ネコショカ

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2023年に読んで面白かった新書・一般書10選

『嫉妬と階級の『源氏物語』』大塚ひかり

乙一

『さみしさの周波数』乙一、最後のスニーカー文庫作品

「白い方」の乙一作品集 2003年作品。乙一(おついち)としては10作目の作品である。せつない系の短編群が集められた初期白乙一を代表する作品の一つと言える。 4編目の『失はれた物語』のみ書き下ろしで、それ以外は角川書店のライトノベル誌「ザ・スニーカ…

『銃とチョコレート』乙一のミステリーランド参加作品

乙一ひさしぶりの新作だった(当時) 2006年刊行作品。2003年に登場した『ZOO』以降、乙一はしばらく新刊が出ない時期があって、本作は三年ぶりの作品だった。 で、久しぶりの新刊は講談社のミステリーランドからの登場である。このシリーズは異常なまでに装…

『失はれる物語』乙一 初期乙一のベストアルバム的な作品集

白乙一の初期代表作を収録 2003年刊行作品。既刊であった『きみにしか聞こえない』『さみしさの周波数』『失踪HOLIDAY』の中から五作品を抜粋、更に書き下ろしを一編(「マリアの指」)を加えて、単行本化したのが本書。 各編の初出は以下の通り。 『きみに…

『悪夢制御装置』はライトノベル×ホラーの越境アンソロジー

スニーカー・ミステリ倶楽部のアンソロジーシリーズ第五弾 2002年刊行。短命に終わったスニーカー・ミステリ倶楽部だが、ライトノベルユーザに向けのミステリ啓蒙本として、一般作家によるアンソロジー(短編集)を数冊刊行していた。 ラインナップは以下の通…

『殺人鬼の放課後』はスニーカー・ミステリ倶楽部発のミステリアンソロジー

今週のお題「読書の秋」にエントリします! 短命に終わったスニーカー・ミステリ倶楽部 2001年に登場した、角川スニーカー文庫内のミステリレーベルが、スニーカー・ミステリ倶楽部だ。でも、結局あまりうまくいかなくて、数年で消えてしまったはず。同時期に…

『死にぞこないの青』乙一 小学校時代の暗黒感をもういちど

乙一の第七作品 2001年刊行作品。『夏と花火とわたしの死体』『天帝妖狐』『石ノ目(平面いぬ。)』『暗黒童話』『失踪Holiday』『君にしか聞こえない』に続く七作目。文庫化含め、2001年はやたらに乙一(おついち)作品が刊行された年だった。大学を卒業し…

『平面いぬ。』乙一 初期のファンタジー、ホラー短編集

ノベルス版と文庫版でタイトルが違う 2000年刊行作品。集英社としては珍しいノベルススタイルでの登場であった(当時)。この時点でのタイトルは『石ノ目』。乙一(おついち)作品としては、『夏と花火と私の死体』『天帝妖狐』に続く三作目。 石ノ目 作者:…

『失踪HOLIDAY』乙一 白い方の乙一、初期作品

乙一初のスニーカー文庫作品 2000年刊行作品。 乙一(おついち)としては四作目の作品。JUMP j BOOKSの『夏と花火と私の死体』でデビューし、その後集英社メインで作品を発表してきたこの作家としては、初めての他社作品ということになる。もちろんスニーカ…

『天帝妖狐』乙一、文庫版が全くの別作品に!

乙一、二作目の作品 1998年刊行作品。『夏と花火と私の死体』に続く乙一の第二作となる。JUMP j BOOKSからの登場。「A MASKED BALL」はジャンノベルVol-12(1997/5/4号)、「天帝妖狐」はジャンノベルVol-13(1997/9/15号)にそれぞれ掲載されていた作品であ…