方向模索中の本読みBlog

書評Blogの予定だけど、現在方向性模索中。基本ネタバレありなので注意してね。

ベニー松山「隣り合わせの灰と青春」(集英社/集英社スーパーファンタジー文庫)は今でも名作!

ゲームノベライズの先駆、ベニー松山のウィザードリー小説「隣り合わせの灰と青春」

隣り合わせの灰と青春―小説ウィザードリィ

隣り合わせの灰と青春―小説ウィザードリィ

 

30年前に刊行された作品だけれども、未だ色褪せないゲームノベライズの先駆にして、その域をはるかに超えてしまった傑作がこちら。

JICC出版(現在の宝島社)から発売されていた今は亡き『ファミコン必勝本』に1988年に連載されていた作品。その後単行本化されたものの絶版となり。1998年に十年振りにスーパーファンタジー文庫にて復刊されたのが本作。

 

あらすじ

狂える大君主トレボーの支配する城塞都市の地下には巨大な迷宮が広がっていた。そこにはトレボーから魔法の護符を盗み出した大魔導師ワードナが立て籠もっているのだ。トレボーによって招集された冒険者たちは打倒ワードナを目指し地下迷宮へと挑む。仲間を失ったスカルダたち一行もまた新たな決意を胸に戦場へと向かう。

ゲームの世界観の再現度が半端ない

ファミコン必勝本は当時から異常に「ウィザードリー」をプッシュしてまして、専用コーナー作ったり、小説連載したり(本作ね)、巻末にマンガを連載してみたりとすごい偏りようでした。この作品も全部連載で読んでました。ベニー松山はなんと二十歳でこれ書いてたんですね。今にして思えば驚きです。

超絶懐かしいです。ファミコン版ウィザードリーはわたしのゲーム人生中の最高傑作。このRPGのシナリオは実にシンプルで「ワードナから魔除けを取り戻すこと」だけ。パーティ構成も自由だし攻略手順も人それぞれ。誰もが自分だけのシナリオを脳裏に思い描きながら迷宮探索に励んだものです。

ゲームノベライズの嚆矢とも言える作品。呪文やアイテム、世界観に至るまでこれはウィザードリィやってないと何がなんだか訳がわからないかもしれない。もっともそれだけにウィザードリーのファンには嬉しい作品で、ゲームを判ってる人間でないと醸し出せないリアリティが作中からひしひしと感じられて実に楽しいのでした。

ただ、イラストはイマイチ

でも最後に苦言を一つ。文庫版のイラストは緒方剛志なんだけど、おいおい、ちゃんと読んで描いてるの?ってなくらいキャラクターが違います。ガディの体格は貧弱だし、ジャバは全然ジャバっぽくないし、ベリアルって顎髭生えてなかったっけ?ヴァンパイアロードのしょぼい姿にも幻滅なのだった。この時期の緒方剛志人気に安易に乗ったようにしか思えずこの点はかなり残念。

Kindle Unlimitedで今は読める

なお、この集英社スーパーファンタジー文庫版も当然現在では絶版だが、電子書籍版(幻想迷宮ノベル)として販売されている模様。しかもKindle Unlimited対応なので、未読だったら超絶おススメだと思うよ。

 

隣り合わせの灰と青春 (幻想迷宮ノベル)

隣り合わせの灰と青春 (幻想迷宮ノベル)