ネコショカ

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結末に向けて収束していく物語世界『空ノ鐘の響く惑星で11』


大長編ラノベ(ソラカネシリーズ)の感想は、本来は火曜日更新だった気がするけど、昨日は年始のあいさつに使ってしまったので、一日ずれて本日になりました。待たれていた方(いるのかな?)、もしいらしたらゴメンナサイ。本日から、平常運転に戻るはず。

終わりが見えてきた

2006年刊行。シリーズ十一作目。大詰め。遂にラトロア編。表紙はデレてるイリスにエンジュ。すっかり空気キャラのイリスが哀しい。別の意味での空気キャラ、これまで出番らしい出番の無かったカトルにすら見せ場があるっぽい。

空ノ鐘の響く惑星で(11) (電撃文庫)

空ノ鐘の響く惑星で(11) (電撃文庫)

 

この作者はどのキャラクターにも、それなりの落とし前をつけてくれるのがいいな。でも、ユーディエのプレゼントした香水は光学迷彩が最大の武器であるカトルには致命傷になりそうな気がするよ。同じく地味キャラだったバニッシュもだんだん黒くなってきて、これまで地道に貼ってきた伏線が生きてきた。ラストに向けて、ひたひたとテンションが高まっていく感じがいい!

あらすじ

ラトロアからの使者シュナイクの要請に応える形で、ジラーハはウルクを大使として派遣する。フェリオ主従もこれに同行し、一行は首都ラボラトリへと入る。一方、彼らとは別に、死の神霊の奪還を目指す別働隊として動くリセリナたちは、その隠し場所を求め調査を開始する。メビウスが目論む、恐るべき計画とは何なのか。遂にその全貌が明らかになろうとしていた。

いよいよ物語は大詰めへ!

前の巻から落ち込みモードのリセリナは、養父の死が確定しさらにどん底へ。最終巻を前に落とすだけ落としておこうという措置みたい。でも「名無し」の連中は弱すぎだろう。北方民族抜きではこんなものか。ラスト直前の引きとしてはこれくらいの苦境設定は必要だったのかもしれない。アンジェリカの生死が気になるところ。

結末に向けて物語が収束していく

さあ、次巻がついにラストである。このシリーズのいいところは、長期にわたって仕込まれていた伏線や仕掛けを、キチンと回収してきてくれているところだろう。風呂敷を広げるのが上手い作家は多くても、畳むのが上手な作家は意外に少ないものなのである。

物語を美しく収束させるという行為は、物語の新たな可能性を摘んでいく行為でもある。それ故に、結末に向けて収斂していく物語は、読者に対して「ああ、終わってしまうんだな」という寂莫感を強く抱かせる。終盤に至って、読み終えるのが寂しいと思わせる作品は決して多くは無い。最後の一巻、楽しませて頂こうではないか。

最終巻『空ノ鐘の響く惑星で12』の感想はこちら から。

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