幻想小説
ミルハウザーの第三短編集 オリジナルの米国版は1998年に刊行されており原題は「The Knife Thrower」。 作者のスティーヴン・ミルハウザー(Steven Millhauser)は1943年生まれのアメリカ人作家。デビュー作は1972年の『エドウィン・マルハウス―あるアメリカ…
魅惑の異色短編アンソロジー 2022年刊行作品。編者にして翻訳を担当しているのは、岸本佐知子(きしもとさちこ)と、柴田元幸(しばたもとゆき)の両名。 本書は、柴田元幸が編集長を務める文芸誌「MONKEY」の第23号で企画された特集「ここにいいものがある…
珠玉のシュペルヴィエル短編集 2006年刊行作品。オリジナルのフランス版は1931年に発表されていて原題は『L'Enfant de la haute mer』。 作者のジュール・シュペルヴィエル(Jules Supervielle)は1884年生まれの詩人、作家。1960年に没している。フランス人…
珠玉の25編をセレクトした幻想短編集 2021年刊行作品。作者の須永朝彦(すながあさひこ)は1946年生まれの歌人、作家、評論家。2021年の5月に逝去されている。 本作『須永朝彦小説選』は、同氏の逝去を悼み、作家の山尾悠子が25の短編をセレクトし文庫化した…
第二次大戦下のドイツを舞台とした作品 作者の皆川博子(みながわひろこ)は1929年(もしくは1930年)生まれで、1970年のデビューから現在に至るまで、連綿と現役の作家として活動を続けている。80代に入っても一向に刊行ペースが衰えない驚異の作家である。…
今週のお題「読書の秋」本日はこちら。 稲生平太郎名義の初小説作品 もともとは1990年に書肆風の薔薇のロサ・ミスティカ叢書から出ていた作品。 アクアリウムの夜 (ロサ・ミスティカ叢書) 作者:稲生 平太郎 書肆風の薔薇 Amazon その後、2002年にスニーカー文…
ブッツァーティの代表作 2013年刊行。オリジナルのイタリア語版は1940年に刊行されており原題は「Il deserto dei Tartari」。作者のディーノ・ブッツァーティ(Dino Buzzati)は1906年生まれのイタリア人作家。20世紀イタリア文学を代表する作家の一人である…
『安徳天皇漂海記』とあわせて読みたい 2007年刊行作品。宇月原晴明(うつきばらはるあき)としては六作目の作品にあたる。ミルキィ・イソベの表紙デザインが美しい。 タイトルや表紙デザインから想像がつく方もおられるかもしれないが、本作は2006年に上梓さ…
澁澤龍彦、最後の作品。あらすじと各エピソードごとのネタバレ感想を掲載。ざっくり地図付き。マンガ版の情報もあり。喉頭癌という死病に苦しんでいた、澁澤龍彦自身の葛藤が主人公の高丘親王に多分に投影されている。次第にその肉体は病み衰えて行くが、反…