ネコショカ

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『メアリ・ジキルとマッド・サイエンティストの娘たち』シオドラ・ゴス ヴィクトリア朝時代のガールズトークが楽しい!

「アテナ・クラブの驚くべき冒険」シリーズの一作目 2020年刊行作品。作者のシオドラ・ゴス(Theodora Goss)は1968年生まれ。ハンガリー出身のアメリカ人作家である。 『メアリ・ジキルとマッド・サイエンティストの娘たち』は、オリジナルの米国版が2017年に…

『楽園とは探偵の不在なり』斜線堂有紀 二人殺せば地獄行きの世界で連続殺人は可能か?

斜線堂有紀、初のハードカバー作品? 2020年刊行作品。作者の斜線堂有紀(しゃせんどうゆうき)は1993年生まれ。『キネマ探偵カレイドミステリー』で電撃小説大賞の「メディアワークス文庫賞」を受賞し、2017年に作家デビューを果たしている。 当初はメディ…

『リライト』法条遥 エスエフ史上最悪のパラドックスとは??

SF

re〜シリーズの一作目 2012年刊行作品。ハヤカワSFシリーズ Jコレクションレーベルからの刊行。 作者の法条遥(ほうじょうはるか)は1982年生まれ。『バイロケーション(応募時タイトルは「同時両所存在に見るゾンビ的哲学考」)』が、日本ホラー小説大賞の…

『山ん中の獅見朋成雄』舞城王太郎が描く異界往還譚

ミステリの制約から解き放たれた舞城王太郎作品 2003年刊行作品。講談社の文芸誌「群像」の2003年7月号に掲載された作品を単行本化したもの。舞城王太郎(まいじょうおうたろう)としては、七作目の作品。一つ前に刊行された『阿修羅ガール』は三島由紀夫賞…

『復活の地3』小川一水 復興半ばで起こる新たな事態にどう備える

『復活の地』シリーズの完結編 2004年刊行。第一巻、第二巻と毎週月曜日にお届けしてきた、小川一水による、大都市災害復興シミュレーション小説の最終巻である。最後の巻になって、ようやくセイオとスミルのツーショット表紙が登場。これはちょっと嬉しい。…

『閻魔堂沙羅の推理奇譚 落ちる天使の謎』木元哉多 落ちてくる美少女は死亡フラグ

「閻魔堂沙羅の推理奇譚」シリーズの五作目 「閻魔堂沙羅の推理奇譚」シリーズの全巻読破企画の五回目。 本作は2019年に刊行されている。木元哉多(きもとかなた)の五作目の作品である。デビュー二年で五冊刊行とはあいかわらず凄まじい執筆速度である。一…

『むかしむかしあるところに、死体がありました。』青柳碧人

2020年本屋大賞の第10位! 2019年刊行作品。筆者の青柳碧人(あおやぎあいと)は1980年生まれ。2009年に数学を題材としたミステリ『浜村渚の計算ノート』で、講談社Birth小説部門を受賞し小説家デビューを果たしている。デビューしてからの十年で、作品数は3…

『復活の地2』小川一水 復興院の総裁にはなってみたけれど……

『復活の地』シリーズの第二作 2004年刊行作品。先週に引き続き、小川一水の『復活の地』シリーズ全三巻の連続感想をお届けしたい。 『復活の地』はエスエフ仕立ての大都市災害復興シミュレーションだ。未曽有の大震災からいかにして人々を守り、都市を復興…

『三体2 黒暗森林』劉慈欣 面壁者VS破壁人、シリーズ二作目は頭脳バトルだ!

三体シリーズ三部作の第二作 2020年刊行作品。オリジナルの中国版は2008年に刊行。劉慈欣(りゅうじきん/リウツーシン)による三体(地球往事)三部作の第二作。『三体』の続編にあたり、最終第三作の『三体3 死神永生』へと繋がっていく作品である。 解説は…

『死なない生徒殺人事件~識別組子とさまよえる不死~』野崎まど 不死は存在するのか?

野崎まどの第三作 2010年刊行作品。野崎まどとしては、『[映] アムリタ 』『舞面真面とお面の女』に続く三作目の作品である。 その後、野崎まどが売れっ子になるに伴い、2019年に新装版が登場している。現在買うならこちら。 死なない生徒殺人事件 ~識別組…

『少年検閲官』北山猛邦 本がこの世から消えた世界で

少年検閲官シリーズの一作目 2007年刊行作品。作者の北山猛邦(きたやまたけくに)とは1979年生まれ。デビュー作は2002年刊行、第24回のメフィスト賞を受賞した『「クロック城」殺人事件』である。その後、城シリーズとして『「瑠璃城」殺人事件』『「アリス…

『復活の地1』小川一水 大震災からの復興物語

『復活の地』シリーズの第一作 なんとなく、毎週月曜は続き物作品の紹介を続けている。先週で『導きの星』四部作の紹介が終わったので、今週からは同じく小川一水作品である『復活の地』全三巻の感想をお届けしたい。 本作は2004年刊行。ベストSF2004国内部…

『ちょっと今から仕事やめてくる』北川恵海 全ての人に「ヤマモト」が居てほしい

北川恵海のデビュー作 2015年刊行作品。作者の北川恵海(きたがわえみ)は1981年生まれ。本作が第21回電撃大賞の電撃小説大賞部門〈メディアワークス文庫賞〉を受賞し、作家デビューを果たしている。マイナビの記事によると2019年1月の時点で70万部!の大ベ…

『あなたの人生の物語』テッド・チャン 「地獄とは神の不在なり」も収録されてます!

テッド・チャンの最初の著作 2003年刊行作品。オリジナルの米国版は1998年刊行で原題は『Story of Your Life』。 作者のテッド・チャン(Ted Chiang/姜峯楠)は中国系のアメリカ人作家で1967年生まれ。極端な寡作で知られる作家で、つい最近までは本作しか著作…

『イニシエーション・ラブ』乾くるみ 原作、映画版、オーディブル版のネタバレ感想

乾くるみ「イニシエーション・ラブ」のネタバレ感想。静岡県小説、80年代小説としての特徴について書いてみた。 原作とラストが違う映画版、更にオーディブル(オーディオドラマ)版の感想もあります。

『導きの星4 出会いの銀河』小川一水 更に物語の深みが増すシリーズ最終巻!

「導きの星」シリーズ全四巻、完結! 第一巻「目覚めの大地」 、第二巻「争いの地平」、第三巻「災いの空」と、毎週月曜日に続けてお届けしてきた、小川一水初期の名作『導きの星』シリーズの連続紹介も遂に最終巻。本日は、第四巻「出会いの銀河」をご紹介…

『絶対猫から動かない』新井素子 「いつか猫になる日まで」50'sとして懐かしく読む

新井素子としては珍しい雑誌連載作 2020年刊行作品。KADOKAWAの電子メディア文芸誌「文芸カドカワ」に2017年1月号~2019年8月号まで。「文芸カドカワ」の後継媒体である「カドブンノベル」の2019年9月号~12月号まで連載されていた作品を単行本化したもの。 …

『パラ・スター Side 百花/Side 宝良』阿部暁子 目の前のたった一人のために

阿部暁子、久しぶりの新刊! 2019年は一冊も新作が出なかった阿部暁子(あべあきこ)。2018年の『また君と出会う未来のために』以来、久しぶりの新作オリジナル小説となる。『どこよりも遠い場所にいる君へ』『また君と出会う未来のために』のシリーズは人気…

『閻魔堂沙羅の推理奇譚 点と線の推理ゲーム』木元哉多 沙羅ちゃんの日常が明らかに!

「閻魔堂沙羅の推理奇譚」シリーズの四作目 「閻魔堂沙羅の推理奇譚」シリーズの全巻読破企画の四回目をお届けしたい。 本作は2018年刊行作品。木元哉多(きもとかなた)の四作目の作品である。この作家のデビュー年は2018年なので、なんとこの時点で四冊目…

『導きの星3 災いの空』小川一水 航空機の登場と世界の危機

「導きの星」シリーズの第三作 第一巻「目覚めの大地」 、第二巻「争いの地平」と、毎週月曜日に続けてお届けしてきた、小川一水初期の名作『導きの星』シリーズの連続紹介。本日は第三巻「災いの空」をお届けしたい。2003年に刊行された作品である。二十年…

『サマー/タイム/トラベラー』新城カズマ 夏に読みたい青春エスエフ小説

夏に読みたい時間モノ 2005年刊行作品。第37回星雲賞日本長編の部の受賞作である。作者の新城(しんじょう)カズマは1991年から富士見ファンタジア文庫で上梓された『蓬莱学園』シリーズがデビュー作(懐かしい)。 本作は、タイトルの通り「夏」に読んでお…

『蜜の森の凍える女神』関田涙 第28回のメフィスト賞受賞作&ヴィッキーシリーズ三部作

当ブログ開始初期からの不定期連載企画、メフィスト賞作品、全作感想書くぞシリーズも今回で31作目。メフィスト賞は現在第62回まで開催されているので(2020年8月現在)、これでようやく半分。先が長すぎる! 本日、第28回のメフィスト賞受賞作、関田涙『蜜…

『天盆(てんぼん)』王城夕紀 盤戯の優劣で立身が決まる世界の物語

王城夕紀のデビュー作 2014年刊行作品。王城夕紀(おうじょうゆうき)は1978年生まれ。本作の元となった「天の眷属」にてC★NOVELS大賞特別賞を受賞し作家デビューを果たしている。 C★NOVELS大賞系の作品であるわりには、単行本版のデザインが個人的にかなー…

『閻魔堂沙羅の推理奇譚 業火のワイダニット』木元哉多 どうして彼は殺されたのか?

「閻魔堂沙羅の推理奇譚」シリーズの三作目 2018年刊行作品。先月から開始した「閻魔堂沙羅の推理奇譚」シリーズの全作読破企画の三回目である。作者の木元哉多(きもとかなた)としてもこれが三作目。2018年はこのシリーズ、いきなり四冊も刊行されているん…

『導きの星2 争いの地平』小川一水 種の発展に争いは避けられないのか?

「導きの星」シリーズの第二作 2002年刊行作品。先週から始めている小川一水の「導きの星」シリーズの、連続感想二回目である。全四回であと二冊分あるので、しばしお付き合いいただければと。 おススメ度、こんな方におススメ! おすすめ度:★★★★(最大★5…

『儚い羊たちの祝宴』米澤穂信 ラスト一行の衝撃にこだわった連作短編集

ラスト一行で落ちるミステリは本書だけ! 2008年刊行作品。新潮社の文芸誌『小説新潮』に掲載された4編に、書下ろし1編を加えて上梓されたもの。 単行本版の帯には以下のような記載がある。 ミステリの醍醐味と言えば、終盤のどんでん返し。中でも、「最後の…

『そして、ユリコは一人になった』貴戸湊太 『このミステリーがすごい!』大賞、U-NEXT・カンテレ賞作品

貴戸湊太のデビュー作 2020年刊行作品。作者の貴戸湊太(きどそうた)は1989年生まれ。本作がデビュー作となる。第18回の『このミステリーがすごい!』大賞、U-NEXT・カンテレ賞の受賞作。 U-NEXT・カンテレ賞は、この第18回から新たに設けられた枠で、ネット配…

『告白』湊かなえは、デビュー作から凄かった!(映画版の感想つき)

湊かなえのデビュー作『告白』のあらすじと、ネタバレ感想、考察。350万部も売れた大ベストセラーで、2009年の本屋大賞受賞作。 松たかこ主演、中島哲也監督の映画版についても感想と、キャスト一覧を記載しています。 本作では異なる人物の「告白」によって…

『導きの星1 目覚めの大地』小川一水 異種文明の歴史を見守る公務員が主人公

北方「水滸伝」の連続感想がようやく終わったので、今週からはジャンルをガラッと変えて、小川一水のこちらの作品をご紹介したい。 小川一水作品はここからガチ 2002年刊行作品。ハルキ文庫のヌーヴェルSFシリーズからの登場。全四巻の『導きの星』シリーズ…

『夏の王国で目覚めない』彩坂美月 ひと夏のクローズドサークルツアー

彩坂美月の第三作、本格ミステリ大賞の候補作 2011年刊行作品。作者の彩坂美月(あやさかみつき)は1981年生まれのミステリ作家。デビュー作は2009年の『未成年儀式』(富士見ヤングミステリー大賞に準入選、後に改稿改題の上で『少女は夏に閉ざされる』とし…