ネコショカ

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2023年に読んで面白かった新書・一般書10選

『嫉妬と階級の『源氏物語』』大塚ひかり

2023-08-01から1ヶ月間の記事一覧

『輝く断片』シオドア・スタージョン 河出の「奇想コレクション」が面白い!

SF

河出書房新社「奇想コレクション」中の1冊 2005年刊行。河出書房新社が刊行していた「奇想コレクション」の第六集にあたる。 「奇想コレクション」は2003年から2013年にかけて、河出書房新社が刊行していた叢書で、海外のエスエフ、ミステリ作家らによる日…

『夏の王国で目覚めない』彩坂美月 ひと夏のクローズドサークルツアー

彩坂美月の第三作、本格ミステリ大賞の候補作 2011年刊行作品。作者の彩坂美月(あやさかみつき)は1981年生まれのミステリ作家。デビュー作は2009年の『未成年儀式』(富士見ヤングミステリー大賞に準入選、後に改稿改題の上で『少女は夏に閉ざされる』とし…

『ノワール・レヴナント』浅倉秋成 特殊能力を持つ四人の高校生が事件の謎に迫る

浅倉秋成のデビュー作 『ノワール・レヴナント』は2012年刊行作品。講談社のライト文芸レーベル、講談社BOXが実施していた公募新人賞「講談社BOX新人賞"Powers"」の第13回受賞作。浅倉秋成(あさくらあきなり)のデビュー作だ。「講談社BOX新人賞"Powers"」は…

グイン・サーガ外伝27巻『サリア遊郭の聖女3』円城寺忍 三か月連続刊行の最終巻。マリウスの秘密が明らかに!

グインサーガ外伝、三か月連続刊行の三冊目! 2023年5月刊行作品。同年3月に『サリア遊郭の聖女1』、4月に『サリア遊郭の聖女2』と続いてきた連続刊行も遂にラスト!いよいよ完結編の登場だ。栗本薫の死後、グイン・サーガ外伝は何人かの作家が手掛けている…

『推し、燃ゆ』宇佐美りん 第164回(2020年度下半期)芥川賞受賞作品

宇佐美りんの第二作 2020年刊行作品。『文藝』秋季号(2020年7月号)に発表された作品を書籍化したもの。第164回(2020年度下半期)の芥川賞受賞作品である。 筆者の宇佐美りんは1999年生まれ。2019年のデビュー作『かか』でいきなり文藝賞、更に三島由紀夫…

『イクサガミ 天』今村翔吾 刀の時代の終焉、明治のバトルロワイアル開幕

今村翔吾の書下ろし伝奇バトルアクションの第一弾 2022年刊行作品。文庫書下ろし。作者の今村翔吾(いまむらしょうご)は1984年生まれの歴史小説、時代小説作家。2020年『八本目の槍』で吉川英治文学新人賞を受賞。同年『じんかん』で回山田風太郎賞を受賞。…

『サマー/タイム/トラベラー』新城カズマ 夏に読みたい青春エスエフ小説

夏に読みたい時間モノ 2005年刊行作品。第37回星雲賞日本長編の部の受賞作である。作者の新城(しんじょう)カズマは1991年から富士見ファンタジア文庫で上梓された『蓬莱学園』シリーズがデビュー作(懐かしい)。 本作は、タイトルの通り「夏」に読んでお…

『世界でいちばん透きとおった物語』杉井光 電子書籍では味わえない至福の読書体験がここに!

20万部突破の大ヒット作に! 作者の杉井光(すぎいひかる)は1978年生まれ。デビュー作は2006年の『火目の巫女(ひめのみこ)』。第二作の『神様のメモ帳』はアニメ化もされて、シリーズ累計100万部を超える大ヒット作に。第三作の『さよならピアノソナタ』…

『ピエタ』大島真寿美 追憶、ありえたかもしれない未来、そして人生は続く

2012年の本屋大賞第三位 2011年刊行作品。作者の大島真寿美(おおしまますみ)は1962年生まれ。1992年に「春の手品師」で文學界新人賞を受賞。同年、すばる文学賞最終候補となった『宙の家』がデビュー作。キャリアの長い作家だが、俄然注目を浴びたのが、20…