ネコショカ

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2023年に読んで面白かった新書・一般書10選

『嫉妬と階級の『源氏物語』』大塚ひかり

京都

『嘘つきなふたり』武田綾乃 “正解を選ぶだけの人生”からの逃避行

友情と嘘の物語 2022年刊行作品。作者の武田綾乃(たけだあやの)は1992年生まれの小説家。代表作はいうまでもなく2013年の『響け! ユーフォニアム』だろう。武田綾乃は同シリーズだけで10作以上の著作があるが、非ユーフォニアム系のノンシリーズも、手堅…

『糞袋』藤田雅矢 タイトルが強烈過ぎる!!

藤田雅矢のデビュー作 1995年刊行作品。第七回日本ファンタジーノベル大賞の優秀賞受賞作である。ちなみにこの年のファンタジーノベル「大賞」は該当作なしであった。 なお、『糞袋』はもちろん「くそぶくろ」と読む。糞袋とは、糞を包んでいる袋、つまり人…

『暗い旅』倉橋由美子 鎌倉、東京、そして京都へ、失われた愛を求めて

倉橋由美子の初長編作品 1961年刊行作品。最初の単行本は講談社の系列会社であった、いまは亡き東都書房から。続いて1969年に学芸書林版の単行本版が世に出ている。このあたりは、さすがに古すぎてAmazonでも書影が出ない。 最初の文庫版は新潮社から。こち…

『鬼女の都』菅浩江 京都×同人の世界を描いた本格ミステリ

菅浩江初の本格ミステリ 1996年刊行作品。1989年に『ゆらぎの森のシエラ』でデビューして以来、エスエフ、ファンタジー寄りの作品を手掛けてきた菅浩江が、初めて書いた本格推理小説が本作である。ちなみに、カバーの袖には法月綸太郎の賛辞まで入っていた。…

『太陽の塔』森見登美彦は最初からすごかった

森見登美彦のデビュー作 第15回の日本ファンタジーノベル大賞の大賞受賞作品。2003年刊行。今は説明の必要もないほどの人気作家、森見登美彦のデビュー作が本作だ。当時の森見登美彦は現役の京大生。在学中にこれほどの快作を書きあげていたとは恐るべしなの…

『四畳半神話大系』森見登美彦  『太陽の塔』と『夜は短し恋せよ乙女』をつなぐ作品

森見登美彦の二作目 2005年刊行作品。森見登美彦の第二作。デビュー作にして日本ファンタジーノベル大賞受賞作『太陽の塔』、そしてブレイク作となった『夜は短し恋せよ乙女』。この二作の間に刊行されたミッシングリンクをつなぐ作品が本作である。暗黒京大…