ネコショカ

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2023年に読んで面白かった新書・一般書10選

『嫉妬と階級の『源氏物語』』大塚ひかり

民俗

『骨灰(こっぱい)』冲方丁 東京の地下には地獄が眠っている

冲方丁、初の長編ホラー作品が登場 2022年刊行作品。KADOKAWAの小説誌「野生時代」の2021年9月号~2022年7月号にかけて連載されていた作品をまとめたもの。 作者の冲方丁(うぶかたとう)は1977年生まれの小説家。日本SF大賞を受賞した『マルドゥック・スク…

『黒祠の島』小野不由美 閉ざされた島で起きる猟奇殺人

明治の寺社統制に背いた島の物語 2001年刊行作品。タイトルの『黒祠の島』は「こくしのしま」と読む。 まずは祥伝社のノン・ノベルから新書版で登場。 黒祠の島 (ノン・ノベル) 作者:小野 不由美 メディア: 新書 2004年に祥伝社文庫版が登場した。 黒祠の島 …

『残穢(ざんえ)』小野不由美 残る穢れ、伝染する穢れ、日常を侵食する怪異

第26回山本周五郎賞受賞作品 2012年刊行。書下ろし作品。タイトルの『残穢』は「ざんえ」と読む。カバー装画は司修が担当。第26回の山本周五郎賞を受賞している。 残穢 作者:小野 不由美 新潮社 Amazon 新潮文庫版は2015年に登場しており、現在読めるのはこ…

『ゴーストハント読本』 「ゴーストハント」好きなら読んでおきたいファンブック

「ゴーストハント」ファン必読の一冊 小野不由美による「ゴーストハント(悪霊)」シリーズは、オリジナルの講談社X文庫ティーンズレーベル版が1989年から1992年にかけて登場。そして全編がリライトされたメディアファクトリーによる新装版が2010年から2011…

『新耳袋コレクション』恩田陸セレクトの現代怪談集

「新耳袋」から99編を恩田陸がセレクト 本書は2006年刊行。「新耳袋」は名前は聞いていたけど実際に読むのは初めて。「新耳袋」は怪異蒐集家の木原浩勝と中山市朗が集めた、現代の怪異譚集なのである。 【合本版】新耳袋 第一夜?五夜 現代百物語 (角川文庫) …

『竜と祭礼—魔法杖職人の見地から—』筑紫一明 第11回GA文庫大賞、奨励賞受賞作

筑紫一明のデビュー作 2020年刊行作品。第11回GA文庫大賞の奨励賞受賞作。作者の筑紫一明(つくしいちめい)は1998年生まれで、本作がデビュー作となる。 ちなみに、GA(じーえー)文庫大賞はSBクリエイティブが主催する公募新人賞。歴代の著名作品としては…

津原泰水『蘆屋家の崩壊』民俗ネタをふんだんに盛り込んだ和ホラー

時事的な流れに思いっきり便乗している気もするが、せっかくなので津原泰水作品はメチャ面白いよ!ということをわたしもアピールしておこう。 なお、津原泰水のTwitterアカウントは一時期フォローしていたものの、めんどうくさそうなキャラクターだったので…

遠藤由実子『うつせみ屋奇譚』魅惑のライト民俗学ミステリ

妖怪、判じ絵、そして忘れられた神々の物語 2019年刊行。遠藤由実子のデビュー作。大変失礼なことに、Twitterで感想を書いた時ははお名前の漢字を間違えていた。遠藤由実子さんなのであります。申し訳ありませんでした。 2023年刊行、第二作『夜光貝のひかり…