ネコショカ

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2023年に読んで面白かった新書・一般書10選

『嫉妬と階級の『源氏物語』』大塚ひかり

2024-01-01から1ヶ月間の記事一覧

『ゴールデンタイムの消費期限』斜線堂有紀 才能を失っても生きていていいですか?

枯れた才能は再生できる? 2021年刊行作品。作者の斜線堂有紀(しゃせんどうゆうき)は、2020年、『楽園とは探偵の不在なり』のヒットで注目を集めたが、その後の第一作が本作ということになる。通算では十三作目。斜線堂有紀は2017年デビューだから、これだ…

2023年に読んで面白かった小説12選

旬のタイミングを逃した感がスゴイけど、毎年書いているので今年も書く。おススメ小説の12選!「2023年に読んだ本」が対象であって、2023年に刊行された本ではないのでその点はご注意を。読了直後のTwitterコメントと併せてどうぞ! ちなみに、非小説部門の…

『死体埋め部の回想と再興』斜線堂有紀 死体埋め部シリーズの追加エピソード&後日譚

死体埋め部シリーズの完結編? 2000年刊行作品。前年に刊行された『死体埋め部の悔恨と青春』に続く、死体埋め部シリーズの第二弾。2019年~2021年にかけての斜線堂有紀(しゃせんどうゆうき)の量産っぷりはすさまじく、毎年4作以上の作品を上梓している。…

『九度目の十八歳を迎えた君と』浅倉秋成 青春時代からの呪いを解く

浅倉秋成の第五作 2019年刊行作品。『ノワール・レヴナント』『フラッガーの方程式』『失恋覚悟のラウンドアバウト』(文庫化時に『失恋の準備をお願いします』に改題)『教室が、ひとりになるまで』に続く、浅倉秋成(あさくらあきなり)の第五作である。東…

『極楽征夷大将軍』垣根涼介 史上もっともやる気のなかった天下人と有能すぎた弟

第169回直木賞受賞作品 2023年刊行作品。第169回の直木賞を受賞している。文芸春秋の小説誌「オール讀物」の2020年5月号~2022年11月号にかけて連載されていた作品を加筆修正のうえで単行本化したもの。表紙絵はイラストレータの岡田航也(おかだこうや)に…

『午後のチャイムが鳴るまでは』阿津川辰海 解決まで65分!昼休み限定の学園ミステリ

阿津川辰海の学園ミステリ 2023年刊行作品。阿津川辰海(あつかわたつみ)の第八作。実業之日本社のムック「THE FORWARD」及び、Webメディア「Webジェイ・ノベル」に掲載されていた作品に、書下ろし一編を加えて単行本化したもの。 表紙及び扉絵はイラストレ…

『追想五断章』米澤穂信 リドルストーリーと最後の一行

「青春去りし後の人間」を描いた一作 2009年刊行作品。集英社の文芸誌『小説すばる』の2008年6月号~12月号にかけて連載されていた作品を、加筆修正の上で単行本化したもの。 追想五断章 作者:米澤 穂信 集英社 Amazon 集英社文庫版は2012年に登場している。…

『ねじの回転』ヘンリー・ジェイムズ ヴィクトリア朝時代のイギリスを舞台とした心霊小説

ヘンリー・ジェイムズの代表作のひとつ 1898年作品。原題は「The Turn of the Screw」。古い翻訳だと『ねじのひねり』とされていることもあるかな。作者のヘンリー・ジェイムズ(Henry James)は1843年生まれ。アメリカで生まれ、イギリスで活躍した小説家。19…

『ハイファに戻って/太陽の男たち』ガッサーン・カナファーニー 難民となったパレスチナ人の苦難を綴った作品集

爆殺されたパレスチナ人作家 作者のガッサーン・カナファーニー(Ghassan Fayiz Kanafani/غسان كنفاني)は、1936年生まれのパレスチナ人。12歳の時に、ユダヤ人系武装組織に故郷を襲撃され難民となる。その後、作家、ジャーナリストとして活躍したが、1972年…