ネコショカ

小説以外は別Blogにしました!
新書・実用書感想Blogビズショカ始めました

SF

『時をかける少女』筒井康隆 時間モノのド定番

56年前に書かれた作品! 『時をかける少女』の初出は1965年の「中三コース」(←今はもう亡い)の十一月号。なんと50年以上も前の作品なのだ。昔の記録を調べてみたところ、自分がこの作品を初めて読んだのは1983年の6月13日。1983年の映画版(大林宣彦監督)…

『グラーフ・ツェッペリン 夏の飛行』高野史緒 拡張現実(AR)がつなげる時間と空間

Amazon Publishingから刊行された作品 本作は2018年刊行。Amazon Publishing(prime対応中)から出ているので、現時点では電子書籍のみで出されている作品かと思われる。これからはプロの作家でもこういうのが増えていくのかな。Amazon記載によると、紙の本…

『君がいる風景』平谷美樹 自らの無力さ故に死なせてしまった女の子を救いたい!

表紙のテンションが20世紀だけど、2002年の作品 2002年刊行。作者の平谷美樹(ひらやよしき)は1960年生まれ。名前で勘違いしがちだけど男性作家。学校についての描写に妙にリアリティがあると思ったら、元々は中学校教師であったらしい。なるほどね。現在は…

『天涯の砦』小川一水 遭難した宇宙船に残された10人のサバイバル

ベストSF2006国内部門第三位 2006年刊行。ベストSF2006国内部門第三位の作品。ハヤカワSFシリーズ・Jコレクションレーベルからの登場であった。 天涯の砦 (ハヤカワSFシリーズ・Jコレクション) 作者:小川 一水 早川書房 Amazon ハヤカワ文庫版は2009年に刊行…

『アイオーン』高野史緒 暗黒の中世を描く歴史改変エスエフ

暗黒の中世を生きる 2002年刊行。高野史緒(たかのふみお)の六作目。ベストSF2002の国内部門で13位に入った作品。「SFマガジン」に1999年から2002年にかけて散発的に掲載された作品五編に書き下ろし一編、そしてプロローグとエピローグを加筆したのが本書。…

『機動戦士ガンダム 閃光のハサウェイ』富野由悠季 劇場版でどう変えてくるのかが気になる!

祝☆劇場版『閃光のハサウェイ』上映開始! コロナ禍で延び延びになっていたが、劇場版『機動戦士ガンダム 閃光のハサウェイ』の上映がようやく開始となった。 本日は『機動戦士ガンダム 閃光のハサウェイ』の小説版の感想を改めて、お届けしたい(過去記事の…

『グアルディア』仁木稔 「HISTORIAシリーズ」の第一作

SF

仁木稔のデビュー作 2004年刊行作品ハヤカワSFシリーズ Jコレクションの一冊として刊行された作品。作者の仁木稔(にきみのる)は1973年生まれのエスエフ作家。本作『グアルディア』がデビュー作となった。ベストSF2004の国内9位の作品。 グアルディア (SFシ…

『海底密室』三雲岳斗 深海4000メートルを舞台とした理系ミステリ

三雲岳斗の「エスエフ×ミステリ」作品 2000年刊行作品。『M.G.H 楽園の鏡像』 で第1回日本SF大賞新人賞を受賞した三雲岳斗(みくもがくと)のSFミステリの第二弾。この時点では9作目の作品となる。 イラストは大本海図(おおもとかいと)が担当している。 徳…

『世界の中心で愛を叫んだけもの』ハーラン・エリスン エヴァ好きとセカチュー好きは読んでおきたい一作

SF

ハーラン・エリスンの代表作 1979年刊行作品。オリジナルの米国版は1969年刊行で原題は『The Beast that Shouted Love at the Heart of the World』。 作者のハーラン・エリスン(Harlan Ellison)は1934年生まれのアメリカ人エスエフ作家。2018年に他界されて…

『火星年代記』レイ・ブラッドベリ 火星移民を巡る26編の連作短編集

ブラッドベリの代表作 オリジナルの米国版は1950年刊行。原題は『The Martian Chronicles』。火星植民をテーマとした連作短編集である。 作者のレイ・ブラッドベリ(Ray Bradbury)は1920年生まれのアメリカ人作家。2012年に亡くなられている。 邦訳版はいく…

『マルドゥック・ヴェロシティ3』冲方丁 壮絶な集団VS集団バトルが燃える!

「ヴェロシティ」の最終巻! 2006年刊行作品。名作『マルドゥック・スクランブル』の前日譚だ。『マルドゥック・ヴェロシティ1』『マルドゥック・ヴェロシティ2』に続く、三冊毎週刊行(当時)の中の最終巻である。 マルドゥック・ヴェロシティ 2 (ハヤカワ文庫…

『マルドゥック・ヴェロシティ2』冲方丁 百鬼夜行の能力バトルを愉しめ!

「ヴェロシティ」の二冊目! 2006年刊行作品。名作『マルドゥック・スクランブル』の前日譚の二冊目である(全三冊)。 マルドゥック・ヴェロシティ 2 (ハヤカワ文庫JA) 作者:冲方 丁 発売日: 2006/11/15 メディア: 文庫 2006年の旧文庫版は現在出回っておら…

川口俊和『思い出が消えないうちに』明日世界が終るとしても

不思議な喫茶店の物語第三弾 2018年刊行作品。『コーヒーの冷めないうちに』『この嘘がばれないうちに』に続く、シリーズの三作目である。 今回の帯によるとシリーズ100万部突破とのこと。スゲー!こういう直球で泣かしに来る作品はやっぱり当たると爆発力が…

『この嘘がばれないうちに』川口俊和 数ちゃんの秘密が明らかに!

『コーヒーの冷めないうちに』の続編が登場 2017年刊行。『コーヒーの冷めないうちに』シリーズの二作目。一作目は演劇作品を小説化したものであったが、続編の本作は最初から小説として書かれたのかなのかな? 本ブログは原則としてネタバレありでお届けし…

『マルドゥック・ヴェロシティ1』冲方丁 「スクランブル」の前日譚が登場!

「マルドゥックシリーズ」シーズン2 2006年刊行作品。冲方丁(うぶかたとう)の人気シリーズ「マルドゥックシリーズ」のシーズン2である。あのウフコックが、あのボイルドが帰ってきた!名作『マルドゥック・スクランブル』の続編、というか前日譚が本作にあ…

『コーヒーが冷めないうちに』川口俊和のネタバレ感想!映画版との比較も書きました

オリジナルは演劇作品だった 2015年刊行。もともとは戯曲として書き下ろされていた作品を、小説として書き直したもの。2017年の本屋大賞では第10位にランクインしている。 コーヒーが冷めないうちに1110プロヂュース主宰の川口俊和が2010年に当時、演劇ワー…

『マルドゥック・スクランブル』冲方丁の大出世作

日本SF大賞&ベストSFのダブル受賞作 2003年刊行作品。2003年の日本SF大賞受賞作。そしてベストSF2003の国内部門でもダントツの第一位を獲得した作品である。 ちなみに冲方丁は「うぶかたとう」と読む。「おきかたちょう」じゃないぞ(最初の頃はそう読んで…

『ハイウイング・ストロール』小川一水 年上の女性との冒険行

ソノラマ文庫時代の小川一水作品 2004年刊行作品。 1996年に『まずは一報ポプラパレスより』でデビューした小川一水は、その後ゼロ年代の前半までは、朝日ソノラマのソノラマ文庫を主要な作品発表媒体としていた。本作はそのうちの一作である。 ハイウイング…

『リビジョン』法条遥 運命に抗おうとした女の運命は

SF

re〜シリーズの二作目 2013年刊行作品。法条遥(ほうじょうはるか)としては五作目。前年に刊行された『リライト』の続編にあたる。その後、『リアクト』『リライブ』と続いていく「re〜」シリーズのセカンドエピソードである。 このブログは基本的にネタバ…

『わたしたちが光の速さで進めないなら』キム・チョヨプ エモーショナルなエスエフ短編集

韓国の新鋭キム・チョヨプのデビュー作 2020年刊行作品。オリジナルの韓国版は2019年刊行で原題は『우리가 빛의 속도로 갈 수 없다면』。作者のキム・チョヨプ(김초엽/金草葉)は1993年生まれの韓国人エスエフ作家。 本作に収録されている「館内紛失」が第2回…

『裏世界ピクニック3 ヤマノケハイ』宮澤伊織 怪異より怖いのはカルト!

「裏世界ピクニック」シリーズの第三弾 2018年刊行作品。『裏世界ピクニック ふたりの怪異探検ファイル』『裏世界ピクニック2 果ての浜辺のリゾートナイト』に続くシリーズ第三弾である。 これまで1冊あたり4編を収録して来た「裏世界ピクニック」シリーズだ…

『裏世界ピクニック2 果ての浜辺のリゾートナイト』宮澤伊織 ネット怪談好きには堪らない!

「裏世界ピクニック」シリーズの第二弾 2017年刊行作品。『裏世界ピクニック ふたりの怪異探検ファイル』に続くシリーズ第二弾である。 おススメ度、こんな方におススメ! おすすめ度:★★★(最大★5つ) ネット怪談好きの方。「きさらぎ駅」「姦姦蛇螺」「須…

『太陽の簒奪者』野尻抱介の星雲賞受賞作

野尻抱介の代表作 2002年刊行。1999年~2000年にかけて「SFマガジン」に掲載された短編作品「太陽の簒奪者(さんだつしゃ)」「蒼白の黒体輻射」「失われた思索」をリライトした上で長編作品に改稿したもの。ハヤカワSFシリーズJコレクションからの登場であ…

菅浩江『永遠の森 博物館惑星』2000年のベストSF第一位作品!

菅浩江の代表作 2000年作品。1993年から1998年にかけて、早川書房「SFマガジン」に単発で掲載されていた作品群に書き下ろし(「この子はだあれ」)を加えて、単行本として刊行された作品である。 第54回日本推理作家協会賞の長編および連作短編集部門、更に…

『裏世界ピクニック ふたりの怪異探検ファイル』宮澤伊織 ネット怪談×異世界探検のガールミーツガール物語

宮澤伊織作品がハヤカワ文庫に登場 2017年刊行作品。作者の宮澤伊織(みやざわいおり)は2011年の角川スニーカー文庫『僕の魔剣が、うるさい件について』がデビュー作。エスエフ、ライトノベル系のレーベルでの活躍を主としている作家である。 『裏世界ピク…

『海を見る人』小林泰三 初のエスエフ短編集

以下は昨年12月投稿記事の加筆修正版となる。 小林泰三逝去 昨晩(2020年11月25日)のTwittrタイムラインに、以下の一報が流れた。 小説家の小林泰三さんが11月23日午前5時56分に逝去されました。奥様はネット環境になく、田中さんに公表してもらえと…

『2』野崎まど 初期六部作の完結編!

『2』それは究極の作品 2012年刊行作品。『[映] アムリタ 』『舞面真面とお面の女』『死なない生徒殺人事件』『小説家の作り方』『パーフェクトフレンド』に続く、野崎まどとしては六作目の作品である。本作を含め、野崎まどの初期六部作を構成している。 …

小川一水のデビュー作『まずは一報ポプラパレスより』シリーズ全二作を読む

実は乙一と同期だった小川一水 本日は『まずは一報ポプラパレスより』シリーズを二作まとめてご紹介したい。 本作は、エスエフ作家、小川一水のデビュー作だが、デビュー当時は河出智紀という筆名で刊行されていた。今は亡き新書サイズの「JUMP jBOOKS」レー…

『僕が愛したすべての君へ』『君を愛したひとりの僕へ』乙野四方字 二つの作品が繋がる瞬間のカタルシス!

二作同時刊行された並行世界モノ 『僕が愛したすべての君へ』『君を愛したひとりの僕へ』両作が、2016年6月の同時刊行である。 作者の乙野四方字(おとのよもじ)は1981年生まれ。第18回電撃小説大賞《選考委員奨励賞》を受賞した、2012年の『ミニッツ 〜一…

星雲賞受賞作「ネプチューン」も収録!新井素子『今はもういないあたしへ…』

星雲賞受賞作「ネプチューン」を収録した作品集 1988年作品。今は亡き大陸書房からの刊行。 「ネプチューン」と「今はもういないあたしへ…」の中編作品が二作収録されている。解説は新井素子を見出した一人ともいえる星新一が書いていて、タイトルは「十年た…