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『それでも警官は微笑う』日明恩 第25回メフィスト賞受賞作は警察小説


日明恩のデビュー作

第25回メフィスト賞受賞作品。2002年刊行。作者の日明恩は1967年生まれ。日明恩と書いて「たちもり めぐみ」と読む。

それでも、警官は微笑う

 2005年に講談社ノベルス版が登場。

 その翌2006年には講談社文庫版が登場。

その後、本シリーズは2004年の『そして、警官は奔る』までは、講談社から刊行されたが、シリーズ三作目の2013年『やがて、警官は微睡る』からは版元が双葉社に移っている。そのため本作も、2013年に双葉文庫版が登場している。

シリーズ的には2018年に第四作『ゆえに、警官は見護る』が登場。なかなかに息の長い作品となっている。

おススメ度、こんな方におススメ!

おすすめ度:★★★(最大★5つ)

警察を舞台とした小説、いわゆる警察小説がお好きな方。社会派のミステリが好みな方。ちょっと毛色の変わったメフィスト賞作品を読んでみたい方。バディモノがお好きな方におススメ。

あらすじ

年々増え続ける密造拳銃。その流通ルートを解明すべく武本は今日も池袋の街を走る。捜査の過程で出会った宮田と名乗る男は厚生省の麻薬捜査官だった。拳銃と麻薬。国際社会の底知れぬ暗闇の中で二つの事件は繋がりを持っていた。警察組織から切り離されながらも、武本はコンビを組む潮崎と共にその謎に迫っていく。

ここからネタバレ

メフィスト賞には珍しい警察小説

メフィスト賞受賞作は、本来であればノベルスで出るのが通常だから、ハードカバーで登場した本書は破格の扱いと言える。それだけ評価が高いということか。

ミステリ界のAO入試、なんでもありのメフィスト賞にしても、本作は珍しい程の社会派路線。あか抜けない街、池袋を舞台に泥臭く展開していく警察小説なのである。登場してくるのはほとんど男のみ、この暑苦しさや良しである。

バディモノでもある

硬派で生真面目な体育会系刑事と、ミステリ(特に警察小説)大好きなボンボンというミスマッチの妙を楽しむお話なのだが、もう一人の主役とも言うべき宮田の存在が思いの外大きくて主役ペアとのバランス取りに苦労している感がある。

潮田の度を超えた脳天気さは重苦しい作品の雰囲気を和らげる存在にはなっているのだけれども、反面で重厚なハードボイルド世界を完膚無きまでにぶちこわしてしまっても居るわけでこれまた存在が微妙。コミカルに振るのか、殺伐に振るのか、はたまた両方やってみたいのか絞り切れていなかった。

とはいえ、デビュー作(しかもメフィスト賞だし)故の未完成感は否めないながらも、好きなキャラクターを、好きな世界観で書きました!という清々しさが全編に漂っており、読後感は意外に悪くなかったりする。結局このシリーズは二十年近く続いているわけで、一定のファンが存在し、作者的にも余程気に入っている作品なのであろう。

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