SF
韓国の新鋭キム・チョヨプのデビュー作 2020年刊行作品。オリジナルの韓国版は2019年刊行で原題は『우리가 빛의 속도로 갈 수 없다면』。作者のキム・チョヨプ(김초엽/金草葉)は1993年生まれの韓国人エスエフ作家。 本作に収録されている「館内紛失」が第2回…
「裏世界ピクニック」シリーズの第三弾 2018年刊行作品。『裏世界ピクニック ふたりの怪異探検ファイル』『裏世界ピクニック2 果ての浜辺のリゾートナイト』に続くシリーズ第三弾である。 これまで1冊あたり4編を収録して来た「裏世界ピクニック」シリーズだ…
「裏世界ピクニック」シリーズの第二弾 2017年刊行作品。『裏世界ピクニック ふたりの怪異探検ファイル』に続くシリーズ第二弾である。 おススメ度、こんな方におススメ! おすすめ度:★★★(最大★5つ) ネット怪談好きの方。「きさらぎ駅」「姦姦蛇螺」「須…
野尻抱介の代表作 2002年刊行。1999年~2000年にかけて「SFマガジン」に掲載された短編作品「太陽の簒奪者(さんだつしゃ)」「蒼白の黒体輻射」「失われた思索」をリライトした上で長編作品に改稿したもの。ハヤカワSFシリーズJコレクションからの登場であ…
菅浩江の代表作 2000年作品。1993年から1998年にかけて、早川書房「SFマガジン」に単発で掲載されていた作品群に書き下ろし(「この子はだあれ」)を加えて、単行本として刊行された作品である。 第54回日本推理作家協会賞の長編および連作短編集部門、更に…
宮澤伊織作品がハヤカワ文庫に登場 2017年刊行作品。作者の宮澤伊織(みやざわいおり)は2011年の角川スニーカー文庫『僕の魔剣が、うるさい件について』がデビュー作。エスエフ、ライトノベル系のレーベルでの活躍を主としている作家である。 『裏世界ピク…
以下は昨年12月投稿記事の加筆修正版となる。 小林泰三逝去 昨晩(2020年11月25日)のTwittrタイムラインに、以下の一報が流れた。 小説家の小林泰三さんが11月23日午前5時56分に逝去されました。奥様はネット環境になく、田中さんに公表してもらえと…
『2』それは究極の作品 2012年刊行作品。『[映] アムリタ 』『舞面真面とお面の女』『死なない生徒殺人事件』『小説家の作り方』『パーフェクトフレンド』に続く、野崎まどとしては六作目の作品である。本作を含め、野崎まどの初期六部作を構成している。 …
実は乙一と同期だった小川一水 本日は『まずは一報ポプラパレスより』シリーズを二作まとめてご紹介したい。 本作は、エスエフ作家、小川一水のデビュー作だが、デビュー当時は河出智紀という筆名で刊行されていた。今は亡き新書サイズの「JUMP jBOOKS」レー…
二作同時刊行された並行世界モノ 『僕が愛したすべての君へ』『君を愛したひとりの僕へ』両作が、2016年6月の同時刊行である。 作者の乙野四方字(おとのよもじ)は1981年生まれ。第18回電撃小説大賞《選考委員奨励賞》を受賞した、2012年の『ミニッツ 〜一…
星雲賞受賞作「ネプチューン」を収録した作品集 1988年作品。今は亡き大陸書房からの刊行。 「ネプチューン」と「今はもういないあたしへ…」の中編作品が二作収録されている。解説は新井素子を見出した一人ともいえる星新一が書いていて、タイトルは「十年た…
再刊されていない可哀そうな作品 1994年刊行作品。かれこれ四半世紀以上も前の作品である。菅浩江(すがひろえ)作品としてはこれが十作目。 ノベルス版で出て、それっきりの不憫な作品である。文庫にもなっていない。 徳間書店は1990年代前半、デュアル文庫…
あの大瀧先生がTV版「エヴァ」をガチで解読 テレビ版の『新世紀エヴァンゲリオン』が放映されていたのは1995年~96年にかけてのこと。なんともかれこれ四半世紀も前のことになる。 そして、『エヴァンゲリオンの夢』は2000年に刊行されている。『新世紀エヴ…
ネビュラ賞、ヒューゴー賞、ローカス賞、サイドワイズ賞を受賞! 2020年刊行作品。作者のメアリ・ロビネット・コワル(Mary Robinette Kowal)は1969年生まれのアメリカ人作家。 本作『宇宙(そら)へ』の、オリジナル米国版は2018年に刊行されており、原題は…
野崎まどの第四作 2011年刊行作品。『[映]アムリタ』『舞面真面とお面の女』『死なない生徒殺人事件 ~識別組子とさまよえる不死~』に続く、野崎まどの第四作にあたる作品である。 その後刊行された『パーフェクトフレンド』『2』を含めて、野崎まどの初期…
疫病が蔓延する世界を描いた戯曲 『白い病(Bílá nemoc)』は、チェコスロバキア(当時)の作家カレル・チャペック(Karel Čapek)が1937年に発表した戯曲である。 岩波文庫版には2020年9月とごく最近の登場である。内容的にコロナ禍の昨今、世に送り出すには…
橋本紡の第三作 『リバーズ・エンド』は2001年から2003年にかけて刊行された作品である。 作者の橋本紡(はしもとつむぐ)は1967年生まれ。1997年に『猫目狩り』電撃ゲーム小説大賞を受賞し作家デビューを果たす。 2000年代前半まではライトノベル(電撃文庫…
野崎まどの第二作 2010年刊行作品。タイトルの『舞面真面とお面の女』の読みは「まいつらまともとおめんのおんな」である。 『[映]アムリタ』に続く、野崎まどの第二作。『舞面真面とお面の女』『死なない生徒殺人事件 ~識別組子とさまよえる不死~』『小説…
「アテナ・クラブの驚くべき冒険」シリーズの一作目 2020年刊行作品。作者のシオドラ・ゴス(Theodora Goss)は1968年生まれ。ハンガリー出身のアメリカ人作家である。 『メアリ・ジキルとマッド・サイエンティストの娘たち』は、オリジナルの米国版が2017年に…
re〜シリーズの一作目 2012年刊行作品。ハヤカワSFシリーズ Jコレクションレーベルからの刊行。 作者の法条遥(ほうじょうはるか)は1982年生まれ。『バイロケーション(応募時タイトルは「同時両所存在に見るゾンビ的哲学考」)』が、日本ホラー小説大賞の…
『復活の地』シリーズの完結編 2004年刊行。第一巻、第二巻と毎週月曜日にお届けしてきた、小川一水による、大都市災害復興シミュレーション小説の最終巻である。最後の巻になって、ようやくセイオとスミルのツーショット表紙が登場。これはちょっと嬉しい。…
『復活の地』シリーズの第二作 2004年刊行作品。先週に引き続き、小川一水の『復活の地』シリーズ全三巻の連続感想をお届けしたい。 『復活の地』はエスエフ仕立ての大都市災害復興シミュレーションだ。未曽有の大震災からいかにして人々を守り、都市を復興…
三体シリーズ三部作の第二作 2020年刊行作品。オリジナルの中国版は2008年に刊行。劉慈欣(りゅうじきん/リウツーシン)による三体(地球往事)三部作の第二作。『三体』の続編にあたり、最終第三作の『三体3 死神永生』へと繋がっていく作品である。 解説は…
野崎まどの第三作 2010年刊行作品。野崎まどとしては、『[映] アムリタ 』『舞面真面とお面の女』に続く三作目の作品である。 その後、野崎まどが売れっ子になるに伴い、2019年に新装版が登場している。現在買うならこちら。 死なない生徒殺人事件 ~識別組…
『復活の地』シリーズの第一作 なんとなく、毎週月曜は続き物作品の紹介を続けている。先週で『導きの星』四部作の紹介が終わったので、今週からは同じく小川一水作品である『復活の地』全三巻の感想をお届けしたい。 本作は2004年刊行。ベストSF2004国内部…
テッド・チャンの最初の著作 2003年刊行作品。オリジナルの米国版は1998年刊行で原題は『Story of Your Life』。 作者のテッド・チャン(Ted Chiang/姜峯楠)は中国系のアメリカ人作家で1967年生まれ。極端な寡作で知られる作家で、つい最近までは本作しか著作…
「導きの星」シリーズ全四巻、完結! 第一巻「目覚めの大地」 、第二巻「争いの地平」、第三巻「災いの空」と、毎週月曜日に続けてお届けしてきた、小川一水初期の名作『導きの星』シリーズの連続紹介も遂に最終巻。本日は、第四巻「出会いの銀河」をご紹介…
新井素子としては珍しい雑誌連載作 2020年刊行作品。KADOKAWAの電子メディア文芸誌「文芸カドカワ」に2017年1月号~2019年8月号まで。「文芸カドカワ」の後継媒体である「カドブンノベル」の2019年9月号~12月号まで連載されていた作品を単行本化したもの。 …
「導きの星」シリーズの第三作 第一巻「目覚めの大地」 、第二巻「争いの地平」と、毎週月曜日に続けてお届けしてきた、小川一水初期の名作『導きの星』シリーズの連続紹介。本日は第三巻「災いの空」をお届けしたい。2003年に刊行された作品である。二十年…
夏に読みたい時間モノ 2005年刊行作品。第37回星雲賞日本長編の部の受賞作である。作者の新城(しんじょう)カズマは1991年から富士見ファンタジア文庫で上梓された『蓬莱学園』シリーズがデビュー作(懐かしい)。 本作は、タイトルの通り「夏」に読んでお…