最重要アイテム死の神霊が遂に姿を現す。変態仮面メビウスの外道ぶりが冴えまくりで、やっぱりこいつがラスボスで決まりかな。リカルドは最後の出番もかませ犬。それでも、これだけのオールスターキャストを相手に健闘した方だろう。ご冥福を祈りたい。

三角関係はまだまだもつれそう

前巻の舞踏会編で酔った勢いでフェリオの唇を奪ったウルク。意外に策士よのう。フェリオをめぐるリセリナとの三角関係は更に深刻化。いい子過ぎて、逆に嫌みになりかねないウルクの性格をノエル側から指摘させる手回しの良さに感服した。読者からのツッコミ所を丁寧に潰しておく作者の几帳面さに「巧」である。ウルクとの差を完膚無きまでに思い知らされたリセリナは悩みモードに突入。これは終盤まで引っ張りそうだな。

ジラーハ内部の暗闘でまだまだ引っ張れただろうに、これ一冊で終わらせた思い切りの良さ。というか、ラノベ的な制限なのだろうか。ビランチャ大司教とか、クーガー大司教とかいいキャラなのに出番が少なくて勿体ない。そろそろ終わらせろよていう、編集部的な圧力がかかっているのかもしれない。