ネコショカ

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2023年に読んで面白かった新書・一般書10選

『嫉妬と階級の『源氏物語』』大塚ひかり

トマス・H・クック

『緋色の記憶』トマス・H・クック 追憶の中の物語

アメリカ探偵作家クラブ賞(エドガー賞)受賞作 1998年刊行。オリジナルの米国版は1996年刊行で原題は「The Chatham School Affair」。作者のトマス・H・クック(Thomas H. Cook)は1947年生まれのアメリカ人作家。 1997年度のアメリカ探偵作家クラブ賞(エドガー…

『夏草の記憶』トマス・H・クック、屈指のビターエンド作品

2000年版「このミス」海外部門で第三位 1999年刊行。トマス・H・クック(Thomas H. Cook)は1947年生まれのアメリカ人作家。本作が12作目。オリジナルの米国版1995年の刊行。原題は「Breakheart Hill」である。2000年版「このミス」海外部門で第三位に入った作…

『心の砕ける音』トマス・H・クック 対照的な兄弟と運命の女

「このミス2002」海外部門第五位 2001年刊行作品。「このミス2002」の海外部門第五位の作品。オリジナルの米国版は2000年刊行で、原題は『 Places in the Dark』。 おススメ度、こんな方におススメ! おすすめ度:★★★★(最大★5つ) 運命の女に翻弄される兄…

『石のささやき』トマス・H・クック 家庭内で起きた悲劇と血の呪縛

現代を舞台としたクック作品 2007年刊行作品。クックお得意の回想型ミステリだ。原題は『The Murmur of Stones』。 クック作品と言えば、20世紀前半~中盤くらいを舞台とした話が多かった印象である。本作では珍しく物語の舞台が現代なので、これまで読んで…

『死の記憶』トマス・H・クック 平穏なままに年齢を重ねていくことへの怖れ

過去から蘇る「死の記憶」 1999年刊行作品。オリジナルの米国版は1993年に刊行されている。ちなみに、原題はまさにそのまんまな『Mortal Momory』である。 書影の帯を見て頂くとわかると思うが、『緋色の記憶』のトマス・H・クックとある。つまり日本国内では…

『夜の記憶』トマス・H・クック 幼き日の心の闇に向き合うこと

過去と現実、虚構と真実が混ざり合う幼い日の物語 本日ご紹介するのはトマス・H・クックのこちらの作品。クック作品を紹介するのは前回の『緋色の記憶』に続いて二回目となる。 2000年刊行。オリジナルの米国版は1998年刊行。「このミステリがすごい!2000」の…