ネコショカ

毎日夜20時更新。ネコショカは猫の書架
雑食系の書評Blogです。なんでも節操なく読んでます
基本ネタバレありなので注意してね

歴史小説

『水滸伝4 道蛇の章』北方謙三

北方謙三版「水滸伝」第四弾! 2001年刊行作品。北方謙三版「水滸伝」の連続レビュー。先週の第三巻に続いて、今回は第四巻「道蛇の章」である。 水滸伝 4 道蛇の章 作者:北方 謙三 発売日: 2001/05/25 メディア: 単行本 集英社文庫版は2007年に刊行されてい…

『水滸伝3 輪舞の章』北方謙三 敵が賢くて強い歴史小説は面白い

北方謙三版「水滸伝」第三弾! 2000年に刊行作品。月曜恒例、北方謙三版「水滸伝」のレビューだが、先週の第二巻に続いて、今回は第三巻「輪舞の章」である。 水滸伝 3 輪舞の章 作者:北方 謙三 発売日: 2000/11/24 メディア: 単行本 集英社文庫版は2006年に…

『水滸伝2 替天の章』北方謙三 林冲の強さがチート過ぎる!

北方謙三版「水滸伝」第二弾! 2000年刊行作品。当面、毎週月曜日は北方謙三版「水滸伝」のレビューを一巻ずつお届けしていく。先週の第一巻に続いて、今回はその続きである。 水滸伝 2 替天の章 作者:北方 謙三 発売日: 2000/10/26 メディア: 単行本 集英社…

『水滸伝1 曙光の章』北方謙三オリジナルの「水滸伝」を味わい尽くせ!

「北方水滸」のレビューを始めるよ! 2000年刊行作品。作者の北方謙三(きたかたけんぞう)は1947年生まれ。ハードボイルド小説の書き手としてスタートしたが、1990年代から歴史小説のジャンルにも進出。多くの傑作を残している。 本作は1999年~2005年まで…

『女信長』佐藤賢一 織田信長女体化の先駆的作品

2006年刊行。信長女体化モノの先駆け作品!佐藤賢一初の日本史作品『女信長』の感想。考察。 信長が実は女だった!というトンデモ視点で既存の信長物語を綺麗にひっくりかえして見せた作品です。

『信長あるいは戴冠せるアンドロギュヌス』宇月原晴明、衝撃のデビュー作

第11回日本ファンタジーノベル大賞受賞作品 1999年刊行作品。第11回日本ファンタジーノベル大賞受賞作品。宇月原晴明のデビュー作である。宇月原晴明(うつきばらはるあき)は1963年生まれ。デビューまでに第六回三田文学新人賞を受賞。永原孝道名義で、詩歌…

『関ヶ原連判状』安部龍太郎 直木賞作家の出世作

安部龍太郎のブレイク作品 1996年刊行作品。作者の安部龍太郎(あべ りゅうたろう)は1955年生まれ。1987年にデビューして、ほぼ一貫して歴史小説の書き手として活躍している。2012年には織豊政権下で活躍した絵師、長谷川等伯の生涯を描いた『等伯』で直木…

『われはフランソワ』山之口洋 詩人フランソワ・ヴィヨンの一代記

山之口洋の第三作 2001年刊行作品。『オルガニスト』で第10回日本ファンタジーノベル大賞の大賞を受賞した山之口洋(やまのぐちよう)の三作目。 単行本のみで文庫化はされていない。 あらすじ 15世紀初頭。フランス。ジャンヌ・ダルクが焼かれた年に生まれた…

『天王船』宇月原晴明『黎明に叛くもの』外伝が素晴らしい!

『黎明に叛くもの』の外伝的な作品 2006年刊行作品。先日紹介した『黎明に叛くもの』の外伝。 分冊(ノベルズ)版の『黎明に叛くもの』4冊にそれぞれ入っていた外伝作品を文庫一冊にまとめたものが本書。単独で読んでも楽しめるとは思うが、やはり本編を先に…

『黎明に叛くもの』宇月原晴明の三作目は松永久秀の一代記

宇月原晴明の第三作 2003年刊行。『信長あるいは戴冠せるアンドロギュヌス』『聚楽 太閤の錬金窟(グロッタ)』に続く、宇月原晴明(うつきばら はるあき)三作目の作品。 美しい装丁に惚れ惚れ。このハードカバー版が出て、わずか三ヶ月後に四分冊のノベル…

『壬生義士伝』浅田次郎 守銭奴と蔑まれた新撰組隊士の物語

浅田次郎、初の時代小説 2000年刊行作品。もともとは「文藝春秋」誌に1998年~2000年にかけて連載されていたもの。タイトルの『壬生義士伝』は「みぶぎしでん」と読む。 日本を舞台とした歴史小説は、浅田次郎としては初めての作品となる。第13回の柴田錬三…

『聚楽 太閤の錬金窟(グロッタ)』宇月原晴明の二作目 伝奇小説好き必読の一作

宇月原晴明の二作目は太閤秀吉と秀次の物語 本作は2002年刊行。第11回日本ファンタジーノベル大賞を受賞した『信長あるいは戴冠せるアンドロギュヌス』に続く宇月原晴明(うつきばらはるあき)の二作目である。分量にして約二倍、568ページの圧倒的な長大ボ…

『安徳天皇漂海記』宇月原晴明 漂泊する安徳帝、その奇想に痺れる

山本周五郎賞受賞作品 2006年刊行作品。本日ご紹介するのは宇月原晴明(うつきばら はるあき)の「安徳天皇漂海記」である。この年の山本周五郎賞受賞作品を受賞している。 宇月原晴明は1963年生まれ『信長 あるいは戴冠せるアンドロギュヌス』で、第11回日…

『鬼憑き十兵衛』大塚已愛 成長物語、ボーイミーツガール、伝奇小説の愉しみ、全てがここにある!

2018年の日本ファンタジーノベル大賞受賞作 2019年刊行作品。大塚已愛(おおつかいちか)のデビュー作である。2018年の日本ファンタジーノベル大賞受賞作だ。ちなみに応募時タイトルは『勿怪の憑』。 作者の大塚已愛は『ネガレアリテの悪魔 贋者たちの輪舞曲…

『黒い悪魔』佐藤賢一 黒い肌を持つフランス人将軍の物語

フランス革命を舞台とした立身出世物語 2002年刊行作品。「オール讀物」の2002年1月号から12月号に連載されていた作品を単行本化したものである。 黒い悪魔 作者: 佐藤賢一 出版社/メーカー: 文藝春秋 発売日: 2003/08/08 メディア: 単行本 購入: 1人 クリッ…

『 ジャガーになった男』佐藤賢一 戦国時代の武士がスペインに!

佐藤賢一のデビュー作 1994年刊行作品。第6回小説すばる新人賞受賞作で、佐藤賢一のデビュー作である。もう四半世紀も前の作品かと思うと、なかなかに感慨深い。 佐藤賢一は1968年生まれ。山形大学卒業後、東北大学文学の大学院へ進学。本作は同院在学中に受…

『新選組血風録』司馬遼太郎による新撰組オールスター短編集

半世紀以上前に書かれた司馬遼太郎の傑作 1964年刊行作品。1962年に「小説中央公論」誌に連載されていた作品である。 さすがに当時の書籍はAmazonでも売っていないので、新装改版の方をリンク。 新装改版 新選組血風録 作者: 司馬遼太郎 出版社/メーカー: 中…

『ベルリンは晴れているか』深緑野分、弱者が弱者を虐げる世界で

2019年の本屋大賞第3位 2018年刊行作品。直木候補作、2019年の本屋大賞第3位にランクインした作品である。 作者の深緑野分(ふかみどりのわき)は1983年生まれ。東京創元社の公募新人賞「ミステリーズ!新人賞」に応募した『オーブランの少女』が佳作入選し…

池宮彰一郎『島津奔る』島津視点で描いた関ヶ原合戦

現在では入手困難な作品 1998年刊行作品。池宮彰一郎としては六作目の作品。 池宮彰一郎は1923年生まれ。脚本家として映画、テレビドラマの世界で活躍。1992年の映画化もされた『四十七人の刺客』から小説家としても活躍を開始した。 新潮文庫版は2001年に登…

赤神諒『大友二階崩れ』義と愛どちらを選ぶべきか?

第9回日経小説大賞受賞作 2018年刊行作品。第9回の日経小説大賞の受賞作である。作者の赤神諒(神は旧字)は1972年生まれ。本名は、越智敏裕。上智大学法科大学院の現役教授で、弁護士。 赤神諒の恐ろしいところは、デビュー後の異常な量産ぶりである。本作…

阿部暁子『室町繚乱 義満と世阿弥と吉野の姫君』が面白い!

阿部暁子初の一般レーベル作品 2018年刊行作品。集英社文庫での描き下ろしである。 作者の阿部暁子は1985年生まれ。これまで集英社コバルト文庫や、オレンジ文庫で作品を上梓して来た阿部暁子としては、初の一般向けレーベルからの作品刊行となる。歴史小説…

うらぶれたオッサンが頑張る話に昂る『王妃の離婚』

佐藤賢一の直木賞受賞作 1999年刊行作品。佐藤賢一の五作目。第121回の直木賞受賞作である。ちなみに同時受賞タイトルは、桐野夏生の『柔らかな頬』であった。 1994年に書かれた佐藤賢一のデビュー作、『ジャガーになった男』は戦国時代にスペインに渡った一…

木下昌輝『宇喜多の捨て嫁』はピカレスク歴史小説の良作

木下昌輝のデビュー作 作者の木下昌輝は1974年生まれ。『宇喜多の捨て嫁』がオール讀物新人賞を受賞してデビュー。本作は2014年刊行で、第152回直木賞候補作(西加奈子『サラバ!』が受賞した)。その他に、歴史時代作家クラブ賞、舟橋聖一文学賞、高校生直…

佐藤賢一『赤目のジャック』~フランス中世最大の農民反乱の顛末

単行本から文庫になる際にタイトルが変わっている 1998年刊行。『ジャガーになった男』『傭兵ピエール』に続く佐藤賢一の三作目。 1997年~1998年にかけて雑誌「鳩よ!」に連載されていた作品が『赤目 ジャックリーの乱』というタイトルでマガジンハウスから…

『高丘親王航海記』澁澤龍彦最後の作品を解説!親王の足跡マップ付

澁澤龍彦、最後の作品。あらすじと各エピソードごとのネタバレ感想を掲載。ざっくり地図付き。マンガ版の情報もあり。喉頭癌という死病に苦しんでいた、澁澤龍彦自身の葛藤が主人公の高丘親王に多分に投影されている。次第にその肉体は病み衰えて行くが、反…

希代の朱印船貿易家の物語、飯嶋和一『黄金旅風』

希代の朱印船貿易家、末次平左衛門(二代目平蔵)の物語 2004年刊行。飯嶋和一の五作目の作品。 小学館文庫版は2008年に登場。 黄金旅風 (小学館文庫) 作者: 飯嶋和一 出版社/メーカー: 小学館 発売日: 2008/02/06 メディア: 文庫 購入: 1人 クリック: 39回 …

江戸時代に空を飛んだ男、鳥人幸吉の一代記『始祖鳥記』

江戸時代に空を飛んだ男がいた 2000年刊行作品。飯嶋和一(かずいち)としては、四作目の作品。 2002年に小学館文庫より文庫版がリリースされている。 始祖鳥記 (小学館文庫) 作者: 飯嶋和一 出版社/メーカー: 小学館 発売日: 2002/11/06 メディア: 文庫 購…

『室町少年草子』室町ファン感涙、コバルト文庫で南北朝時代!阿部暁子

阿部暁子の第二作 2009年刊行。作者の阿部暁子は1985年生まれ。 かつて集英社のコバルト文庫で主催していた、今は亡きロマン大賞の出身者だ。 2008年に刊行されたデビュー作の『屋上ボーイズ』は公募賞であるロマン大賞の応募作なので、受賞後の第一作が本作…

鈴木英治のデビュー作「義元謀殺」希少な今川視点の戦国モノ

角川春樹小説賞の特別賞受賞作品 義元謀殺 上 (ハルキ文庫 す 2-25 時代小説文庫) 作者: 鈴木英治 出版社/メーカー: 角川春樹事務所 発売日: 2010/09/15 メディア: 文庫 この商品を含むブログ (1件) を見る 義元謀殺 下 (ハルキ文庫 す 2-26 時代小説文庫) …

佐藤賢一「カルチェ・ラタン」は16世紀のパリを舞台とした連作短編小説

16世紀のパリを舞台とした成長物語 カルチェ・ラタン (集英社文庫) 作者: 佐藤賢一 出版社/メーカー: 集英社 発売日: 2003/08/20 メディア: 文庫 購入: 2人 クリック: 8回 この商品を含むブログ (16件) を見る 2000年作品。佐藤賢一、七作目の作品。お得意の…