ネコショカ

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ブックレコメンドへの寄稿始めました

世界史

『王妃の離婚』佐藤賢一 うらぶれたオッサンが頑張る話に昂る

佐藤賢一の直木賞受賞作 1999年刊行作品。佐藤賢一の五作目。第121回の直木賞受賞作である。ちなみに同時受賞タイトルは、桐野夏生の『柔らかな頬』であった。 1994年に書かれた佐藤賢一のデビュー作、『ジャガーになった男』は戦国時代にスペインに渡った一…

『半身』サラ・ウォーターズ ヴィクトリア朝時代のイギリスを舞台とした傑作ミステリ

2003年の翻訳ミステリ界を制した傑作 2003年刊行作品。オリジナルは1999年にイギリスで出版されている。原題は『Affinity』。作者のサラ・ウォーターズはヴィクトリア期のイギリスを舞台とした作品を得意としており本作がデビュー二作目。 このミス2004年版海…

『カルチェ・ラタン』佐藤賢一 16世紀のパリを舞台とした連作短編小説

16世紀のパリを舞台とした成長物語 2000年作品。佐藤賢一、七作目の作品。お得意のフランスモノである。 カルチェ・ラタン 作者:佐藤 賢一 発売日: 2000/05/02 メディア: 単行本 集英社文庫版ハ2003年に刊行されている。 不勉強にして知らなかったのだが、本…

『十字軍騎士団』橋口倫介 明暗が分かれたテンプル騎士団と聖ヨハネ騎士団

十字軍から生まれた修道騎士団 1994年刊行。筆者の橋口倫介(はしぐちともすけ)は1921年生まれの歴史学者で、上智大学出身で、教授、学長まで務められた方である。2002年に他界されている。 本書のオリジナルは近藤出版社より1971年に刊行された『騎士団』…

『廃帝綺譚』宇月原晴明 順帝、建文帝、崇禎帝、そして後鳥羽院の物語

『安徳天皇漂海記』とあわせて読みたい 2007年刊行作品。宇月原晴明(うつきばらはるあき)としては六作目の作品にあたる。ミルキィ・イソベの表紙デザインが美しい。 タイトルや表紙デザインから想像がつく方もおられるかもしれないが、本作は2006年に上梓さ…

『朗読者』ベルンハルト・シュリンク 誇り高き一人の女の物語

予備知識なしで読んで欲しい 1995年刊行。ドイツ人作家ベルンハルト・シュリンクによる小説作品。原題は『Der Vorleser』。日本版は2000年刊行。新潮社の海外作品レーベル「新潮クレスト・ブックス」からの登場だった。 朗読者 (新潮クレスト・ブックス) 作…

『ドゥームズデイ・ブック』コニー・ウィリスの名作タイムトラベルSF

ヒューゴー賞・ネビュラ賞・ローカス賞、三冠に輝いた名作 オリジナルのイギリス版は1992年刊行。原題は『Doomsday Book』。 日本では1995年に単行本版が登場。 ドゥームズデイ・ブック (夢の文学館) 作者:コニー ウィリス 出版社/メーカー: 早川書房 発売日…

『悪魔の布 縞模様の歴史』ミシェル・パストゥロー ストライプをめぐる文化論

縞模様好き必読の一冊 1993年刊行。オリジナルのフランス版の原題は『L' étoffe du diable』で1991年刊行。筆者のミシェル・パストゥローは1947年生まれのフランス人研究者。紋章学を主要な研究ジャンルとしているが、幅広い分野で活躍をしている人物である。…

『われはフランソワ』山之口洋 詩人フランソワ・ヴィヨンの一代記

山之口洋の第三作 2001年刊行作品。『オルガニスト』で第10回日本ファンタジーノベル大賞の大賞を受賞した山之口洋(やまのぐちよう)の三作目。 単行本のみで文庫化はされていない。 あらすじ 15世紀初頭。フランス。ジャンヌ・ダルクが焼かれた年に生まれた…

『独裁者のデザイン ヒトラー・ムソリーニ・スターリン・毛沢東の手法』松田行正 デザインは毒にも薬にもなる

独裁者によるデザイン、シリーズ三作目 2019年刊行。筆者の松田行正(まつだゆきまさ)は1948年生まれのグラフィックデザイナー。 ヒトラー、スターリンなどの独裁政権によるデザインについて言及した一連のシリーズの三作目であり、本作に先立って2017年の …

岩波新書『奴隷船の世界史』布留川正博 奴隷制はまだ終わっていない

400年続いた奴隷貿易の歴史 2019年刊行。筆者の布留川正博(ふるかわまさひろ)は1950年生まれ。現在は同志社大学経済学部の教授。専攻は大西洋の奴隷貿易史、近代奴隷制史。 専門書、それも共著が数作。一般人向けの著作はほとんどない。本書が初めてかも。…

『オクシタニア』佐藤賢一 異端者と異端審問官になった夫婦の物語

13世紀の南仏を舞台とした歴史小説 2003年刊行作品。長いよ長いよの書き下ろし2,400枚。フツウの長編小説六冊分である。積読すること四年。ようやく読めた。 サトケンお得意のフランスモノ。今回のテーマははアルビジョア十字軍。相変わらず渋すぎるテーマチ…

『ナポレオンの勇者たち』リチャード・ハワード 邦訳版は二巻で打ち切られてショック!

『ナポレオンの勇者たち』シリーズとは? 本日お届けするのはリチャード・ハワードの『ナポレオンの勇者たち』シリーズである。リチャード・ハワードは1958年生まれの英国人作家。ホラー系のジャンルを得意しているショーン・ハトスンの別名義作品である。 Abe…

『黒い悪魔』佐藤賢一 黒い肌を持つフランス人将軍の物語

フランス革命を舞台とした立身出世物語 2002年刊行作品。「オール讀物」の2002年1月号から12月号に連載されていた作品を単行本化したものである。 黒い悪魔 作者: 佐藤賢一 出版社/メーカー: 文藝春秋 発売日: 2003/08/08 メディア: 単行本 購入: 1人 クリッ…

『 ジャガーになった男』佐藤賢一 戦国時代の武士がスペインに!

佐藤賢一のデビュー作 1994年刊行作品。第6回小説すばる新人賞受賞作で、佐藤賢一のデビュー作である。もう四半世紀も前の作品かと思うと、なかなかに感慨深い。 佐藤賢一は1968年生まれ。山形大学卒業後、東北大学文学の大学院へ進学。本作は同院在学中に受…

『ベルリンは晴れているか』深緑野分、弱者が弱者を虐げる世界で

2019年の本屋大賞第3位 2018年刊行作品。直木候補作、2019年の本屋大賞第3位にランクインした作品である。 作者の深緑野分(ふかみどりのわき)は1983年生まれ。東京創元社の公募新人賞「ミステリーズ!新人賞」に応募した『オーブランの少女』が佳作入選し…

『死の泉』皆川博子が描く狂気と幻想の世界

第二次大戦下のドイツを舞台とした作品 1997年刊行作品。第32回の吉川英治文学賞を受賞している。 皆川博子は1929年(もしくは1930年)生まれで、1970年のデビューから現在に至るまで、連綿と現役の作家として活動を続けている。80代に入っても一向に刊行ペ…

佐藤賢一『双頭の鷲』百年戦争の英雄デュ・ゲクランの生涯

佐藤賢一の四作目はお得意の百年戦争モノ 1999年刊行作品。『ジャガーになった男』『傭兵ピエール』『赤目のジャック』に続く、佐藤賢一の四作目である。 新潮文庫版は2001年に刊行されている。単行本は単巻で刊行されていたが、文庫化に際して上下巻に分冊…

イヌから読み解く異色の現代史『ベルカ、吠えないのか?』古川日出男

二人称で描かれる異色の現代史 2005年刊行作品。古川日出男としては10作目。あまりお目にかかることが無い、二人称形態で書かれた小説作品である。 戦時下に置き去りにされた四頭のイヌのその後を描く章と、現代のロシアの物語が交互に描かれていく。イヌに…

佐藤賢一『赤目のジャック』~フランス中世最大の農民反乱の顛末

単行本から文庫になる際にタイトルが変わっている 1998年刊行。『ジャガーになった男』『傭兵ピエール』に続く佐藤賢一の三作目。 1997年~1998年にかけて雑誌「鳩よ!」に連載されていた作品が『赤目 ジャックリーの乱』というタイトルでマガジンハウスから…