ネコショカ

小説以外は別Blogにしました!
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SF

『老ヴォールの惑星』小川一水 硬軟取り混ぜた第一短編集

小川一水の初期作品集 2005年刊行。ベストSF2005国内部門第一位の作品。小川一水(おがわいっすい)としては、初の短編集となる。 初出は「ギャルナフカの迷宮」が同人誌「Progressive25」。「老ヴォールの惑星」「幸せになる箱船」が「SFマガジン」。最後の…

『天槍の下のバシレイス まれびとの棺』伊都工平 生活水準が1960年代レベルまで退行した世界での学園バトルもの

伊都工平の第二作 『天槍の下のバシレイス(てんそうのしたのバシレイス)』は2004年刊行作品。今は亡きメディアワークスのライトノベル小説誌「電撃hp」のvol28~31に連載されていた作品に追加短編三本。更に最終章の書き下ろしが追記されたもの。上下巻…

『カント・アンジェリコ 』高野史緒 カストラートの歌声と、絶対王政時代のハッキングバトル

高野史緒の第二作 1996年刊行作品。第6回日本ファンタジーノベル大賞の最終候補作となった『ムジカ・マキーナ』に続く、高野史緒(たかのふみお)の第二作。 単行本版の刊行から二十年近く、長期にわたって入手困難な状態が続いていたが、講談社文庫版が2013…

『E.G.コンバット』秋山瑞人、未完のデビュー作、『E.G. Final』はいつ出るんだ~

秋山瑞人、未完の大作「E.G.コンバット 」1~3のあらすじと感想。完結編Finalについての情報についても書きました。

『さよならも言えないうちに』川口俊和 「コーヒーが冷めないうちに」シリーズの四作目!

シリーズ、三年ぶりの新作 2021年刊行作品。『コーヒーが冷めないうちに』『この嘘がばれないうちに』『思い出が消えないうちに』に続くシリーズ四作目。三年ぶりの新作である。川口俊和(かわぐちとしかず)の小説作品としては本作が四冊目。この人、このシ…

『鉄(くろがね)コミュニケイション』秋山瑞人の第二作はノベライズの域を超えた傑作!

電撃G's文庫から電撃文庫に移籍した作品 1998年刊行。『鉄(くろがね)コミュニケイション』は秋山瑞人(あきやまみずひと)の第二作品である。 最初は電撃文庫で、美少女系のノベライズ等を専門に出していた電撃G's文庫から世に出ている。それがこちら。1巻…

『クリスタルサイレンス』藤崎慎吾 ベストSF1999国内部門第1位作品

SF

藤崎慎吾のデビュー作品 1999年作品。単行本版は朝日ソノラマから刊行。早川書房のベストSF1999(「SFが読みたい2000」)では『グッドラック 戦闘妖精・雪風』を抑えて国内部門第1位に輝いている。 作者の藤崎慎吾(ふじさきしんご)は1962年生まれの小説家…

『吹け、南の風』秋山完 圧倒的な敵勢力VS不正規部隊の戦いを描く良作

秋山完の大長編作品 今週のお題「読書の秋」に引き続き便乗。本日は秋山完(あきやまかん)の大長編作品『吹け、南の風』全三巻を一気にご紹介したい。 『吹け、南の風』は2001年~2003年にかけて、今は亡きソノラマ文庫から刊行されたエスエフシリーズ。秋…

『<柊の僧兵>記』菅浩江のデビュー二作目

ソノラマ文庫版とデュアル文庫版がある 1990年刊行作品。最初はソノラマ文庫からの登場。この時の表紙イラストは加藤洋之(かとうひろゆき)&後藤啓介(ごとうけいすけ)。『ゆらぎの森のシエラ』に続く、菅浩江(すがひろえ)の第二作である。ちなみに『<…

『導きの星』小川一水 異種文明を見守る公務員が主人公、全四巻を一気に紹介

別々のページに書いていた『導きの星』の感想をひとつの記事にまとめました。旧記事はいずれ削除する予定。 小川一水作品はここからガチ 2002年刊行作品。ハルキ文庫のヌーヴェルSFシリーズからの登場。全四巻の『導きの星』シリーズを、「1目覚めの大地」「…

『クロノス・ジョウンターの伝説』梶尾真治 7回書籍化された人気作品

四半世紀の間に7冊! もともとは1994年に朝日ソノラマより刊行されていた作品。朝日ソノラマの、今は亡き小説誌『グリフォン』に掲載されていた作品(「吹原和彦の軌跡」に相当)に、「布川輝良の軌跡」を追加したもの。 クロノス・ジョウンターの伝説 作者:…

『復活の地』小川一水 大震災からの復興物語

小川一水による大都市災害復興シミュレーション 本日は小川一水(おがわいっすい)による『復活の地』全三巻の感想を一気にお届けしたい。『復活の地』は2004年刊行。ベストSF2004国内部門第三位の作品である。 『復活の地』はエスエフ仕立ての大都市災害復…

『天象儀の星』秋山完の初期作品集を堪能する

最初期の秋山完作品を楽しめる 秋山完(あきやまかん)は1995年の『ラストリーフの伝説』がデビュー作。作品数は現時点で11作。良い作品をいくつも書いている作家さんなのだけど、2005年の『プリンセスの義勇海賊(シュバリエ)』以降新作が無いのがとても残…

『ネリマ大好き』新井素子 練馬生まれ、練馬育ち、練馬在住民による練馬大好きエッセイ

濃厚な練馬愛に包まれる至福?の一冊 1992年刊行作品。作者の新井素子は練馬生まれの練馬育ち。高校は練馬区上石神井にある井草高校で、大学は立教。西武池袋線文化圏にどっぷり浸かって生きてきたような人間で、とにかく地元大好き。濃厚なネリマ愛が全編に…

『思い出が消えないうちに』川口俊和 明日世界が終るとしても

三年ぶりのシリーズ最新作『さよならも言えないうちに』が出たので、過去記事を再プッシュ。本日はシリーズ三作目の『思い出が消えないうちに』を再度ご紹介したい。 不思議な喫茶店の物語第三弾 2018年刊行作品。『コーヒーの冷めないうちに』『この嘘がば…

『空ノ鐘の響く惑星で』渡瀬草一郎 全12巻+外伝1巻のネタバレ感想まとめ

『空ノ鐘の響く惑星で』全巻の感想を集約した タイトルの読みは「そらのかねのひびくほしで」。2003年から始まって2007年に完結した渡瀬草一郎(わたせそういちろう)の代表作だ。愛称は「空鐘(そらかね)」。本編12冊+外伝1冊の大長編作品である。この話…

『火星へ』メアリ・ロビネット・コワル 1960年代の有人火星ミッション

レディ・アストロノートシリーズの長編二作目 2021年刊行作品。作者のメアリ・ロビネット・コワル(Mary Robinette Kowal)は1969年生まれのアメリカ人作家。オリジナルの米国版は2018年に刊行されており原題は『The Fated Sky』である。 昨年紹介した『宇宙(…

『人ノ町』詠坂雄二 科学文明崩壊後の世界を旅する旅人の物語

詠坂雄二が描く終末の世界 2016年刊行作品。詠坂雄二(よみさかゆうじ)としては10作目。前作の『ナウ・ローディング』が2014年刊行だったので、当時としては二年ぶりの新作ということになる。英語タイトルは「MOVER」。 単行本版のカバー超怖いんですけど………

『この嘘がばれないうちに』川口俊和 数ちゃんの秘密が明らかに!

三年ぶりのシリーズ最新作『さよならも言えないうちに』が出たので、過去記事をちょっとだけリライトの手抜き更新二回目(ということは三回目もある)。 『コーヒーの冷めないうちに』の続編が登場 2017年刊行。『コーヒーの冷めないうちに』シリーズの二作…

『コーヒーが冷めないうちに』川口俊和のネタバレ感想!映画版との比較も書きました

久しぶりに新刊が出た! シリーズ四作目。三年ぶりの新作となる『さよならも言えないうちに』が刊行されたので、『コーヒーが冷めないうちに』シリーズを再度ご紹介したい。 オリジナルは演劇作品だった シリーズ一作目となる『コーヒーが冷めないうちに』は…

『ロミオとロミオは永遠に』恩田陸 郷愁と狂騒の20世紀に捧げるオマージュ作品

恩田陸のディストピア学園モノ 2002年刊行作品。早川書房「SFマガジン」の1999年3月号から2000年6月号にかけて掲載されたものを大幅に加筆修正。ハヤカワSFシリーズJコレクションの一冊として刊行されている。カバーイラストはおがわさとし。 ロミオとロミオ…

『海底密室』三雲岳斗 深海4000メートルを舞台とした理系ミステリ

三雲岳斗の「エスエフ×ミステリ」作品 2000年刊行作品。『M.G.H 楽園の鏡像』 で第1回日本SF大賞新人賞を受賞した三雲岳斗(みくもがくと)のSFミステリの第二弾。この時点では9作目の作品。『M.G.H 楽園の鏡像』 の前日譚的な内容となっている。 イラストは…

『M.G.H. 楽園の鏡像』三雲岳斗 SF×ミステリの良作品

本感想、読書ブログはリライトが大切 今週のお題「サボる」に便乗。もうひとつのブログ(非小説系書籍感想)と合わせて、どちらか必ず一方は毎日更新しているようにしているわたくし。 毎日来ていただいている方はお気づきかと思うけど、、当ブログでは旧記…

『この橋をわたって』新井素子、作家生活40年目にして初の短編集

新井素子の初?の短編集 2019年刊行作品。2014年から2018年にかけて、新聞、雑誌、ウェブ媒体等に掲載されていた作品をまとめたもの。 新井素子にしては珍しい、特定のシリーズ、テーマに囚われない短編集。あれ、短編集って新井素子的には初めて? って、思…

上遠野浩平の「ナイトウォッチ」三部作をざっくりと紹介してみる

最初は徳間デュアル文庫から 上遠野浩平(かどのこうへい)の「ナイトウォッチ(Night Watch)」シリーズ三部作は、2000年~2002年にかけて、徳間文庫の今は亡き徳間デュアル文庫から刊行されていた。当時の上遠野浩平は「ブギーポップ」シリーズで電撃文庫…

『こうしてあなたたちは時間戦争に負ける』アマル・エル=モフタール、マックス・グラッドストーン

SF

ヒューゴー賞、ネビュラ賞、ローカス賞、英国SF協会賞、四冠! 2021年刊行作品。オリジナルの米国版は2019年に登場。原題は『This is how you lose the time war』。本作は女性作家アマル・エル=モフタール(Amal El-Mohtar)と男性作家マックス・グラッドスト…

『雨の庭』友浦乙歌 楽園を出て現実を生きるということ

カクヨム、クラウドファンディングを経て刊行された作品 著者である友浦乙歌(ともうらおとか)さんより、ご恵投頂きました。お声がけいただきありがとうございます!ネットでの作品発表を続けている方で、カクヨムなどでこれまでの作品は読むことが出来る。…

『ポストコロナのSF』コロナ後を見据えたSF作家19人の想像力

エスエフ作家の想像力が試されている 先日、はてなのアノニマスダイアリ(通称増田)にこんな投稿があがっていた。 SF的想像力で扱われるパンデミックってだいたい「感染者の9割が死ぬようなヤバいウイルスが蔓延して人類文明崩壊」みたいな話ばかりで、 新…

『時をかける少女』筒井康隆 時間モノのド定番

56年前に書かれた作品! 『時をかける少女』の初出は1965年の「中三コース」(←今はもう亡い)の十一月号。なんと50年以上も前の作品なのだ。昔の記録を調べてみたところ、自分がこの作品を初めて読んだのは1983年の6月13日。1983年の映画版(大林宣彦監督)…

『グラーフ・ツェッペリン 夏の飛行』高野史緒 拡張現実(AR)がつなげる時間と空間

Amazon Publishingから刊行された作品 本作は2018年刊行。Amazon Publishing(prime対応中)から出ているので、現時点では電子書籍のみで出されている作品かと思われる。これからはプロの作家でもこういうのが増えていくのかな。Amazon記載によると、紙の本…