ネコショカ

Blog名変えました。ネコショカは「猫の書架」
雑食系の書評Blogです。なんでも読みます
基本ネタバレありなので注意してね。

SF

終わらない夏の日の物語『イリヤの空 UFOの夏 その2』

シリーズ二作目は文化祭巻! 2001年刊行作品。前作『イリヤの空 UFOの夏 その1』から僅か1ヶ月で早くも続巻が出ていた。当時はこんなに短い間隔で秋山瑞人の新刊が読めていたのである(遠い目)。 でもまあ、元は雑誌連載作品だから順当に出て当然か。…

カストラートの歌声と、絶対王政時代のハッキングバトル『カント・アンジェリコ 』

高野史緒の第二作 1996年刊行作品。第6回日本ファンタジーノベル大賞の最終候補作となった『ムジカ・マキーナ』に続く、高野史緒の第二作。 単行本版の刊行から二十年近く、長期にわたって入手困難な状態が続いていたが、文庫版が2013年に登場している。 カ…

ライトノベルのオールタイムベスト、秋山瑞人『イリヤの空 UFOの夏 その1』

秋山瑞人の四作目にして最高傑作 2001年刊行。『E.G.コンバット』『鉄コミュニケイション』『猫の地球儀』に続く第4作。オリジナル作品としてはこれが第2作となる。ゼロ年代を代表するライトノベル作品であり、オールタイムベストをやっても上位に食い込んで…

一冊まるごとカーテンコール!『空ノ鐘の響く惑星で 外伝 tea party's story』

10年後の物語 2007年刊行。シリーズ13作目。 あれ、先週完結編の『空ノ鐘の響く惑星で12』の紹介があったばかりなのでは?という疑問があるかもしれないが、本作は、本編完結の翌年に上梓された後日譚編なのである。わざわざ、完結してから一年過ぎて、こう…

人類絶滅後、知性を持った猫たちの切ない物語『猫の地球儀』

昨日、今日と、18時更新出来てなくてゴメンナサイ、諸般の事情で、今後は20時(くらい)更新で参ります。 秋山瑞人初のオリジナル作品 2000年刊行。第32回の星雲賞日本長編部門の最終候補作。 『E.G.コンバット』そして、『鉄コミュニケイション』と、電撃レ…

シオドア・スタージョンの『輝く断片』河出の「奇想コレクション」は面白い!

河出書房新社「奇想コレクション」中の1冊 2005年刊行。河出書房新社が刊行していた「奇想コレクション」の第六集にあたる。 「奇想コレクション」は2003年から2013年にかけて、河出書房新社が刊行していた叢書で、海外のエスエフ、ミステリ作家らによる日…

大団円、完璧な王族エンド『空ノ鐘の響く惑星で12』

最終巻の表紙は主役級の三人で 2006年刊行。シリーズ最終作だ。 本シリーズの表紙は、これまで二人の主要キャラクターが描かれ、一巻ごとに登場キャラが入れ替わっていくスタイルだった。しかし、ラストとなる本巻では、表紙の法則性が崩れて、フェリオ、ウ…

結末に向けて収束していく物語世界『空ノ鐘の響く惑星で11』

大長編ラノベ(ソラカネシリーズ)の感想は、本来は火曜日更新だった気がするけど、昨日は年始のあいさつに使ってしまったので、一日ずれて本日になりました。待たれていた方(いるのかな?)、もしいらしたらゴメンナサイ。本日から、平常運転に戻るはず。 …

小川一水のデビュー作『まずは一報ポプラパレスより』シリーズ全二作を読む

実は乙一と同期だった小川一水 本日は『まずは一報ポプラパレスより』シリーズを二作まとめてご紹介したい。 本作は、エスエフ作家、小川一水のデビュー作だが、デビュー当時は河出智紀という筆名で刊行されていた。今は亡き新書サイズの「JUMP jBOOKS」レー…

自らの無力さ故に死なせてしまった女の子を救いたい!『君がいる風景』

表紙のテンションが20世紀だけど、2002年の作品 2002年刊行。作者の平谷美樹(ひらやよしき)は1960年生まれ。名前で勘違いしがちだけど男性作家。学校についての描写に妙にリアリティがあると思ったら、元々は中学校教師であったらしい。なるほどね。現在は…

渡瀬草一郎『空ノ鐘の響く惑星で10』ジラーハ編に突入!

今回は宗教大国ジラーハ編 2006年刊行。シリーズ十作目。今回は神殿の総元締め宗教大国ジラーハ編である。 空ノ鐘の響く惑星で(10) (電撃文庫) 作者: 渡瀬草一郎 出版社/メーカー: KADOKAWA / アスキー・メディアワークス 発売日: 2017/06/24 メディア: Kind…

渡瀬草一郎『空ノ鐘の響く惑星で9』はインターミッション巻?

9巻まで来て、まだ2/3!さすが大長編作品 毎週火曜日のソラカネ感想の日。本日でやっと第9巻。 さすが大長編!二か月かかってもまだ2/3までしか来ていない。週1更新なので、全ての巻を紹介できるのは年明けになりそうだ。 空ノ鐘の響く惑星で(9) (電撃文庫)…

失われた絆の再生と回復を描く『また君と出会う未来のために』

『どこよりも遠い場所にいる君へ』の続編が登場 2018年刊行。昨年出た、『どこよりも遠い場所にいる君へ』の4年後を描いた続編的な作品。主人公は異なるが、前作の主な登場人物たちも登場するので、ご安心を。 また君と出会う未来のために (集英社オレンジ文…

高野史緒『アイオーン』古代ローマが残した核汚染?暗黒の中世を描く歴史改変エスエフ

古代ローマが残した核汚染、暗黒の中世を生きる人々 2002年刊行。高野史緒の六作目。ベストSF2002の国内部門で13位に入った作品。「SFマガジン」に1999年から2002年にかけて散発的に掲載された作品五編に書き下ろし一編、そしてプロローグとエピローグを加筆…

渡瀬草一郎『空ノ鐘の響く惑星で8』意外なキャラクターが活躍?

フォルナム神殿編の裏番組的なエピソード 火曜日なので、ソラカネ感想の日ということで、本日はこちら。 空ノ鐘の響く惑星で(8) (電撃文庫) 作者: 渡瀬草一郎 出版社/メーカー: KADOKAWA / アスキー・メディアワークス 発売日: 2017/06/24 メディア: Kindle…

大人たちの優しさが心にしみるボーイミーツガール『どこよりも遠い場所にいる君へ』

小説読めない病、リハビリ中の一冊 ワカモノ時代は異常なペースで小説の類を読んでいたわたくし。しかしなぜか、ここ10年近く、新しい作家の小説作品が読めずにいた。 やはり高齢化してくると、新しい世界観や設定を受け付けられなくなってくるのか。心密か…

渡瀬草一郎『空ノ鐘の響く惑星で7』フォルナム神殿編の最終章

フォルナム神殿編これにて完結 火曜日は長編ラノベ感想の日(勝手に決めた)。ということで今週もソラカネのお話。本作は2005年刊行。シリーズ七作目。フォルナム神殿編の終章にあたるお話である。 空ノ鐘の響く惑星で(7) (電撃文庫) 作者: 渡瀬草一郎 出版…

ゼナ・ヘンダースン『果てしなき旅路』ひっそりと暮らす異能の人々の物語

往年の名作、連作エスエフ短編集 果てしなき旅路 (ハヤカワ文庫 SF ヘ 8-1 ピープル・シリーズ) 作者: ゼナ・ヘンダースン,深町眞理子 出版社/メーカー: 早川書房 発売日: 1978/07 メディア: 文庫 購入: 2人 クリック: 23回 この商品を含むブログ (13件) を…

渡瀬草一郎『空ノ鐘の響く惑星で6』今回も次が気になる終わり方

フォルナム神殿編が展開中 今週のお題「読書の秋」、火曜日なので恒例のソラカネ感想シリーズ。 空ノ鐘の響く惑星で(6) (電撃文庫) 作者: 渡瀬草一郎 出版社/メーカー: KADOKAWA / アスキー・メディアワークス 発売日: 2017/06/24 メディア: Kindle版 この商…

有川浩の第二作品「空の中」は特撮マインド全開の会心作

二作目にしてハードカバーで登場 今週のお題「読書の秋」、本日はこちら。 2004年刊行。『塩の街』で第10回電撃ゲーム小説大賞を受賞した有川浩の第二作が本書。電撃文庫デビューの作家が、なんと二作目でハードカバーで登場である。この作家のブレイク作品…

新城カズマ「サマー/タイム/トラベラー」は夏に読みたい青春エスエフ小説

夏に読みたい時間モノ 今週のお題「読書の秋」便乗シリーズ。本日はエスエフ作品で攻めてみる。どちらかというと、タイトルの通り「夏」に読んでおきたい一作。表紙イラストの鶴田謙二が素晴らしい。 サマー/タイム/トラベラー (1) (ハヤカワ文庫JA) 作者: …

森見登美彦の「四畳半神話大系」は鴨川デルタへの憧憬が募る傑作

『太陽の塔』と『夜は短し恋せよ乙女』をつなぐ作品 今週のお題「読書の秋」便乗企画、四冊目はこちら。 四畳半神話大系 (角川文庫) 作者: 森見登美彦 出版社/メーカー: KADOKAWA / 角川書店 発売日: 2012/09/01 メディア: Kindle版 この商品を含むブログを…

一国のお話から世界の物語へ『空ノ鐘の響く惑星で5』

三か月に一作新刊が出ていた! 今週のお題「読書の秋」ということで、本日はゼロ年代の誇る、名作ライトノベル作品、「空ノ鐘の響く惑星で」シリーズ、第五巻の感想を書いてみた。 空ノ鐘の響く惑星で(5) (電撃文庫) 作者: 渡瀬草一郎 出版社/メーカー: KADO…

秋山瑞人の二作目「鉄コミュニケイション」はノベライズの域を超えた傑作

電撃G's文庫から電撃文庫に移籍した作品 1998年刊行。鉄(くろがね)コミュニケイション。 最初は電撃文庫で、美少女系のノベライズなんかを専門に出していた電撃G's文庫から世に出ている。それがこちら。1巻なら表紙の左下、2巻なら表紙の右下にG'sのロゴが…

ここでファーストエピソード終了『空ノ鐘の響く惑星で4』

ここでお話的には一区切り なんとなく火曜日は「空ノ鐘の響く惑星で」シリーズの感想をあげる曜日になってきたので、当面はそんな感じで更新していく予定。 空ノ鐘の響く惑星で(4) (電撃文庫) 作者: 渡瀬草一郎 出版社/メーカー: KADOKAWA / アスキー・メデ…

高野史緒「グラーフ・ツェッペリン 夏の飛行」

今週のお題「リラックス」ということで、ひと息つけるタイトルを上げてみる。さくっと読めて、いい感じの読後感。 高野史緒の最新作はAmazon Publishingから グラーフ・ツェッペリン 夏の飛行 (Kindle Single) 作者: 高野史緒 出版社/メーカー: Amazon Publi…

複雑な群像劇が動き始める、渡瀬草一郎『空ノ鐘の響く惑星で3』

表紙絵に二人のキャラクターが登場するのがこの作品のコンセプト 空ノ鐘の響く惑星で(3) (電撃文庫) 作者: 渡瀬草一郎 出版社/メーカー: KADOKAWA / アスキー・メディアワークス 発売日: 2017/06/24 メディア: Kindle版 この商品を含むブログを見る シリーズ…

対照的な二人目のヒロインが輝く!渡瀬草一郎『空ノ鐘の響く惑星で2』

来訪者(ビジター)軍団登場で本格的に面白くなる! 空ノ鐘の響く惑星で(2) (電撃文庫) 作者: 渡瀬草一郎 出版社/メーカー: KADOKAWA / アスキー・メディアワークス 発売日: 2017/06/24 メディア: Kindle版 この商品を含むブログを見る シリーズ二作目。2004…

碩学・大瀧啓裕がガチで読み解く「エヴァンゲリオンの夢」

あの大瀧先生がTV版「エヴァ」をガチで解読 エヴァンゲリオンの夢―使徒進化論の幻影 作者: 大瀧啓裕 出版社/メーカー: 東京創元社 発売日: 2000/08 メディア: 単行本 購入: 1人 クリック: 79回 この商品を含むブログ (18件) を見る 2000年刊行。TV版の『新世…

渡瀬草一郎の傑作長編ファンタジー『空ノ鐘の響く惑星で』全巻レビュー始めるよ

エスエフ風味のファンタジーノベルの名作 空ノ鐘の響く惑星で (電撃文庫) 作者: 渡瀬草一郎 出版社/メーカー: KADOKAWA / アスキー・メディアワークス 発売日: 2017/06/24 メディア: Kindle版 この商品を含むブログを見る タイトルの読みは「そらのかねのひ…