ネコショカ

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『ヤンキーと地元』打越正行
暴走族研究のため20年パシリとして潜入!

歴史小説

『 ジャガーになった男』佐藤賢一 戦国時代の武士がスペインに!

佐藤賢一のデビュー作 1994年刊行作品。第6回小説すばる新人賞受賞作で、佐藤賢一(さとうけんいち)のデビュー作である。もう三十年近くも前の作品かと思うと、なかなかに感慨深い。 佐藤賢一は1968年生まれ。山形大学卒業後、東北大学文学の大学院へ進学。…

『聚楽 太閤の錬金窟(グロッタ)』宇月原晴明の二作目 伝奇小説好き必読の一作

宇月原晴明の二作目は太閤秀吉と秀次の物語 本作は2002年刊行。第11回日本ファンタジーノベル大賞を受賞した『信長あるいは戴冠せるアンドロギュヌス』に続く宇月原晴明(うつきばらはるあき)の二作目である。分量にして約二倍、568ページの圧倒的な長大ボ…

『黒い悪魔』佐藤賢一 黒い肌を持つフランス人将軍の物語

フランス革命を舞台とした立身出世物語 2002年刊行作品。文藝春秋の小説誌「オール讀物」の2002年1月号から12月号に連載されていた作品を単行本化したものである。 黒い悪魔 作者:佐藤 賢一 文藝春秋 Amazon 文春文庫版は2010年に登場している。 おススメ度…

『十一番目の志士』司馬遼太郎 長州の暗殺剣、天童晋助の生涯を描いた作品

司馬遼太郎の幕末モノ 文芸春秋の週刊誌『週刊文春』に1965年から1966年にかけて連載されていた作品をまとめたもの。 単行本版は1967年刊行。 十一番目の志士 作者:司馬 遼太郎 文藝春秋 Amazon 最初の文春文庫版は1974年に刊行されている。文庫化に際して上…

『安徳天皇漂海記』宇月原晴明 漂泊する安徳帝、その奇想に痺れる

山本周五郎賞受賞作品 2006年刊行作品。本日ご紹介するのは宇月原晴明(うつきばら はるあき)の「安徳天皇漂海記(あんとくてんのうひょうかいき)」である。この年の山本周五郎賞受賞作品を受賞している。 宇月原晴明は1963年生まれ『信長 あるいは戴冠せ…

『宇喜多の捨て嫁』木下昌輝 宇喜多直家を軸としたピカレスク歴史小説の良作

木下昌輝のデビュー作 作者の木下昌輝(きのしたまさき)は1974年生まれ。本作『宇喜多の捨て嫁』がオール讀物新人賞を受賞してデビュー。2014年刊行で、第152回直木賞候補作(西加奈子『サラバ!』が受賞した)。その他に、歴史時代作家クラブ賞、舟橋聖一…

『室町繚乱 義満と世阿弥と吉野の姫君』阿部暁子 南朝の姫と人々の想い

阿部暁子初の一般レーベル作品 2018年刊行作品。集英社文庫での描き下ろしである。 作者の阿部暁子(あべあきこ)は1985年生まれ。これまで集英社コバルト文庫や、オレンジ文庫で作品を上梓して来た阿部暁子としては、初の一般向けレーベルからの作品刊行と…

『弟切抄 鎌倉幕府草創記』森山光太郎 源範頼の視点で鎌倉幕府のはじまりを読み解く

『隷王戦記』の森山光太郎が描いた鎌倉モノ。 源範頼が主人公なので、蒲殿ファンの方は必読です。「鎌倉殿」との解釈の違いも楽しい。 #読了

『ナポレオンの勇者たち』リチャード・ハワード 邦訳版は二巻で打ち切られてショック!

『ナポレオンの勇者たち』シリーズとは? 本日お届けするのはリチャード・ハワードの『ナポレオンの勇者たち』シリーズである。リチャード・ハワードは1958年生まれの英国人作家。ホラー系のジャンルを得意しているショーン・ハトスンの別名義作品である。 Abe…

『はなとゆめ』冲方丁 清少納言と中宮定子、『枕草子』誕生の物語

冲方丁、三作目の歴史小説 2013年刊行作品。冲方丁(うぶかたとう)は、2009年の『天地明察(てんちめいさつ)』から歴史小説を書くようになった。2012年には二冊目の歴史小説となる『光圀伝』を上梓。そして三作目の歴史小説となるのが本作『はなとゆめ』で…

『ベルリンは晴れているか』深緑野分、弱者が弱者を虐げる世界で

2019年の本屋大賞第3位、直木候補作 2018年刊行作品。直木候補作、2019年の本屋大賞第3位にランクインした作品である。 その他、この年のミステリ系各ランキングで、『このミステリーがすごい! 』が第2位、『週刊文春』ミステリーベスト10 で第3位、「ミス…

『八本目の槍』今村翔吾 人生は選択の連続、もう同じ夢はみられない

ブレイク目前、今村翔吾の話題作 今村翔吾(いまむらしょうご)は1984年生まれの、時代小説、歴史小説作家である。デビュー作は2017年の『火喰鳥』(羽州ぼろ鳶組シリーズ)。2019年の『童の神』、2020年の『じんかん』がそれぞれ直木賞候補作に。そして2021…

『女信長』佐藤賢一 織田信長女体化の先駆的作品

2006年刊行。信長女体化モノの先駆け作品!佐藤賢一初の日本史作品『女信長』の感想。考察。 信長が実は女だった!というトンデモ視点で既存の信長物語を綺麗にひっくりかえして見せた作品です。

『信長あるいは戴冠せるアンドロギュヌス』宇月原晴明、衝撃のデビュー作

第11回日本ファンタジーノベル大賞受賞作品 1999年刊行作品。第11回日本ファンタジーノベル大賞受賞作品。宇月原晴明のデビュー作である。宇月原晴明(うつきばらはるあき)は1963年生まれ。デビューまでに第六回三田文学新人賞を受賞。永原孝道名義で、詩歌…

『鬼憑き十兵衛』大塚已愛 成長物語、ボーイミーツガール、伝奇小説の愉しみ、全てがここにある!

2018年の日本ファンタジーノベル大賞受賞作 2019年刊行作品。大塚已愛(おおつかいちか)のデビュー作である。2018年の日本ファンタジーノベル大賞受賞作だ。ちなみに応募時タイトルは『勿怪の憑』。 表紙イラストは獅子猿(ししざる)によるもの。 作者の大…

『室町少年草子 獅子と暗躍の皇子』阿部暁子 室町ファン感涙、コバルト文庫で南北朝時代!

阿部暁子の第二作 2009年刊行。作者の阿部暁子(あべあきこ)は1985年生まれ。 かつて集英社のコバルト文庫で主催していた、今は亡きロマン大賞の出身者だ。 2008年に刊行されたデビュー作の『屋上ボーイズ』は公募賞であるロマン大賞の応募作なので、受賞後…

『黒牢城』米澤穂信 祝・直木賞受賞!荒木村重✖黒田官兵衛の歴史ミステリ

昨年の8月に書いた記事ですが、祝・直木賞受賞!ということで、ちょこっと書き足してリライトしました。特別お題「わたしの推し」にも便乗して、米澤穂信作品の魅力を伝えたい! 米澤穂信の歴史ミステリが登場 2021年刊行作品。タイトルの『黒牢城』は「こく…

『幕末遊撃隊』池波正太郎 隻腕の剣士、伊庭八郎の生涯

実は池波作品の感想を書いていなかった 池波作品このブログでとりあげるのは実は初めてか(ちょっと意外)。池波正太郎(いけなみしょうたろう)は、もはや説明不要かと思われるが、1923年生まれの歴史小説作家。 もともと大好きな作家なひとりで『真田太平…

『新選組血風録』司馬遼太郎による新撰組オールスター短編集

半世紀以上前に書かれた司馬遼太郎の傑作 1964年刊行作品。1962年に「小説中央公論」誌に連載されていた作品である。 さすがに当時の書籍はAmazonでも売っていないので、新装改版の方をリンク。 新装改版 新選組血風録 作者: 司馬遼太郎 出版社/メーカー: 中…

『大友二階崩れ』赤神諒 義と愛どちらを選ぶべきか?

第9回日経小説大賞受賞作 2018年刊行作品。第9回の日経小説大賞の受賞作である。作者の赤神諒(あかがみりょう、神は旧字)は1972年生まれ。本名は、越智敏裕。上智大学法科大学院の現役教授で、弁護士。 大友二階崩れ 作者:赤神 諒 日本経済新聞出版 Amazon…

『老虎残夢』桃野雑派 武俠小説×本格ミステリ×歴史小説×〇〇

第67回江戸川乱歩賞受賞作品 2021年刊行作品。タイトルの『老虎残夢』は「ろうこざんむ」と読む。作者の桃野雑派(もものざっぱ)は1980年生まれ。本作にて第67回江戸川乱歩賞を受賞し、作家デビューを果たしている。同時受賞作は伏尾美紀(ふせおみき)の『…

『義元謀殺』鈴木英治のデビュー作は希少な今川視点の戦国モノ

角川春樹小説賞の特別賞受賞作品 第一回角川春樹小説賞の特別賞受賞作品。2000年刊行作品。 著者の鈴木英治(すずきえいじ)は1960年生まれ。早々と二回目で休止状態になってしまっている角川春樹小説賞出身というのは、作家業の振り出しとしてはどうなんだ…

『信長の棺』加藤廣 サラリーマン夢のリタイア生活を描く

75歳作家のデビュー作 2005年刊行作品。作者の加藤廣(かとうひろし)は1930年生まれ。東大法卒。中小企業金融公庫⇒山一証券⇒フリー。そして小説家に。なんとデビュー時で75歳! 昔はいろいろな経歴を経てから、中年以降に作家デビューってパターンは多かっ…

『始祖鳥記』飯嶋和一 江戸時代に空を飛んだ男、鳥人幸吉の一代記

江戸時代に空を飛んだ男がいた 2000年刊行作品。飯嶋和一(かずいち)としては、四作目の作品。 2002年に小学館文庫より文庫版がリリースされている。 始祖鳥記 (小学館文庫) 作者: 飯嶋和一 出版社/メーカー: 小学館 発売日: 2002/11/06 メディア: 文庫 購…

『天地人』火坂雅志 2009年NHK大河ドラマの原作小説

大河ドラマの原作小説 2003年から2006年にかけて新潟日報他、複数の新聞紙面に掲載された作品を加筆修正の上でまとめたもの。2006年刊行。単行本版は日本放送出版協会から刊行されている。2008年NHK大河ドラマの原作小説である。天の巻、地の巻、人の巻の三…

『黄金旅風』飯嶋和一 希代の朱印船貿易家の物語

末次平左衛門(二代目平蔵)の物語 2004年刊行。飯嶋和一(いいじま かずいち)の五作目の作品。 黄金旅風 作者:飯嶋 和一 小学館 Amazon 小学館文庫版は2008年に登場している。 飯嶋和一は1988年デビューなのに、本書刊行時の2004年でようやく五作目!なん…

『赤目のジャック』佐藤賢一 フランス中世最大の農民反乱の顛末

文庫になる際にタイトルが変わっている 1998年刊行作品。『ジャガーになった男』『傭兵ピエール』に続く佐藤賢一の三作目である。 1997年~1998年にかけて雑誌「鳩よ!」に連載されていた作品が『赤目 ジャックリーの乱』というタイトルでマガジンハウスから…

『天地明察』冲方丁 第7回本屋大賞受賞作

冲方丁の大ブレイク作品 2009年刊行作品。角川書店の文芸誌『野性時代』に2009年1月号から7月号まで連載されていた作品をまとめたもの。本作で冲方丁(うぶかたとう)は、第7回本屋大賞、及び、第31回吉川英治文学新人賞を受賞。また、第143回直木賞の候補作…

『世に棲む日日』司馬遼太郎 吉田松陰と高杉晋作、長州の二人の英雄を描く

司馬遼太郎の長州モノ 1971年刊行作品。1969年2月から1970年12月にかけて朝日新聞社の「週刊朝日」に連載されたていた作品をまとめたもの。タイトルは『世に棲む日日』であって、『世に棲む日々』ではないので注意。 現在は文春文庫版(改版)が世に出ており…

『島津奔る』池宮彰一郎 島津家視点で描いた関ヶ原合戦

現在では入手困難な作品 1998年刊行作品。池宮彰一郎(いけみやしょういちろう)としては六作目の作品。 池宮彰一郎は1923年生まれ。脚本家として映画、テレビドラマの世界で活躍。1992年の映画化もされた『四十七人の刺客』から小説家としても活躍を開始し…