2021-09-01から1ヶ月間の記事一覧
75歳作家のデビュー作 2005年刊行作品。作者の加藤廣(かとうひろし)は1930年生まれ。東大法卒。中小企業金融公庫⇒山一証券⇒フリー。そして小説家に。なんとデビュー時で75歳! 昔はいろいろな経歴を経てから、中年以降に作家デビューってパターンは多かっ…
X文庫時代の小野不由美作品のレビューを書いてみる 先日、帰省した際に実家の本棚を片づけていたところ、初期の小野不由美作品を多数発見した。これは手元に置いておくべきだろうと、自宅に持ち返って来た。1980年代後半から、1990年代に刊行された作品群で…
稲羽白菟の三作目 2021年刊行作品。作者の稲羽白菟(いなばはくと)は1975年生まれ。2016年に、『合邦の密室』が、第九回島田荘司選ばらのまち福山ミステリー文学新人賞の準優秀作を受賞。2018年に同作で作家デビューを果たしている。その後、2020年に第二作…
『空ノ鐘の響く惑星で』全巻の感想を集約した タイトルの読みは「そらのかねのひびくほしで」。2003年から始まって2007年に完結した渡瀬草一郎(わたせそういちろう)の代表作だ。愛称は「空鐘(そらかね)」。本編12冊+外伝1冊の大長編作品である。この話…
レディ・アストロノートシリーズの長編二作目 2021年刊行作品。作者のメアリ・ロビネット・コワル(Mary Robinette Kowal)は1969年生まれのアメリカ人作家。オリジナルの米国版は2018年に刊行されており原題は『The Fated Sky』である。 昨年紹介した『宇宙(…
『沈黙』と併せて読みたい一作 2000年刊行。書き下ろし。古川日出男(ふるかわひでお)の四作目。 前作である『沈黙』に少しだけ言及されていて、その後作中でのフォローが無かったアビシニアン少女についての物語。 2003年に登場した文庫版では『沈黙/アビ…
詠坂雄二が描く終末の世界 2016年刊行作品。詠坂雄二(よみさかゆうじ)としては10作目。前作の『ナウ・ローディング』が2014年刊行だったので、当時としては二年ぶりの新作ということになる。英語タイトルは「MOVER」。 単行本版のカバー超怖いんですけど………
久しぶりにブログのお話。本日は、読書(書評、本感想)ブログにおける「リライト」について書いてみたいと思います。 過去に書いた感想記事を「リライト」してみよう あなたの読書感想記事、書いてそのままにしてませんか? このブログを定期的に読んでいた…
三年ぶりのシリーズ最新作『さよならも言えないうちに』が出たので、過去記事をちょっとだけリライトの手抜き更新二回目(ということは三回目もある)。 『コーヒーの冷めないうちに』の続編が登場 2017年刊行。『コーヒーの冷めないうちに』シリーズの二作…
谷川俊太郎74歳の感性 2005年刊行作品。谷川俊太郎(たにかわしゅんたろう)は1931年生まれなので74歳の時の詩集ということになる。初出は一番古いもので1993年。多くは2000年代の前半に書かれている。70代(当時)でこの感性はすごい。 なお、谷川俊太郎は…
久しぶりに新刊が出た! シリーズ四作目。三年ぶりの新作となる『さよならも言えないうちに』が刊行されたので、『コーヒーが冷めないうちに』シリーズを再度ご紹介したい。 オリジナルは演劇作品だった シリーズ一作目となる『コーヒーが冷めないうちに』は…
メフィスト賞受賞作を地道に紹介していくシリーズ。本日はこちら! 目指すは全作紹介!だが、現時点でも63作もあるので道は遠い(だいたい未読作品が半分近くある)。 イヤミスの旗手のデビュー作 2005年刊行。第32回メフィスト賞受賞作品。いまや、イヤミス…
恩田陸のディストピア学園モノ 2002年刊行作品。早川書房「SFマガジン」の1999年3月号から2000年6月号にかけて掲載されたものを大幅に加筆修正。ハヤカワSFシリーズJコレクションの一冊として刊行されている。カバーイラストはおがわさとし。 ロミオとロミオ…
三雲岳斗の「エスエフ×ミステリ」作品 2000年刊行作品。『M.G.H 楽園の鏡像』 で第1回日本SF大賞新人賞を受賞した三雲岳斗(みくもがくと)のSFミステリの第二弾。この時点では9作目の作品。『M.G.H 楽園の鏡像』 の前日譚的な内容となっている。 イラストは…
岡嶋二人、最後の作品 1989年刊行作品。最初の単行本は懐かしの新潮ミステリー倶楽部からの登場だった。 クラインの壷 (新潮ミステリー倶楽部) 作者:岡嶋 二人 新潮社 Amazon 新潮文庫版は1993年に登場。個人的にはこのカバーデザインがいちばんしっくり来る…
雨穴著『変な家』、人気のホラー、不動産ミステリのあらすじ、ネタバレあり感想、考察(ツッコミ)記事です。
第26回山本周五郎賞受賞作品 2012年刊行。書下ろし作品。タイトルの『残穢』は「ざんえ」と読む。カバー装画は司修が担当。第26回の山本周五郎賞を受賞している。 残穢 作者:小野 不由美 新潮社 Amazon 新潮文庫版は2015年に登場しており、現在読めるのはこ…
乙一の第七作品 2001年刊行作品。『夏と花火とわたしの死体』『天帝妖狐』『石ノ目(平面いぬ。)』『暗黒童話』『失踪Holiday』『君にしか聞こえない』に続く七作目。文庫化含め、2001年はやたらに乙一(おついち)作品が刊行された年だった。大学を卒業し…
本感想、読書ブログはリライトが大切 今週のお題「サボる」に便乗。もうひとつのブログ(非小説系書籍感想)と合わせて、どちらか必ず一方は毎日更新しているようにしているわたくし。 毎日来ていただいている方はお気づきかと思うけど、、当ブログでは旧記…