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『水滸伝10 濁流の章』北方謙三 ビバ呼延灼!ビバ連環馬!


北方謙三版「水滸伝」第十弾!

久しぶりの繁忙期モードで、先週は更新できなくてごめんなさい。

毎週月曜恒例(のはず)、北方謙三版「水滸伝」の連続感想、先々週の九巻に続いて本日は遂に第十巻。折り返し地点である。

単行本版は2003年に登場。

水滸伝 10 濁流の章

水滸伝 10 濁流の章

  • 作者:北方 謙三
  • 発売日: 2003/05/26
  • メディア: 単行本
 

集英社文庫版は2007年に刊行されている。

水滸伝 十 濁流の章 (集英社文庫)

おススメ度、こんな方におススメ!

おすすめ度:★★★★★(最大★5つ)

横山光輝版「水滸伝」の呼延灼登場シーン、連環馬の戦闘シーンに超興奮した方、強キャラ同士の集団戦闘を心ゆくまで堪能したい方におススメ!

あらすじ

呼延灼動く。辺境の地代州の名将が、梁山泊討伐の命を受け遂に出陣する。鍛え上げられた精兵を率いる呼延灼を相手に、晁蓋率いる梁山泊軍は堂々たる陣を敷き、正面対決の構えを見せる。じりじりと続く対峙の時。両軍の緊張が極限にまで高まったとき、決戦の時が訪れる。呼延灼の秘策"連環馬"の圧倒的な破壊力に梁山泊軍は蹂躙されていくのだが……。

ここからネタバレ

ビバ呼延灼!ビバ連環馬!

折り返し点を過ぎた第十巻はまるまる使ってのVS呼延灼編。水滸伝史上屈指の名勝負の一つですな。横山水滸伝でも印象的なエピソードだっただけに、ようやくこれが来たかという思いが強い。

呼延灼は官軍きっての名将でありながらエリートの禁軍務めを嫌い、あえて辺境の地代州での任務を選んだ人物。鍛え上げられたその兵士たちはまさに宋軍中の最精鋭。これまで弱敵ばかりを相手にしてきた梁山泊が、初めて迎える対等以上の敵。ひょっとしたら、ここで晁蓋は死んでしまうのではないかと本気で心配した(だって北方版だから何が起こるか分からない)。

「なぎ払う」快感

呼延灼軍の猛攻は、晁蓋の自信や、呉用先生の自負心を木っ端微塵に粉砕してしまう。敵中に取り残され死地に陥った晁蓋を、李逵、武松、燕青の三人が獅子奮迅の働きで守りきる。うはー、これは格好良すぎる。なんという超人ぶり。

個人戦闘能力では梁山泊中ベスト10には入るであろう連中が束になって登場すると、名前無しの雑魚キャラでは勝負になりませんな。三国無双敵な「なぎ払う」快感を活字で味わえるのは北方作品ならではの愉悦と言えるだろう。

ついに「戦死者」の欄が!

しかし人が死ぬ死ぬ。死亡シーンすら無く死んでいく名のある者達の姿が哀れを誘う。前の巻で仲間になったばかりの奴もいるんだぜ。よく見てみたら、冒頭の人物紹介に「戦死者」の欄が出来てる!こんなコーナーがある小説は北方水滸伝だけだろう。いっそ梁山泊聚義庁にある木の札みたいにビジュアル的に判りやすくしてくれるとありがたいのだけどね。

水滸伝 十 濁流の章 (集英社文庫)

水滸伝 十 濁流の章 (集英社文庫)

  • 作者:北方謙三
  • 発売日: 2012/09/28
  • メディア: Kindle版
 

続巻『水滸伝11 天地の章』の感想はこちらからどうぞ

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