ネコショカ

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ブックレコメンドへの寄稿始めました

SF

『輝く断片』シオドア・スタージョン 河出の「奇想コレクション」が面白い!

SF

河出書房新社「奇想コレクション」中の1冊 2005年刊行。河出書房新社が刊行していた「奇想コレクション」の第六集にあたる。 「奇想コレクション」は2003年から2013年にかけて、河出書房新社が刊行していた叢書で、海外のエスエフ、ミステリ作家らによる日…

『ビートのディシプリン SIDE1~4』上遠野浩平 「ブギーポップ」シリーズの外伝的な作品

「ブギーポップ」シリーズの外伝 本日は懐かしの上遠野浩平(かどのこうへい)作品。『ビートのディシプリン』SIDE1~4まで、全四作を一気にご紹介したい。 本作は上遠野浩平の代表作「ブギーポップ」シリーズの外伝的なエピソードである。ブギーポップ本人…

『海の底』有川浩(ひろ) 自衛隊三部作のラストを飾る一作

『塩の街』『空の中』に続く第三作 2005年刊行作品。『塩の街』が陸上自衛隊、『空の中』では航空自衛隊が登場し、今回の『海の底』では海上自衛隊が登場する。有川浩(ひろ)の最初期の三作、「自衛隊三部作」と呼ばれる一連の作品の最後に登場するのが『海…

『機動戦士ガンダム 閃光のハサウェイ』富野由悠季 劇場版でどう変えてくるのかが気になる!

本日は劇場版の公開が決まった『機動戦士ガンダム 閃光のハサウェイ』の小説版の感想をお届けしたい(コロナのせいで上映が延期されたけど)。 gundam-hathaway.net ネタバレが基本の当ブログだが、今回は劇場版『機動戦士ガンダム逆襲のシャア』及び、小説…

『ファイナルシーカー レスキューウイング』小川一水 レスキューの最高峰、航空自衛隊救難飛行隊の活躍を描く

航空自衛隊救難飛行隊が舞台 2006年刊行作品。小川一水初のMF文庫作品。この時期の小川一水作品に多かった、公務員がとにかく頑張る系のお話である。サブタイトルは「レスキューウィングス」。 恥ずかしながらよく知らなかったのだが、本作はアニメの『よみ…

『空の中』有川浩(ひろ)の第二作品は特撮マインド全開の会心作

二作目にしてハードカバーで登場 2004年刊行作品。『塩の街』で第10回電撃ゲーム小説大賞を受賞した有川浩の第二作が本書である。電撃文庫デビューの作家が、なんと二作目でハードカバーで登場である。この作家のブレイク作品と言うと、一般的には『図書館戦…

『果てしなき旅路』ゼナ・ヘンダースン ひっそりと暮らす異能の人々の物語

往年の名作、連作エスエフ短編集 作者のゼナ・ヘンダースンは1917年生まれ、1983年に亡くなられたアメリカ人エスエフ作家である。 教職の傍ら執筆を続けた極めて寡作な作家で、この作品は1952年から1959年にかけてアメリカの「ファンタジー・アンド・サイエンス…

『時の果てのフェブラリー 赤方偏移世界』山本弘 11歳の少女が活躍するハードエスエフ作品

ライトノベルの皮をかぶったハードエスエフ 1989年刊行作品。かれこれ30年以上も前の作品である。スニーカー文庫の表紙上に青いラインが入っているのとか、凄く懐かしい感じがする。こちらの表紙イラストは結城信輝が担当。 その後十余年の歳月を経て、2001…

『塩の街』有川浩(ひろ)のデビュー作と終末モノのお作法

有川浩(ひろ)のデビュー作は 電撃ゲーム小説大賞受賞作品 2004年刊行。第10回電撃ゲーム小説大賞の大賞受賞作品。今をときめく有川浩(ひろ)のデビュー作である。現在は「有川ひろ」名義で活動されているのだが、本稿では刊行当時の名義「有川浩」にて記…

『人類最強の初恋』西尾維新 哀川潤メインの戯言シリーズスピンアウト作品

戯言シリーズのスピンアウト作品「最強シリーズ」 西尾維新の「戯言シリーズ」には、いくつかの派生シリーズがある。殺人鬼の一族零崎家の人々を描いた「人間シリーズ」、そして作中最強の人物である哀川潤を主人公に据えた「最強シリーズ」である。 「最強…

『四畳半神話大系』森見登美彦  『太陽の塔』と『夜は短し恋せよ乙女』をつなぐ作品

森見登美彦の二作目 2005年刊行作品。森見登美彦の第二作。デビュー作にして日本ファンタジーノベル大賞受賞作『太陽の塔』、そしてブレイク作となった『夜は短し恋せよ乙女』。この二作の間に刊行されたミッシングリンクをつなぐ作品が本作である。暗黒京大…

『アース・ガード ローカル惑星防衛記』「小川一水」としてのデビュー作

「小川一水」名義で書かれた最初の作品 1998年刊行作品。1996年に第6回ジャンプ小説大賞で大賞を受賞した、河出智紀名義の『まずは一報ポプラパレスより』に続く二作目の作品である。 本作から筆名が小川一水に変わっている。つまり小川一水名義で刊行された…

『どろぼう熊の惑星』R・A・ラファティの日本オリジナル短編集

SF

遅咲きのエスエフ作家ラファティ 作者のレイフェル・アロイシャス・ラファティ(Raphael Aloysius Lafferty)は1914年生まれのアメリカ人男性。SF作家としてのデビューは1960年。 注目を受けメジャー化していくのは1968年以降。というわけなので54歳にしてよ…

『強救戦艦メデューシン』小川一水 絶望的な状況で孤軍奮闘するナースたちの物語

ソノラマ文庫時代の小川一水作品 上巻が2002年、下巻が2003年に刊行。小川一水お得意の架空世界モノ。全六章構成で、各編だけを取ってみてもいちおう読める体裁になっている。 小川一水は近年の大活躍もあって、ゼロ年代に発表された旧作品の復刊活動が盛ん…

『ドゥームズデイ・ブック』コニー・ウィリスの名作タイムトラベルSF

ヒューゴー賞・ネビュラ賞・ローカス賞、三冠に輝いた名作 オリジナルのイギリス版は1992年刊行。原題は『Doomsday Book』。 日本では1995年に単行本版が登場。 ドゥームズデイ・ブック (夢の文学館) 作者:コニー ウィリス 出版社/メーカー: 早川書房 発売日…

『蒲生邸事件』宮部みゆき 普通の人間がまっとうに生きていくことで生まれる感動

SFにしてミステリ、宮部みゆきの20年過ぎても色褪せない名作 1996年作品。『蒲生邸事件』は「がもうていじけん」と読む。「サンデー毎日」に連載されていたもの。第18回(1997年)の日本SF大賞受賞作品。単行本版は毎日新聞社から。 蒲生邸事件 作者:宮部 み…

『アシャワンの乙女たち』牧野修 まさかの『超人バロム・1』パロディ

牧野修による最後のソノラマ作品 2004年刊行作品。牧野修はソノラマ文庫から作品を三冊刊行している。一冊目が、1995年の『プリンセス奪還―トウキョウ・バトル・フリークス』。二冊目が、2003年の『乙女軍曹ピュセル・アン・フラジャーイル』。そして最後の…

『ふわふわの泉』野尻抱介 某超有名SF作品へのオマージュ

タイトルはふわふわしているけど内容はハードSF 2001年刊行作品。最初の文庫版はライトノベルレーベルのファミ通文庫から登場。 2002年星雲賞の日本長編部門を受賞。ハヤカワのベストSF2001国内部門の6位にランクインしている。 その後、入手困難な時期が続…

『ハローサマー、グッドバイ』マイクル・コーニー ラスト50ページからの衝撃!

マイクル・コーニー『ハローサマー、グッドバイ』(河出文庫)のネタバレ感想。 残り50ページからのどんでん返しがマジで凄まじい!青春恋愛小説としての魅力、伏線についても考察しています。

『ピニェルの振り子 銀河博物誌1』野尻抱介 19世紀の人類が宇宙旅行を可能にしたら?

魅力的な設定のエスエフ作品 2000年刊行作品。作者の野尻抱介(のじりほうすけ)は1961年生まれ。 1992年に「クレギオン」シリーズでデビューして以来、長らく富士見系の作家であった野尻抱介が初めてソノラマ文庫に書き下ろした作品が本作である。早川書房…

『いのちのパレード』恩田陸ならではの「奇想」を味わう第三短編集

恩田陸、三冊目の短編集 2007年刊行作品。実業之日本社の小説誌「ジェイ・ノベル」に掲載されていた作品14編に、書き下ろし1編を加えて単行本化したもの。 『図書室の海』『朝日のようにさわやかに』に続く、恩田陸三作目の短編集である。 いのちのパレード …

『海を見る人』小林泰三 初のエスエフ短編集

小林泰三の七作目の作品 2002年刊行作品。ハヤカワSFシリーズJコレクションの一冊として登場した。 1997年~2001年にかけて「SFマガジン」誌に掲載されていた五編に、徳間デュアル文庫『少女の空間』収録の「独裁者の掟」、そして書き下ろしの「キャッシュ」…

『レキオス』池上永一 千年の眠りから覚める沖縄の封印

池上永一の第四作 2000年刊行。『バガージマヌパナス』『風車祭』『復活、へび女』(改題されて『あたしのマブイ見ませんでしたか』)に続く池上永一の四作目である。 ベストSF2000の国内部門の第2位。2001年版の「このミステリーがすごい!」の国内部門第20…

『<柊の僧兵>記』菅浩江のデビュー二作目

ソノラマ文庫版とデュアル文庫版がある 1990年刊行作品。最初はソノラマ文庫からの登場。この時の表紙イラストは加藤洋之&後藤啓介。『ゆらぎの森のシエラ』に続く、菅浩江の第二作である。ちなみに『<柊の僧兵>記』は「ひいらぎのそうへいき」と読む。 「…

『朝日のようにさわやかに』恩田陸の第二短編集

14編を収録したバラエティに富んだ短編集 2007年刊行作品。『図書室の海』に続く恩田陸の第二短編集である。この当時、既に恩田陸の刊行ペースは相当に早く、ほぼ毎月なにかしら作品が出ている状態であった。この時期の多作ぶりはホントに凄かった。デビュー…

『沈黙のフライバイ』野尻抱介 国産ハードSF小説の良作

2007年刊行作品。「ベストSF2007」の国内第三位作品。1998年から2006年にかけて「SFマガジン」「SFオンライン」に発表された四編に書き下ろし一編を加えて文庫化したもの。 「ロケットガール」シリーズや『ふわふわの泉』みたいにライトノベルの装いに身を包…

『フリーランチの時代』小川一水の第二短編集

ヴァラエティに富んだ内容の短編集 2008年刊行作品。SFマガジン等に掲載された作品群をまとめた小川一水の第二短編集。第一短編集である『老ヴォールの惑星』のスケールの大きさに較べるとやや小粒かな。 あらすじ 火星探査に訪れた隊員たちを待ち受ける奇想…

『銀河帝国の弘法も筆の誤り』田中啓文 「バカSF」をとことん楽しめる一作

SF

第33回星雲賞受賞作を含む短編集 2001年刊行作品。SFマガジン1997年8月号、2000年2月号、、SFマガジン1999年9月臨時増刊号に掲載された作品に加え、表題作を含む書き下ろし二作を加えたSF短編集である。表題作である「銀河帝国の弘法も筆の誤り」は第33回星雲…

『犬は勘定に入れません あるいは、消えたヴィクトリア朝花瓶の謎』コニー・ウィリス 時間モノの傑作

ヒューゴー賞・ローカス賞ダブル受賞作 2004年刊行作品。オリジナルの米国版は1998年に刊行されている。原題は『To Say Nothing of the Dog』。ヒューゴー賞・ローカス賞受賞。日本では「このミステリがすごい!2005」海外部門第九位、「SFが読みたい2005」海…

『三体』劉慈欣 全世界2100万部の超ベストセラーSF

「三体」シリーズ三部作の一作目 2019年刊行作品。オリジナルの中国版は2006年に中国のSF雑誌『科幻世界』に連載されていたもので、2008年に書籍化されている。作者の劉慈欣(りゅうじきん/リウツーシン)は1963年生まれの中国人SF作家。本作で、2015年のヒ…