ネコショカ

毎日夜20時更新。ネコショカは猫の書架
雑食系の書評Blogです。なんでも節操なく読んでます
基本ネタバレありなので注意してね

岩波新書『独ソ戦 絶滅戦争の惨禍』大木毅 人類史上最悪の戦場

独ソ戦の全体像がわかる一冊 独ソ戦2019年刊行。筆者の大木毅は1961年生まれ。第二次世界大戦、特にドイツ軍に関する著作が多い。 内容はこんな感じ 1941年。ドイツとソビエト連邦は交戦状態に突入。東部戦線の戦端が開かれる。ヒトラーとスターリン。二人の…

『君待秋ラは透きとおる』詠坂雄二の最新作は能力バトル!

詠坂雄二の最新作は能力バトル 本日紹介するのは詠坂雄二(よみさか ゆうじ)の2019年作品『君待秋ラは透きとおる』である。 作者の詠坂雄二は1979年生まれ。今は亡き光文社の新人公募企画「KAPPA-ONE」出身の作家だ(光文社版のメフィスト賞みたいな感じ)…

『ラットマン』道尾秀介 最後まで気が抜けないミステリ作品

道尾秀介、初期の代表作 2008年刊行作品。光文社のミステリ専門誌『ジャーロ』の2007年夏号、秋号に掲載されていたものを単行本化したもの。道尾秀介は2005年の『背の眼』デビュー作で、本作が8作目になる。わたし的には、最初に読んだ道尾作品だった。 この…

『8(エイト)』キャサリン・ネヴィル 伝説のチェスセットを巡る争奪戦

宇宙の法則を内包するチェスの駒の物語 オリジナルの米国版は1988年刊行。邦訳版は1991年に登場。 作者のキャサリン・ネヴィルは1945年生まれのアメリカ人。 文春文庫版は1998年に登場している。 8(エイト)〈上〉 (文春文庫) 作者: キャサリンネヴィル,Kather…

皆川博子『聖女の島』と綾辻・有栖川復刊セレクション

綾辻・有栖川復刊セレクションからの一冊 もともとは1988年に刊行された作品だが、2007年に講談社ノベルズ25周年記念「綾辻・有栖川コレクション」の一冊として復刊された。 同コレクションは、綾辻行人、有栖川有栖の両名の選による十二作品。これまでに刊行…

『零崎軋識の人間ノック』西尾維新 「人間」シリーズ第二弾

戯言シリーズスピンアウト「人間」シリーズの第二弾 2006年刊行作品。前作の『零崎双識の人間試験』より、作中の時系列で言うと五年程前のお話。 雑誌「ファウスト」に掲載された「零崎軋識の人間ノック1 狙撃手襲来」「零崎軋識の人間ノック2 竹取山決戦」…

『神宮の森卓球場でサヨナラ』野村美月 「卓球場」シリーズ完結編

遂に完結!幸せなエピローグ巻 2003年刊行。シリーズ四作目。野村美月としては六冊目の作品ということになる。 『赤城山卓球場に歌声は響く』『那須高原卓球場純情えれじ~』『あだたら卓球場決闘ラブソング』と続いてきた、「卓球場」シリーズも本巻でつい…

『後宮の烏3』白川紺子 呪詛を受ける者

『後宮の烏3』から地図が入った 2019年刊行作品。『後宮の烏』シリーズの三作目。一作目の『後宮の烏』が2018年4月、二作目の『後宮の烏2』が2018年12月、そして今回の『後宮の烏3』が2019年8月と、きっちり八か月間隔で刊行されている。多数のシリーズを抱…

『恋する女たち』氷室冴子 恋とはどんなものかしら

映画化もされた氷室冴子の四作目の作品 1981年刊行作品。月イチで実施の予定が、隔月になってしまっている(ゴメン)、氷室冴子作品全作レビューもようやく四回目。今回登場するのは、斉藤由貴主演で映画化もされた『恋する女たち』である。このブログは基本…

『読書する人だけがたどりつける場所』齋藤孝 名著の凄味を知ろう

ネット全盛の時代に「本を読む」理由とは? 2019年刊行作品。筆者の齋藤孝は1960年生まれ。明治大学文学部の教授で、教育学者。非常に多くの著作があるが、代表作は 『声に出して読みたい日本語』あたりかな。 って、書いてて既視感あるなと思ったら、以前に…

『ライトノベル★めった斬り!』ゼロ年代初めに登場したライトノベル振り返り本

ライトノベルに脚光があたり始めたころのガイドブック 2004年刊行。子ども向け、オタク向けの小説未満的な存在と捉えられがちだったライトノベル。しかし、2000年代に入ってからレーベル数が増え、刊行点数も飛躍的に伸びていく。この時期。『ライトノベル完…

『DOOMSDAY 審判の夜』津村巧 第22回メフィスト賞受賞作

津村巧のデビュー作 2001年刊行作品。第22回のメフィスト賞受賞作である。著者HPによると、応募時タイトルは『SURVIVOR―生存者―』。残念ながらノベルス版のみで、文庫版は刊行されていない。 作者の津村巧は1970年生まれ。本作以前に、光文社主催の公募アン…

『零崎双識の人間試験』西尾維新 「人間」シリーズ開幕編

戯言シリーズからのスピンアウト 2004年刊行作品。講談社BOOK倶楽部に2002年12月から2003年5月にかけて連載されていたものを加筆修正の上で書籍化したもの。戯言シリーズ初の外伝的な作品である。イラストは、戯言シリーズ同様に竹が担当している。 「人間」…

『あだたら卓球場決闘ラブソング』野村美月 「卓球場」シリーズ第三弾

「卓球場」シリーズの三作目 2003年刊行作品。『赤城山卓球場に歌声は響く』『那須高原卓球場純情えれじ~』「卓球場」シリーズの三作目。野村美月としては五作目の作品ということになる。 相変わらず書影の解像度が低すぎるけど、Amazon先生何とかして欲し…

『魔性の子』小野不由美 「十二国記」エピソードゼロ作品

『魔性の子』三つのバージョン 1991年に、今は亡き、新潮文庫のファンタジーノベル・シリーズから刊行された作品である。ファンタジーノベル版時代の表紙はこちら。表紙上部に「ファンタジーノベル・シリーズ」と入っている。この時点で、既に菊地秀行の解説…

メルカリで本を高く売るコツ(利益、値付、発送、NGポイント)

古本はメルカリで売るのがお得! 三か月で115冊、45,000円分の売り上げを出したノウハウを公開しています。NGポイントもアリ。 メルカリで売れる本、売れにくい本。高く売るコツ、お勧めの発送方法をご紹介。

『放課後の記憶』森真沙子 25年の歳月を経て明らかになる真実

立風書房から出ていた森真沙子作品 1994年作品。今は亡き立風書房(りっぷうしょぼう)からの刊行。残念ながら文庫化はされておらず、現在では読むのが困難作品である。電子書籍化も無し。 軽くググってみたが、ほとんどレビューが見当たらない。インターネ…

『傀儡后』牧野修 醜悪さも突き詰めると美に変る

日本SF大賞受賞作品 2002年刊行。同年の第23回日本SF大賞を受賞。そして、ベストSF2002では国内部門8位にランクインしている作品である。 ハヤカワ文庫版は2005年に登場している。 傀儡后 (ハヤカワJA) 作者: 牧野修 出版社/メーカー: 早川書房 発売日: 2005…

『糞袋』藤田雅矢 タイトルが強烈過ぎる!!

藤田雅矢のデビュー作 1995年刊行作品。第七回日本ファンタジーノベル大賞の優秀賞受賞作である。ちなみにこの年のファンタジーノベル「大賞」は該当作なしであった。 なお、『糞袋』はもちろん「くそぶくろ」と読む。糞袋とは、糞を包んでいる袋、つまり人…

『不気味で素朴な囲われたきみとぼくの壊れた世界』西尾維新 「世界」シリーズ第四弾

「世界」シリーズの第四作、以後未完 2008年刊行作品。「世界」シリーズ四作目。タイトル22文字もあって長ええ。 このシリーズ、奇数巻は櫃内くんと病院坂黒猫の話、偶数巻は串中弔士(くしなかちょうし)と病院坂迷路(バックアップ含む)を中心とした構成…

『那須高原卓球場純情えれじ~』野村美月 「卓球場」シリーズ第二弾

「卓球場」シリーズの二作目 2002年刊行作品。『赤城山卓球場に歌声は響く』に続く、野村美月の「卓球場」シリーズの続編である。Amazonの書影小さっ!古い作品だからってあんまりだ。エンターブレイン(KADOKAWA)の人、人気作家なんだから初期作品も大事に…

『月長石の魔犬』秋月涼介 第20回のメフィスト賞受賞作品

秋月涼介のデビュー作 2001年刊行。第20回のメフィスト賞受賞作品である。 作者の秋月涼介は1971年生まれ。『月長石の魔犬』以降、2002年に『迷宮学事件』2004年に『紅玉の火蜥蜴』2006年に『消えた探偵』を、いずれも講談社ノベルスから上梓。しかしいずれ…

『羊と鋼の森』宮下奈都 唯一無二の「森」に出会えた人生

第13回本屋大賞受賞作 2015年刊行作品。第13回の本屋大賞受賞作品。『羊と鋼の森』は「ひつじとはがねのもり」と読む(わりとそのまんま)。文庫の帯なんかだと「伝説の三冠を達成!」などとあるが、本屋大賞のほかに、第4回ブランチブックアワード大賞2015、…

『夏草の記憶』トマス・H・クック、屈指のビターエンド作品

2000年版「このミス」海外部門で第三位 1999年刊行。トマス・H・クックは1947年生まれのアメリカ人作家。本作が12作目。オリジナルの米国版1995年の刊行。原題は「Breakheart Hill」である。2000年版「このミス」海外部門で第三位に入った作品。 本作は1960年…

『暴走するネット広告』知っておきたい不正広告の仕組み

「クローズアップ現代+」の放映内容を書籍化 2019年刊行。本書はNHK「クローズアップ現代+」にて放映された三つの番組、「追跡! 脅威の“海賊版”漫画サイト」「追跡! ネット広告の“闇”」「追跡! “フェイク”ネット広告の闇」の取材内容をまとめて書籍化した…

『新選組血風録』司馬遼太郎による新撰組オールスター短編集

半世紀以上前に書かれた司馬遼太郎の傑作 1964年刊行作品。1962年に「小説中央公論」誌に連載されていた作品である。 さすがに当時の書籍はAmazonでも売っていないので、新装改版の方をリンク。 新装改版 新選組血風録 作者: 司馬遼太郎 出版社/メーカー: 中…

『きみとぼくが壊した世界』西尾維新 「世界」シリーズ第三弾

「世界」シリーズの第三作 2008年刊行作品。初出は「メフィスト」。今回、話としては別にどうでもいいんです的な内容。内容は無いよう。 『不気味で素朴な囲われた世界』に続く「世界」シリーズ三作目。前回はチョイ役扱いに甘んじていた病院坂黒猫だが、今…

『赤城山卓球場に歌声は響く』野村美月のデビュー作

卓球場シリーズの第一作 2002年刊行作品。野村美月のデビュー作である。エンターブレインの第3回えんため大賞小説部門最優秀賞に輝いたのが本作。 以後、『那須高原卓球場純情えれじ〜 』『あだたら卓球場決闘ラブソング』『神宮の森卓球場でサヨナラ』と続…

『榛家の伝説』佐々木丸美、最後の作品

「孤児」シリーズ、「館」シリーズと続いてきた、佐々木丸美作品の全作レビューだが、本日は「館」シリーズのスピンアウト的な作品である「伝説」シリーズから、『榛(はしばみ)家の伝説』をお届けしたい。 前作である『橡家の伝説』の内容にも言及している…

『この橋をわたって』新井素子、作家生活40年目にして初の短編集

新井素子の初?の短編集 2019年刊行作品。2014年から2018年にかけて、新聞、雑誌、ウェブ媒体等に掲載されていた作品をまとめたもの。 新井素子にしては珍しい、特定のシリーズ、テーマに囚われない短編集。あれ、短編集って新井素子的には初めて? って、思…