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『導きの星4 出会いの銀河』小川一水 更に物語の深みが増すシリーズ最終巻!


「導きの星」シリーズ全四巻、完結!

第一巻「目覚めの大地」 第二巻「争いの地平」第三巻「災いの空」と、毎週月曜日に続けてお届けしてきた、小川一水初期の名作『導きの星』シリーズの連続紹介も遂に最終巻。本日は、第四巻「出会いの銀河」をご紹介したい。

角川春樹事務所のハルキ文庫から、2003年に刊行されている作品である。少々マイナーなレーベルなので、書店では見つかりにくいかもしれない。が、紙の本が今でも普通に買えるので、探している方はAmazonなどのネット書店がおススメである。

導きの星IV 出会いの銀河 (ハルキ文庫)

おススメ度、こんな方におススメ!

おすすめ度:★★★★(最大★5つ)

ここまで来たら最後まで読むしかない!という方、種の進化、文明の発展を俯瞰するタイプのエスエフ作品が好みの方、エスエフ作家として小川一水がブレイクしていく初期の段階を見届けておきたい方におススメ!

あらすじ

宇宙へと進出したオセアノ文明は遂に観察官辻本司に対して叛旗を翻す。外宇宙との航法を我が物とした彼らは人類圏に進出。種としての衰退期に入っていた人類はその勢いを留めることが出来ない。しかし第三の勢力セントールの出現により事態は一変する。銀河系の勢力は三すくみ状態に陥る。事態を打開すべく司が進言した究極の選択とは。

ココからネタバレ

更に物語の幅が広がる!

ここに至って作品の構造に更なる底があったことに驚かされる。広げた大風呂敷は相当な大きさで、この段階で人智を越えた超知性体なんて存在を引っ張り出してきて、果たして収拾がつけられるのかどうか最初のうちは非常に不安だったのだが、この作者は見事にこの大風呂敷を畳み切ってみせている。見事な構成力と言うしかない。スゴイよ。

重いテーマに正面から向き合った良作!

美少女アシスタントを侍らせた、お気軽な惑星文明育成小説の側面を残しつつも、文明の発展と存亡、星間生命体同士の相克、種の繁栄と衰退みたいな重いテーマまでもが過不足なく丁寧に描き込まれていて正直驚嘆させられた。

数百年という長い年月を生きる観察官の視点を使うことで、種としての人類が迎えたターニングポイント、その決断の重さが読み手に生々しく伝わってくる。これってやはりエスエフならではの面白さだ。チキに始まりチキに終わる円環的な落とし方も素晴らしい。その瞬間、歴代耳折れちゃんが走馬燈のように脳裏を駆け抜けて泣きそうだったよ。見事な幕の下ろし方に感服なのであった。

導きの星IV 出会いの銀河 (ハルキ文庫)

導きの星IV 出会いの銀河 (ハルキ文庫)

  • 作者:小川一水
  • 発売日: 2020/07/15
  • メディア: Kindle版
 

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