ネコショカ

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2023年に読んで面白かった新書・一般書10選

『嫉妬と階級の『源氏物語』』大塚ひかり

2023-11-01から1ヶ月間の記事一覧

『むかしむかしあるところに、死体がありました。』青柳碧人 昔話×ミステリの楽しさ

2020年本屋大賞の第10位! 2019年刊行作品。筆者の青柳碧人(あおやぎあいと)は1980年生まれ。2009年に数学を題材としたミステリ『浜村渚の計算ノート』で、講談社Birth小説部門を受賞し小説家デビューを果たしている。デビューしてからの十年で、作品数は3…

『[少女庭国]』矢部嵩 壮大な変奏曲、少女たちに課せられた「卒業試験」

矢部嵩の第四作 2014年刊行作品。早川書房のハヤカワSFシリーズJコレクションからのリリースだった。2013年の『魔女の子供はやってこない』に続く、矢部嵩(やべたかし)の第四作となる。ちなみにタイトルの『[少女庭国]』は「[しょうじょていこく]」と読む…

『invert 城塚翡翠倒叙集』相沢沙呼 「invert」に込められた意味を考えてみよう

文庫化されたのでちょこっと修正しました。 翡翠ちゃんにまた会える! 2021年刊行作品。「雲上の晴れ間」「泡沫の審判」「信用ならない目撃者」の三篇を収録した短編(中編?)作品集。「泡沫の審判」のみ、講談社の小説誌「小説現代」の2021年1月号に掲載。…

『存在のすべてを』塩田武士 未曾有の二児同時誘拐事件と、それからの三十年

塩田武士の新たな代表作になりそう 2023年刊行作品。朝日新聞社の週刊誌「週刊朝日」の2022年4月1日号~2023年6月9日号にかけて連載されていた作品を単行本化したもの。初出時のタイトルは「未到の静けさ」だった。2023年版の週刊文春ミステリ・ベスト10では…

『ボトルネック』米澤穂信の「20代の「葬送」」として書かれた作品

米澤穂信『ボトルネック』あらすじとネタバレ感想です。「夢の剣」の意味、川守の正体、主人公の最後の選択について考察、検証しています。 古典部、小市民シリーズなどの感想も書いてます。

『スモールワールズ』一穂ミチ 歪な家族の在りかたを描いた短編集

本屋大賞で第3位&直木賞候補作 2021年刊行作品。講談社の小説誌「小説現代」に2020年~2021年にかけて掲載されていた作品を単行本化したもの。BL作品の書き手として知られていた、一穂(いちほ)ミチが、2016年の『きょうの日はさようなら』に続いて、一般…

『イクサガミ 地』今村翔吾 明治のバトルロワイアル「蟲毒」、侍たちの最後の戦い

「イクサガミ」の第二巻が登場! 2023年刊行作品。講談社の小説誌「小説現代」の2022年4月号に掲載された「壱ノ章 仏性寺弥助」に、残りの八章分を書き下ろしで追加して上梓された作品。 2022年の『イクサガミ 天』に続く、「イクサガミ」シリーズの第二巻と…

『近畿地方のある場所について』背筋 見つけてくださってありがとうございます。

情報をお持ちの方はご連絡ください 2023年刊行作品。作者の背筋(せすじ)は、KADOKAWAの小説投稿サイトカクヨムを中心に活躍している作家。年齢、性別、属性などは一切公開されていない覆面作家だ。本作『近畿地方のある場所について』がデビュー作ってこと…