メフィスト賞
五十嵐律人のデビュー作 2020年刊行作品。第62回のメフィスト賞受賞作である。 作者の五十嵐律人(いがらしりつと)は1990年生まれ。巻末のプロフィールによると、東北大卒で司法試験合格とある。講談社の文芸サイトtree掲載の「森 博嗣 × 五十嵐律人 往復書…
辻村深月のデビュー作 2004年刊行。第31回メフィスト賞受賞作品。同賞では、初の試みとして上・中・下の3分冊で6月~8月の三か月にかけて連続刊行された。 2007年の文庫化に際して、上下巻の二巻構成に改められている。 作者の辻村深月(つじむらみづき)は198…
浅暮三文のデビュー作 1998年刊行作品。第8回のメフィスト賞受賞作である。 最近のメフィスト賞作品は、ソフトカバー形態で刊行されるケースが多い。しかし初期のメフィスト賞作品では、ノベルス形態で登場することが多かった。 ただ、本作に関してはそのい…
謎のメフィスト賞作家、古泉迦十 2000年刊行作品。第17回メフィスト賞受賞作である。 タイトルの『火蛾』は「ひが」と読み、作者名の古泉迦十は「こいずみかじゅう」と読む。『火蛾』は古泉迦十のデビュー作にして、2020年現在、唯一の作品となっている。 刊…
当ブログ開始初期からの不定期連載企画、メフィスト賞作品、全作感想書くぞシリーズも今回で31作目。メフィスト賞は現在第62回まで開催されているので(2020年8月現在)、これでようやく半分。先が長すぎる! 本日、第28回のメフィスト賞受賞作、関田涙『蜜…
「閻魔堂沙羅の推理奇譚」シリーズの一作目 2018年刊行作品。第55回メフィスト賞受賞作品。「閻魔堂沙羅の推理奇譚(えんまどうさらのすいりきたん)」は木元哉多(きもとかなた)のデビュー作である。イラストは望月けいが担当している。 一昔前であれば、…
真下みことのデビュー作 2020年刊行作品。第61回メフィスト賞受賞作。作者の真下(ました)みことは1997年生まれの女性作家。講談社BOOK倶楽部掲載のプロフィールによると、現役の大学生(2020年2月時点)とのこと。 おススメ度、こんな方におススメ! おす…
砥上裕將のデビュー作 2019年刊行作品。第59回メフィスト賞にして、2020年本屋大賞の第三位に輝いた作品である。その他にも、ブランチBOOK大賞2019を受賞、キノベス!2020では第6位にランクイン。2019年に書かれた作品の中でも、特に高く評価された作品の一つ…
読み手を選ぶ「愛すべき地雷」 2007年刊行作品。第35回メフィスト賞受賞作。古野まほろのデビュー作である。 故人となった新本格の父宇山日出臣が最後に推した一冊がこれ。金帯に宇山日出臣の「薦」付きとは歴代メフィスト作家の中でもかなり優遇されている…
追悼 浦賀和宏 ミステリ愛好家の方であれば既にご存じかと思うが、浦賀和宏(うらがかずひろ)の死去が報じられた。死因は脳出血。デビューから20年以上経つので、けっこうな年齢なのかと思っていたら、なんと1978年生まれ。まだ41歳の若さである。いくらな…
生垣真太郎の第一作 2003年刊行。第27回のメフィスト賞受賞作品。生垣真太郎(いけがきしんたろう)のデビュー作である。メフィスト賞にしては、少し毛色の変わった(もともと変な話ばっかりだけど)お話。アメリカを舞台とし、外国人を主人公に据えた作品で…
岡崎隼人、最初で最後の作品 2006年刊行。第34回メフィスト賞受賞作品。作者の岡崎隼人(おかざきはやと)は1985年生まれなので、受賞時は21歳くらいか。わりかし若い作家が受賞することが多いメフィスト賞としてもかなり若い方だよね。 ノベルス版のみで文…
覆面作家、氷川透のデビュー作 2000年刊行作品。第15回のメフィスト賞受賞作品である。氷川透(ひかわとおる)の最初の作品。この作家、東京大学文学部卒であることは開示されているのだが、それ以外のプロフィールがまったく不明と言う覆面作家である。性別…
森山赳志、唯一の作品 2005年刊行作品。タイトルは「もっかのだいしょう」と読む。第33回のメフィスト賞受賞作品である。メフィスト賞には珍しい国際謀略モノだ。作者の森山赳志(もりやまたけし)は1971年生まれ。本作がデビュー作だが、残念ながらこれ以降…
舞城王太郎衝撃のデビュー作 2001年刊行作品。第19回のメフィスト賞受賞作品である。舞城王太郎(まいじょうおうたろう)最初の作品である。舞城王太郎は1973年生まれで、福井県出身。しかし、それ以外の経歴は一切公表されていない覆面作家である。 本作は…
こるものさんのデビュー作 2008年刊行。第37回メフィスト賞受賞作品。汀(みぎわ)こるものの第一作にして、タナトスシリーズの一作目でもある。 twitterやってる人間としては、汀こるものと言うよりは、「こるものさん」で認識しているので、フルネームで書…
高里椎奈のデビュー作 1999年刊行作品。第11回メフィスト賞受賞作である。高里椎奈(たかさとしいな)のデビュー作品にして「薬屋探偵」シリーズの第一作となる。 高里椎奈は1976年生まれ。「薬屋探偵」シリーズや、「フェンネル大陸」シリーズ、最近では「…
霧舎巧のデビュー作 1999年刊行作品。第12回のメフィスト賞受賞作品である。本作はメフィスト賞にしてはけっこう普通に本格ミステリしている作品で、刊行当時新鮮な印象を受けた記憶がある。 作者の(きりしゃたくみ)は1963年生まれ。ペンネームの名付け親…
ミリア&ユリシリーズの一作目 2000年刊行作品。第18回のメフィスト賞受賞作。作者の石崎幸二は1963年生まれ。本作がデビュー作である。 本作はノベルス版のみであり、残念ながら文庫化はされていない。 というか、石崎幸二の作品はこれまでに11作刊行されて…
津村巧のデビュー作 2001年刊行作品。第22回のメフィスト賞受賞作である。著者HPによると、応募時タイトルは『SURVIVOR―生存者―』。残念ながらノベルス版のみで、文庫版は刊行されていない。 作者の津村巧は1970年生まれ。本作以前に、光文社主催の公募アン…
秋月涼介のデビュー作 2001年刊行。第20回のメフィスト賞受賞作品である。 作者の秋月涼介は1971年生まれ。『月長石の魔犬』以降、2002年に『迷宮学事件』2004年に『紅玉の火蜥蜴』2006年に『消えた探偵』を、いずれも講談社ノベルスから上梓。しかしいずれ…
日明恩のデビュー作 第25回メフィスト賞受賞作品。2002年刊行。作者の日明恩は1967年生まれ。日明恩と書いて「たちもり めぐみ」と読む。 2005年に講談社ノベルス版が登場。 それでも、警官は微笑う (講談社ノベルス) 作者: 日明恩 出版社/メーカー: 講談社 …
新堂冬樹のデビュー作 1998年刊行作品。第7回メフィスト賞受賞作。いまやすっかりノワール系小説の書き手として地歩を固めた感のある新堂冬樹(しんどうふゆき)だが、実はメフィスト賞の出身の作家なのであった。現在では講談社以外からの作品の方が多いの…
黒田研二のデビュー作 2000年刊行作品。第16回のメフィスト賞受賞作品。黒田研二は1969年生まれ。本作でデビュー後、年1~2作ペースでコンスタントに新作を上梓していたが、ここ数年オリジナル作品が出ていないようで、そこいら辺がちょっと気がかり。 講談…
矢野龍王のデビュー作 2004年刊行。第30回のメフィスト賞受賞作品。作者は1965年生まれ。メフィスト賞の受賞者としては比較的年齢高めの方だろうか。文章的には、どことなく岡嶋二人っぽい。最近あまり見かけなくなった、懐かしさを感じるテイストである。 …
自衛隊出身のメフィスト賞作家 2000年刊行。第14回のメフィスト賞受賞作品。作者の古処誠二(こどころせいじ)は1970年生まれ。航空自衛隊出身と、異色の経歴を持つ作家である。 ゼロ年代には2005年の『七月七日』2006年の『遮断』、そして2008年の『敵影』…
乾くるみ、浦賀和宏との同時受賞作 1998年刊行作品。この作品も既に二十年も前の作品となってしまった。メフィスト賞の歴史も、既にけっこうな歳月になってきているよね。 積木鏡介は1955年生まれ。第六回メフィスト賞受賞となった本作が最初の作品となって…
戯言シリーズのレビューを始めるよ! 平成も終わろうとしている今日この頃だが、特にいつもと変わらず、毎週火曜日恒例の西尾維新作品レビューをお届けしたい。 『刀語』シリーズの全巻レビューが終わったので、いよいよ戯言シリーズの紹介に取り掛かりたい…
メフィスト賞受賞作を地道に紹介していくシリーズも今回で7回目。目指すは全作紹介!だが、現時点でも58作もあるので道は遠い(だいたい未読作品が半分近くある)。 真梨幸子のデビュー作 2005年刊行。第32回メフィスト賞受賞作品。いまや、イヤミスの旗手…
表紙を見ると犯人の顔が映る装丁! 2007年刊行。第36回のメフィスト賞受賞作品。タイトルの「ウルチモ・トルッコ」はイタリア語で究極のトリックを意味する。 既にサブタイトルにいきなり物凄いネタバレが書いてある。「犯人はあなただ!」と。カバーを見る…