>>「グイン・サーガ」シリーズが正篇130巻/外伝22巻が、Kindle Unlimited(読み放題)入り!
>>グイン・サーガ149『ドライドンの曙』のネタバレ感想書きました!
「グインサーガ」が始まって40年
2019年は2009年5月26日に栗本薫が亡くなってから10年。そして、1979年9月に「グインサーガ」第一巻『豹頭の仮面』が刊行されて40年と節目の年にあたる。
栗本薫によるグインサーガは彼女の死により130巻『見知らぬ明日』で未完となったが、2013年より五代ゆう、宵野ゆめによる、「続篇」グインサーガの刊行がスタートしている。
さて、ここでお聞きしたい。かつてグインサーガの読者で、現在も読み続けている方はどれくらいおられるだろうか。なにせ40年という膨大な歳月である。途中で離脱された方も多いのではないだろうか?
今回はそんなリタイア組の皆さま向けに、現在のグインサーガ(149巻時点)における、各国の状況と、主要キャラクターの「その後」を国別にまとめてみた。随分と変わってしまったと思うか、それともまったく進んでいないと思うか、あなたはどちらだろうか?
もちろん、現役の読者の皆さまにも是非読んでいただきたい。未曾有の長大シリーズを読み続けている仲間として、感想を共有できればこれ以上に嬉しいことはない。
なお、本ページは当然のことながらグインサーガ全編(外伝含む)に渡って、全てネタバレとなるので、その点はご注意頂きたい。
あの人はどうなった?あの国はどうなった?
では、以下、国別の「あの人はどうなった」まとめをお届けしよう。各国の現在の状況の後に、それぞれのキャラクターの現在を続篇での展開を中心にまとめている。
表紙イラストは、比較的最近(キャラクターによっては最後の)の近影を採用している。ずいぶんと変わってしまった人物も多い筈である。
ケイロニア
アキレウス大帝が死去(134巻『売国妃シルヴィア』)し、オクタヴィア(イリス)が女帝として即位(136巻『イリスの炎』)。万全かと思われたグイン体制にも、意外に敵対者が多いことに気づかされる。
時間軸的には長年の懸案であった、外伝1巻『七人の魔導師』にようやく追いついた。『七人の魔導師』事件の影響で、首都サイロンは黒死の病やらトルクの害やらでわりと散々な状況。でもクリスタルなんかよりははるかにマシな状態。やっぱり守護神グインが居るのは大きい。
グイン
パロの内戦に介入し、ナリスの死を見届ける(87巻『ヤーンの時の時』)。その後は魔王子アモンとの戦いで、いったんは記憶を失う(94巻『永遠への飛翔』)。スカールとの邂逅を果たし(101巻『北の豹、南の鷹』)、旅芸人の一座に身をやつしてのタイス編に突入(109巻『豹頭王の挑戦』)。リンダ即位後のクリスタルに入り、古代機械による「修正」を受けてかつての記憶を取り戻すが、代償としてスカールやタイス編での記憶を失う(120巻『旅立つマリニア』)。
『七人の魔導士』で娶った愛妾ヴァルーサが双子(兄王子はアルリウス、妹王女リアーヌ)を出産し遂にパパになる(136巻『イリスの炎』)
ケイロニア皇帝になるのではという読者の予想を裏切り、依然としてケイロニア王のまま。相変わらず超多忙モードは変わらず。ケイロニア新皇帝即位にまつわる政争を片づけた後は、暗躍するワルスタット侯ディモスの動向を探るためクリスタルに潜入し「あのお方」に遭遇。現在はケイロニアに帰国し、「あのお方」の出現について頭を悩ましている様子。
アキレウス
134巻『売国妃シルヴィア』にてついに薨去。グインを大抜擢した功績はあるものの、結局、後継者問題を自身で解決出来なかったのが、後々の混乱の火種となってしまった印象。121巻『サイロンの光と影』あたりから、ハッキリとその衰えが描かれ、続篇に入ってからは存在感が希薄となってしまって残念(表紙絵も元気な頃のしかなかった)。
シルヴィア
不義の子シリウスを出産。サイロンの黒死病蔓延の元凶と目され、不名誉な「売国妃」の二つ名を獲得。その後の民衆暴動に伴う事故で行方不明になるも。グラチウスに拾われ、その後パロにて「あのお方」の手に落ちる。現在は廃嫡され、ケイロニアの皇位継承権を失っている状態。
シリウスはハゾスの手によって隠されるが、紆余曲折を経て、結局グインの知るところとなり、ベルデランド侯の母ヴィダの下で当面は育てられることになった。
オクタヴィア
ケイロニア皇帝。アキレウス薨去、シルヴィアの廃嫡に伴い、ケイロニア女帝として即位(136巻『イリスの炎』)。17巻『三人の放浪者』で、孤独な復讐者として登場したころを思うと、隔世の感がある。キャラ的にも、ビジュアル的にも相当変貌しているけど、相応の運命の変転を経ての事なので、許容範囲といったところかな。
マリウスとの間に一粒種のマリニアが生まれるが、その後マリウスとは離婚している
ランゴバルド侯ハゾス
グインを皇帝とすべく奔走するも失敗。皇帝擁立までには至らず。シリウス誕生時の画策がグインにバレ、信頼度ややダウン。最近精彩を欠いている。
ローデス侯ロベルト
病がちながらも健在。アキレウス大帝没後、どこまで生きながらえるか。そろそろお迎えが近そうな雰囲気ではある。
ワルシュタット侯ディモス
グインによるアモン討伐後、在パロ大使としてクリスタルに残る。その後「あのお方」に籠絡され、ケイロニア皇位を狙う闇堕ちキャラになってしまう。グインの皇帝即位に反対票を投じる。
アンテーヌ侯アウルス・フェロン
皇位継承問題からは一歩引いた立場から中立を維持。長子、アウルス・アランへの権力移譲を進行中。ディモスに嫁いでいたアクテを人質に取られ、反グイン陣営への勧誘を受けていた。
ダナエ侯ライオス
シリウスは自分とシルヴィアとの子であるとして、ケイロニア皇位を狙い暗躍するも、謎の不審死を遂げる。現在ダナエ選帝侯は空位。
アトキア侯マローン
父ギランを跡を継いで、若きアトキア選帝侯に(123巻『風雲への序章』)。サイロンの治安を預かる立場で、続篇では登場機会が増えている。これから登場回数増えるかも。
※その他の選帝侯については、続篇執筆者の一人宵野ゆめによるまとめも参照のこと。
パロ
中原三国の中でももっとも過酷な運命を辿った国に。悲惨過ぎて目も当てられない。もはやパロ(特にクリスタル)のライフはゼロであると言っていい。
黒竜戦役終了後、レムスが国王に即位(16巻『パロへの帰還』)。リンダはアルド・ナリスに嫁ぐ(37巻『クリスタルの婚礼 』)。しかし、黒竜戦役による戦禍の傷も十分に癒えないところで、アルド・ナリスが神聖パロ王国を興し、国王レムスに対して反旗を翻す(72巻『パロの苦悶』)も、紆余曲折の末に病没(87巻『ヤーンの時の時』)。
その後、魔王子アモンの跳梁跋扈によってパロ宮廷は暗黒状態に。リーナスやベック公など、主要キャラクターが死亡もしくはほぼ廃人に。グインによって、アモンが退けられ、レムスは廃位となり幽閉状態となる(92巻『復活の朝』)。
替わってリンダが女王として即位するも、イシュトヴァーンの奇襲、竜頭兵の大殺戮を受けて首都としてのクリスタルの機能もほぼ壊滅状態に陥る(131巻『パロの暗黒』)。
レムス
黒竜戦役後、レムス一世としてパロ王に即位。その後、アルド・ナリスとの対立からパロ内戦に突入。ノスフェラスから憑いてきたカル=モルの亡霊に悩まされ、ヤンダルに付け込まれるきっかけを作る。魔王子アモンの跳梁を受け、パロ宮廷がパンデモニウムに変貌。グインによってアモンが追放された後は、パロ王位をリンダに譲ることに。イシュトヴァーンによるパロ占領を受け幽閉。その後、クリスタルパレスに潜入したヴァレリウスとドライドン騎士団によって救出されている(149巻『ドライドンの曙』)。
栗本薫のナリス贔屓の弊害をもっとも強く受けたキャラクターがレムスなのではないだろうか。このどん底状態からどうやって、「パロ中興の祖」にまで名誉回復がなされるのか。続篇執筆者も頭を悩ませていることであろう。
リンダ
結局イシュトヴァーンと結ばれることはなく、黒竜戦役後はアルド・ナリスの妻に。レムスとナリスの対立、魔王時アモンの追放を受け、退位したレムスに変わりパロ女王として即位する。しかし、イシュトヴァーンの急襲を受け、囚われの身となる。
ビジュアル的にはすっかり大人の女性になったという感じ。
アルド・ナリス
レムスとの対立から、神聖パロ王国を建国。レムスに対して叛旗を翻すも、病には勝てず陣中にて死去。シリーズ屈指の良キャラクタながら、栗本薫に愛され過ぎたが故に、死なせどころを引っ張りすぎてしまった感があり、グインサーガ全体の物語のバランスを大きく損ねてしまったのが残念。
しかし驚くべきことに、続篇に入りヤンダル・ゾックの力により復活?(146巻『雲雀とイリス』)。純粋な悪役として、君臨してきそうな気配。この辺は賛否両論分かれるところだろう。
マリウス
オクタヴィア(イリス)と結婚。ササイドン伯として一時期ケイロニアで暮らすも、宮廷人は無理だったようで、オクタヴィアとは離婚。ふたたび放浪の旅に。
最終的にはパロに落ち着くことになるが、イシュトヴァーンの襲撃でクリスタルが陥落。現在は唯一の王位継承権者として、リギアに保護されてケイロニアへ。
続篇に入ってからは存在感が希薄化しており、リギアの付属物としてモブ化している印象。
リギア
パロ内乱ではナリス方につくも、ナリスの死後は自由な立場に。女剣闘士して戦ってみたり、各地のイケメンと浮名を流したりしながらも、再度パロへ。というところで、イシュトヴァーンによる襲撃を受け、マリウスを守ってグインの居るケイロニアを頼ることに。相変わらず苦労が絶えないキャラクター。もはや唯一の聖騎士伯だったりするのだろうか?グインの口から「あのお方」の存在を知らされ、現在激しく動揺中(148巻『トーラスの炎』)。
ヴァレリウス
一介の魔導士からパロ宰相にまで登り詰める。レムス、リンダ時代通じて宰相ポジションを保つも、イシュトヴァーンのクリスタル侵攻後は、リギア、マリウスらとケイロニアに逃れる。しかし「あのお方」の復活を知り茫然自失に。ケイロニアから沿海州のヴァラキアにまで放浪を続け、現在は弟子のアッシャに介護されている状態。そろそろショックから立ち直っていただきたいところ。
ヨナ
ヴァラキアに生まれ、イシュトヴァーンとの宿縁も浅からぬヨナは、その後パロに入り、ナリスの寵愛を受けることになる。ナリスの死後はクリスタルを離れ、ミロク教徒としてヤガを目指すも、現地での動乱に巻き込まれる。
現在は、ヴァラキアに入りヴァレリウスと合流を果たす。パロ奪還に向けて、なんらかの役割を果たしてくれそうな予感。
アッシャ
続篇執筆者の一人、五代ゆうによる新キャラクター。戦災孤児としてヴァレリウスに拾われ、その才能を見出され、稀少な女魔導師として研鑽を積んでいる。
やはり自分で作った新キャラは動かしやすいのか、出番も多く、今後更に主要な役どころになってきそう。
パロ宮廷の皆さん
アモンの跳梁により、魔の胞子を植え付けられたことにより、ほとんどのメンツが廃人化しているものと思われる。ベック公よどうなった?リーナスの悲惨な死に方には泣いた。
ちなみにルナンはナリス死亡時に殉死。カラヴィア公子アドリアンはイシュトヴァーン襲来時、竜頭兵により惨殺されている(稀少な若手が……)。フェリシア夫人は健在。現在はディモスの監視役として行動中。結局ナリスには逆らえないのね。
ゴーラ
赤い街道の盗賊から成りあがったイシュトヴァーンが、ユラニアを滅ぼし、アムネリスを娶ることで建国。国土は旧ユラニアと旧モンゴール領あたり。かってのパルヴィナ改め、イシュタールが首都。国家としての組織としては極めて脆弱。事実上、イシュトヴァーンの独裁国家。ゴーラの官僚、軍事組織の中核はユラニア関係者が担っていると思われ、実質的にはゴーラはユラニアの新形態といえなくもない。
イシュトヴァーン
レムスとリンダの双子をパロに送り届けた後、グインと袂を分かち、軍師アリストートスを得て赤い街道の盗賊に。クム大公の愛妾となっていたアムネリスを奪還しモンゴールをとりあえず再興。その後ユラニア王室を惨殺(54巻『紅玉玉の惨劇』)。ユラニアを滅ぼし、モンゴール、ユラニアを併せた領土で、ゴーラの建国を宣言する(64巻『ゴーラの僭王』)。
現在は、パロへ侵攻し、クリスタルを占拠。復活を遂げたアルド・ナリスに操られている感が濃厚で、ヤンダルに誑かされたり、なかなか自由意思で生きられないあたりに悲哀を感じずにはいられない。モンゴール残党軍を追ってトーラスに入り、これを撃破。金蠍宮を灰燼に帰さしめている。今後さらなる運命の下り坂を、全速で駆け抜けていくものと思われる。
アリストートス(アリ)
イシュトヴァーンのゴーラ建国を助けた創業の功臣と言っていいほどの活躍度であったが、イシュトヴァーンへの妄執が募りすぎた挙句、逆に殺害されてしまう(60巻『ガルムの報酬』)。
カメロン
イシュトヴァーンのゴーラ王即位を知り、故郷ヴァラキアを捨ててその建国の偉業に加わる。ゴーラ宰相となり、ほとんど機能していなかったゴーラ宮廷を一人で切り盛りする辣腕を見せる。
パロ侵攻の暴挙をなしたイシュトヴァーンを、実力で阻止しようとクリスタル入りしたところで返り討ちに遭い、無念の死を遂げる(135巻『紅の凶星』)。
アムネリス
黒竜戦役でモンゴール滅亡後は、クム大公タリオの愛妾に。屈辱の日々を送っていたところをイシュトヴァーンに救出され、結婚することになる。イシュトヴァーンの即位に力を貸すことになるが、利用されているだけであったことを悟り、一子ドリアンを出産後、自殺(86巻『運命の糸車』)。
まさか、退場がこれほど早く、しかもこれほど悲惨な死に方になるとは想像できなかった。
フロリー
モンゴール滅亡後も主アムネリスに仕え続けるが、イシュトヴァーンとの一夜の過ちから、スーティを出産。アムネリスの元にはいられなくなり、放浪の日々が始まる。ヤガでの騒乱を経て、現在はヴァラキアに落ち着き、スーティ、ドリアンと共に暮らす。
フロリーはこれほど重要キャラになるとは思わなかった。アムネリスよりよほど長生きしそうな気配である。とはいえ、イシュトヴァーンが彼女を放置しておくとは思えず、いずれ政争に巻き込まれていきそうな予感。
スーティ
イシュトヴァーンとフロリーの間に生まれた子。人並外れて体格がよく、頭もよい。幼子のわりには行動力もあり、胆力もあるスーパー赤子。母フロリーと離れて、グラチウスらと謎の冒険行に旅立ち、実弟であるドリアンと共に帰還する。
ブラン
109巻『豹頭王の挑戦』から登場した、比較的最近のキャラクター。カメロン配下の武人で、スーティ探索のために単独行を取っていた。
タイス編のみのちょいキャラで終わるかと思われたが、ヤガ編で再登場し、実質的な主役として活躍した。陽気な愛すべき猪突猛進キャラであったが、カメロンの死を知り、ドライドン騎士団に復帰。主の仇を討つべく、パロへと向かう。
クム
紅玉宮の惨劇により第三王子タリクが死亡。タリオ大公、第一公子タルーはイシュトヴァーンにより打ち取られ、現在は第二公子タル=サンが大公位を継いでいる。旧ゴーラ三国中唯一、無事な状態だが、実質的にはゴーラの傀儡国家となっている。
最近目立ってないので、そろそろ悲惨な目に遭いそうな気がする。
モンゴール
大公ヴラドの急死、黒竜戦役の敗北によって国家として消滅した。アムネリスも死去し、唯一正統なモンゴール大公家の血筋を引くドリアンをめぐって陰謀が繰り広げられている。
アリオン、マルスら、旧貴族階層を中心としたモンゴール再興運動が起こり、ドリアンを旗頭にした反乱軍がトーラスで組織される。しかしアストリアスらにドリアンを奪われ、軍勢そのものもイシュトヴァーンに完膚なきまでに敗北。トーラスは炎上し、反乱勢力はほぼ一掃されている。
アストリアス
ゴーラの赤獅子。死の婚礼で道化役を演じてから後、長らくクリスタルパレスの虜囚となっていたが、ようやくにして出獄(104巻『湖畔のマリニア』)。囚われていた間の拷問でかつての、颯爽とした青年貴族の面影はなくなり、傷だらけの顔を隠すために仮面をつける。
「風の騎士」の名のもとに、モンゴール再興に向けて邁進中。愛した主君アムネリスは既に亡く、彼が報われる日は来るのか。アムネリスの遺児ドリアンをモンゴール残党組から奪還。現在はフロリーやスーティたちと合流しヴァラキアに滞在している。
沿海州
あまり描かれる機会が少なかったが、イシュトヴァーンのパロ侵攻を受け、アグラーヤ王ボルゴ・ヴァレンをはじめとした面々がヴァラキアに集う(143巻『永訣の波濤』)。アモンによる最大の被害者、復讐に燃えるアルミナちゃん!も再登場している。
ヴァラキアでは142巻から登場している謎の新キャラ、ファビアンによって、公弟オリー・トレヴァンが殺害される。レンティアの女王ヨオ・イロナも病没している(外伝25巻『宿命の宝冠』)が、ライゴールのアンダヌス議長は依然として健在のようである。
パロの古代機械に興味津々のボルゴ・ヴァレンが沿海州会議でパロへの派兵を提案するも、アンダヌスらによって否決される。ボルゴ・ヴァレンはドライドン騎士団を雇い、単独でクリスタルへの派兵を行う模様(146巻『雲雀とイリス』)。
アウロラ
レンティアの第一王女。外伝25巻『宿命の宝冠』から登場した。続篇執筆者の一人、宵野ゆめによる新キャラクター。134巻『売国妃シルヴィア』からは本編にも登場。
やはり、続篇からの新しいキャラクターは使い勝手が良いのか、宵野パートでは頻繁に登場。五代ゆうの一人執筆体制となった現在でも、グインに同行しクリスタル入りを果たす。サイロンで知り合ったシルヴィアの消息を気にかけており、彼女の探索に同行しそう。
草原地方
こちらも描かれる機会が少ないが、アルゴス王には世継ぎの王子が生まれ、パロ化政策(都市化、定住化の促進)がすすめられており、草原の民の存在感は薄くなってきているみたい。
スカール
黒竜戦役後、ノスフェラスに踏み入り、グル=ヌー探索を試みるも、一族の多くを失い、自身も放射能障害を受けることになってしまう。病み衰えた体で、中原に戻ってきたところで折悪しく赤い街道の盗賊として猛威を振るっていたイシュトヴァーンに遭遇。リー・ファを喪い、復讐を誓うことになる。
北の豹と南の鷹。グインとスカール二人が出会うときに何かが起こるとされており、101巻『北の豹、南の鷹』で遂に邂逅を果たすのだが、当時のグインはアモンとの戦いの後遺症で記憶障害を負っており、これはノーカウントになるらしい。
その後、廃都フェラーラを訪れ、「約束された三つの宝石」の一つである、ミラルカの琥珀を手に入れる(137巻『廃都の女王』)。
ヤガの動乱を鎮静化させた後、現在はヴァラキアに。ドライドン騎士団のパロ派兵に同行しクリスタルを目指すようだ。
終わりに
以上、非常に雑ではあるが、駆け足で40年目のグインサーガの到達点をまとめてみた。
意外に進んでいないと思うか、それともけっこう進んでいると思うか、あなたはどちらだろうか?
とはいえ、最終巻とされている『豹頭王の花嫁』は依然として遠い目標である。刊行開始から40年。当時20歳であった読者は、もはや還暦である。読み手としては、そろそろ完結させることを視野に入れて進めてほしいと思うのだが、皆さまはいかがだろうか?
このキャラが抜けてる!あれが抜けてる!これ間違ってる!など、ツッコミあれば、コメントなり、Twitterなりでご指摘頂けるとありがたいです。適宜アップデートしていく予定。ヤンダルとか、グラ爺とか魔導師連中がごっそり抜けてるので、あとで足すかもしれない。
続篇グインサーガ各巻感想
131巻以降の続篇グインサーガの感想はこちらにそれぞれ書いているので、是非ご覧いただきたい。各巻で何が起きたのかに視点を置いてまとめているので、こちらを読むだけでも、各巻のストーリー展開が追えるようになっている。
栗本薫時代の正編も、いずれは感想をあげていく予定(たぶん)。
- グインサーガ131巻『パロの暗黒』
- グインサーガ132巻『サイロンの挽歌』
- グインサーガ133巻『魔聖の迷宮』
- グインサーガ134巻『売国妃シルヴィア』
- グインサーガ135巻『紅の凶星』
- グインサーガ136巻『イリスの炎』
- グインサーガ137巻『廃都の女王』
- グインサーガ138巻『ケイロンの絆』
- グインサーガ139巻『豹頭王の来訪』
- グインサーガ140巻『ヤーンの虜』
- グインサーガ141巻『風雲のヤガ』
- グインサーガ142巻『翔けゆく風』
- グインサーガ143巻『永訣の波濤』
- グインサーガ144巻『流浪の皇女』
- グインサーガ145巻『水晶宮の影』
- グインサーガ146巻『雲雀とイリス』
- グインサーガ147巻『闇中の星』
- グインサーガ148巻『トーラスの炎』
- グインサーガ149巻『ドライドンの曙』
ちなみに最新の149巻『ドライドンの曙』まで、感想を公開中。
なお、続く150巻(メモリアル巻ですね)のタイトルは『ルアーの決断』とのこと。
外伝グインサーガ各巻感想
外伝グインサーガ各巻の感想はこちらから。続篇グインサーガの開始に先立って、
実は外伝作品の方が先に執筆されている。さまざまな作家たちによる、グインサーガのシェアードワールドを楽しむことが出来る。今後、こうした試みはもっと増えてよいのではないかと思う。