SF
本日ご紹介するのは 佐々木丸美の「館」シリーズの外伝的な作品、『橡家の伝説』である。「館」シリーズについてもネタバレしているので、未読の方はお気をつけ頂きたい。 「伝説」シリーズの一作目 1982年刊行作品。『橡(つるばみ)家の伝説』は佐々木丸美…
早川書房の夏のセールがやってきた! 早川書房の電子書籍化されている1,500作品についてセールが始まったので、本ブログで紹介した作品の中から、おススメを14作セレクトしてみた。今回は海外作品のみが対象となっている。翻訳作品は国内作品と比べると高額…
アニメ『ラーゼフォン』のシェアワールドノベル 2002年刊行作品。今は亡き徳間デュアル文庫からの登場。 作者の神林長平(かんばやしちょうへい)は1953年生まれのエスエフ作家。 『ラーゼフォン』は2002年に放映されたアニメーション作品。『エヴァンゲリオ…
菅浩江版ダーティペア?「センチメンタル・センシティブ」シリーズ 本日は平成初期のライトノベル作品をお届けしたい。 菅浩江(すがひろえ)の「センチメンタル・センシティブ」シリーズは1990年~1991年にかけて、角川スニーカー文庫から刊行された作品群…
『ゼーガペイン』の語られざるエピソード 2019年刊行作品。もともとはサンライズのWebサイト矢立文庫に『エンタングル:ガール 舞浜南高校映画研究部』のタイトルで、2016年~2017年にかけて連載されていた作品を大幅に加筆修正のうえで単行本化したもの。 …
高野史緒はこの作品でデビュー 1995年刊行作品。第6回の日本ファンタジーノベル大賞の最終候補作に加筆修正したもの。作者の高野史緒(たかのふみお)は1966年生まれの小説家。本作『ムジカ・マキーナ』にて作家デビューを果たしている。エスエフ要素の強い歴…
恩田陸、三冊目の短編集 2007年刊行作品。実業之日本社の小説誌「ジェイ・ノベル」に掲載されていた作品14編に、書き下ろし1編を加えて単行本化したもの。 『図書室の海』『朝日のようにさわやかに』に続く、恩田陸三作目の短編集である。 いのちのパレード …
伴名練(はんなれん)『なめらかな世界と、その敵』に収録されている6編全てのあらすじ(内容)と、ネタバレ感想を収録しています。文庫版にも対応。
「裏世界ピクニック」シリーズの七作目! 宮澤伊織(みやざわいおり)による「裏世界ピクニック」シリーズの第七弾となる。2021年の12月に刊行された作品。2021年は3月に第六巻が出たばかりなので、刊行ペースの速さに驚かされる。さすがはライトノベル畑の…
岩本隆雄の第四作 2001年刊行作品。今は亡きソノラマ文庫からの登場だった。上中下巻の三巻構成。イラストは小菅久実(こすがくみ)が担当している。 作者の、岩本隆雄(いわもとたかお)は1990年に第1回の日本ファンタジーノベル大賞で最終候補作となった『…
「裏世界ピクニック」シリーズの六作目! 2021年刊行作品。宮澤伊織(みやざわいおり)の人気作、「裏世界ピクニック」シリーズの第六弾にあたる。 既刊の感想はこちらから。 『裏世界ピクニック ふたりの怪異探検ファイル』 『裏世界ピクニック2 果ての浜辺…
『恥知らずのパープルヘイズ』は『ジョジョの奇妙な冒険』第五部の外伝的な作品である。このブログは基本的にネタバレありで感想を書いているが、本エントリでは、更に加えてジョジョ第五部の内容についてもネタバレしているので、未読の方はお気を付けを。 …
吉川良太郎のデビュー作 2001年刊行作品。第二回日本SF新人賞受賞作。作者の吉川良太郎(よしかわりょうたろう)は1976年生まれのエスエフ作家。本作、『ペロー・ザ・キャット全仕事』がデビュー作となる。 日本SF新人賞は日本SF作家クラブが主催し、徳間書店…
「裏世界ピクニック」シリーズの第五弾 2020年刊行作品。『裏世界ピクニック ふたりの怪異探検ファイル』『裏世界ピクニック2 果ての浜辺のリゾートナイト』『裏世界ピクニック3 ヤマノケハイ』『裏世界ピクニック4 裏世界夜行』に続くシリーズ第五弾である…
驚愕の超絶展開が楽しめる一作 2002年刊行作品。単行本版はソニーマガジンズから。 作者のコニー・ウィリス(Constance Elaine Trimmer Willis)は1945年生まれのアメリカ人SF作家である。 原著『PASSAGE』は2001年に米国で刊行されている。米国ローカス賞のS…
空木春宵、初の作品集 2021年刊行作品。東京創元社のミステリ誌『ミステリーズ!』や、アンソロジーシリーズ「GENESiS」、Webメディアの「Webミステリーズ!」などに掲載されていた作品を単行本化したもの。早川書房の『SFが読みたい! 2022年版』の「ベストSF…
エスエフ作品の刊行が相次いだ2002年の恩田陸作品 2002年刊行作品。集英社「小説すばる」に2000年11月号から2002年1月号にかけて連載されていた作品を単行本化したもの。サブタイトルは「FEBRUARY MOMENT」。 ねじの回転 FEBRUARY MOMENT 作者:恩田 陸 集英…
邦題タイトルがかっこいい! 1953年作品。オリジナルの米国版のタイトルは『The Lights in the Sky Are Stars』。 筆者のフレドリック・ブラウン(Fredric William Brown)は1906年生まれのアメリカ人作家。1972年に亡くなられている。 最初のハヤカワ文庫版1…
ライトノベルの軛から解き放たれた秋山瑞人作品 先日の『龍盤七朝 DRAGONBUSTER 02』で秋山瑞人(あきやまみずひと)の全6作14冊の作品レビューを終えた。しかし、秋山瑞人には文庫に収録されていない作品が二つある。本日この二作についてご紹介したい。 秋…
2007年のピューリッツァー賞受賞作 オリジナルの米国版は2006年刊行で原題は『The Road』とそのまんま。 邦訳版は2008年に単行本版が早川書房から刊行されている。訳は黒原敏行(くろはらとしゆき)。 ザ・ロード 作者:コーマック・マッカーシー 早川書房 Am…
秋山瑞人初のオリジナル作品 2000年刊行。第32回の星雲賞日本長編部門の最終候補作。 『E.G.コンバット』そして、『鉄コミュニケイション』と、電撃レーベル内でノベライズ作品を手掛けてきた秋山瑞人が、初めて手掛けたオリジナル作品である。 『鉄コミュニ…
池上永一の第四作 2000年刊行。『バガージマヌパナス』『風車祭』『復活、へび女』(後に改題されて『あたしのマブイ見ませんでしたか』)に続く池上永一の四作目である。 早川書房の『SFが読みたい!』2001年版で、国内部門の第2位にランクイン。2001年版の…
ジャンプジェイブックス時代の小川一水作品 小川一水(おがわいっすい)は、河出智紀名義で1996年10月に『まずは一報ポプラパレスより』を上梓していて実質的にはこれがこの作家のデビュー作。続いて『まずは一報ポプラパレスより2』 が1998年の4月に出てお…
ジャック・フィニイの代表作 1979年刊行作品。作者のジャック・フィニイは1911年生まれのアメリカ人エスエフ作家。1995年に亡くなられている。オリジナルの米国版は1955年の作品で原題は『The Body Snatchers』 盗まれた街 (ハヤカワ文庫 SF 333) 作者:ジャッ…
三体シリーズ三部作の完結編 2021年刊行作品。オリジナルである中国版は2008年に刊行。『三体』『三体2 暗黒森林』の続編。劉慈欣(りゅうじきん/リウツーシン)による三体(地球往事)シリーズ三部作の最終作にあたる。死神永生は「ししんえいせい」と読む…
日本ファンタジーノベル大賞の優秀賞作品 1999年刊行作品。第11回日本ファンタジーノベル大賞の優秀賞受賞作品。作者の森青花(もりせいか)は1958年生まれ。第二作は2003年の『さよなら』。 表紙イラストは吾妻ひでお。インパクト強いなあこの表紙は。新井…
川崎康宏の電撃文庫作品 2004年刊行作品。作者の川崎康宏(かわさきやすひろ)は1968年生まれのライトノベル作家。第5回の富士見ファンタジア長編小説大賞に『銃と魔法』が準入選し、同作で1994年に富士見ファンタジア文庫からデビューを果たす。銃の世界と…
小川一水の初期作品集 2005年刊行。ベストSF2005国内部門第一位の作品。小川一水(おがわいっすい)としては、初の短編集となる。 初出は「ギャルナフカの迷宮」が同人誌「Progressive25」。「老ヴォールの惑星」「幸せになる箱船」が「SFマガジン」。最後の…
伊都工平の第二作 『天槍の下のバシレイス(てんそうのしたのバシレイス)』は2004年刊行作品。今は亡きメディアワークスのライトノベル小説誌「電撃hp」のvol28~31に連載されていた作品に追加短編三本。更に最終章の書き下ろしが追記されたもの。上下巻…
高野史緒の第二作 1996年刊行作品。第6回日本ファンタジーノベル大賞の最終候補作となった『ムジカ・マキーナ』に続く、高野史緒(たかのふみお)の第二作。 単行本版の刊行から二十年近く、長期にわたって入手困難な状態が続いていたが、講談社文庫版が2013…